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作戦会議

※王子側視点です

* * *


がり勉令嬢が行方不明になっていると王子達が気が付き始めたのは、ナナエルが登校をやめた翌日だった。

まず王子が仕事の遅れを朝食の際指摘された。


ナナエルに無能さを注意しようと彼女のいるはずの部屋に王子は向かったがもぬけのからだった。

女官が言うには昨日からこの部屋には来ていないらしい。


仕事しかできない上にそれすらもサボっている。

そう王子は思った。


与えられた仕事すらこなさないなんてなんと傲慢な女なのだろう。

しかも王族の仕事だ。

それを無断で放棄して報告すらしていない。


王家を馬鹿にしているも同然だ。


王子はどすどすと足を踏み鳴らして、学園に向かう。

学園では側近たちが待っており、がり勉令嬢の失態について共有する。


「彼女なら生徒会室にいるのでは?」


そう言われて皆で向かう。

生徒会室には誰もいなかった。

しかも申請書類が積まれている。

こちらの仕事もさぼっている様に見える。


この学園は貴族のためのものだ。

そのため、領地等の運営の練習として学園の運営の一部分を生徒会がになっているため忙しい。

それをわかっていて放棄してどこにもいない。



がり勉令嬢を探したがどこにもいなかった。

聞いたところによると学園にも来ていないらしい。

行方不明になったのかと思ったが、どうもそういう事ではないらしい。


本当に使えない女だ。

ユリウス王子はそう思った。


学園の王族専用の食事スペースで側近たちと昼食を取りながら考えた。


「ユリウス様、今日は難しい顔をしてますよ♡」


昼休みにユリウス王子の真実の愛の相手、キャサリンはそう言った。

彼女はやはり自分のことをよくわかっているとユリウス王子は思った。

彼女こそ自分のことを一番に考えよくわかっていてくれるのだと。


「あの、婚約者候補はもういらないでしょう」


誰かがそう言った。

その言葉を誰が言ったのか、後になっても分からない。

誰も、その場にいた全員がどういう声だったかさえ覚えていない。


とにかくその声を聞いて、王子はその通りだと思った。


「キャサリンを宮殿に迎える準備をしなくてはな。

そのためにもがり勉令嬢は邪魔だ」


王子は言った。

側近たちが、「それでは二人をモデルにした恋物語を市井で流行らせましょう」と案を練ってくれた。

やはり真実の愛というものは人心をつかむものなのだと王子は思った。



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