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真夜中のマル秘授業 守り神伝説と一年前の真実

ハッピー先生の夜の特別授業。


「この島には以下の三つの伝説があります。


『グリーズ島の守り神伝説』『聖女の涙』『グリーズ島の伝説』。


その中でも『グリーズ島の守り神伝説』と『聖女の涙』は密接に関わっています。


ここまでは何度かお話したと思います」


「覚えてます」


ブリリアントが反応。


「あったけ…… 」


シンディーは思い出そうともしない。


他の者は首を縦に振る。


アリアはやはり警戒してるのか黙ったまま。



「ここからが大事です。それでは大河さんお答えください。


『グリーズ島の守り神伝説』とはどのようなものでしたか? 」


俺に振られても…… 適当に聞き流してたからなあ……


確かこんな感じだったよな。


「島の開拓者が島の平穏を保つ為にまたシンボルとして連れて来られた獣……


自然破壊を繰り返す島民に怒り狂い夜住民を次々に襲いかかる恐ろしい話」


「はいそうですね。では大河さんこの物語から何が読み取れますか? 」


まるで国語の授業。もう眠いんだけどな。


「自然破壊は身を亡ぼす」


「ええ自分に返ってきますね。それで何か気付いた点はありますか? 」


また俺かよ。これなら他の奴を呼ぶ必要がない。


ハッピー先生は何を考えてるのだろう。


「何かと言われても出てくるのは獣ぐらいなものですよ。


本当にこの話が『聖女の涙』と関係があるんですか?


二つの伝説が密接に関わってると聞いたがどうも今一つ分からない。


「ええ。そうですね獣と言えば具体的には熊みたいなものでしょうか」


熊? ますます訳が分からなくなっていく。


「ハッピー先生。私たちにも分かるように説明願います」


ブリリアントが我慢できずに口を挟む。


他の者もうんうんと頷く。



ハッピー先生は仕方ありませんねと一つ息を吐き皆を見回す。


「あまりあなた方を怖がらせたくなかったのですがもっと踏み込みましょうね」


俺を見る。


「こう言ったらどうでしょう。あなたは一年前、誰に助けてもらったんです? 」


まさかハッピー先生は正体を知ってるのか?


だがまったく思い当たらない。そもそも誰かなど分かるはずがない。


一年前のあの時俺は目が見えなかった。そんな俺が気付けるはずがない。


「大河さんどうしました? お答えください」


「俺は知らない。俺を助けてくれた恩人はいつの間にか姿を消していた。


だから知りようがない。だから知っているなら教えて欲しい」


「ふふふ…… 大河さん。私も何度か救われてるんですよ」


「ハッピー先生。それはあなたが謎の人物の正体を知ってると言うことですか?」


さっきからハッピー先生の鋭い視線が俺を圧迫する。


もはや睨んでいると言っても過言ではない。


真剣な表情でおかしなことを言い始めた。


もう俺が狂ったか。ハッピー先生がいかれたかのどちらかだろう。



「はいもういいでしょう。伝説の獣とは実際に存在していたのです。


島の守り神としてグリーズ島にいえマウントシーにおられるのです。


そして我々をマウントシー全体を見守ってるのです」


ついに狂ってしまったか。


「まさか本気で言ってるんですか? そんなこと…… あり得ない」


「そうですよ。何かの間違いではありませんか」


ブリリアントとドルチェが反応する。


「それがあり得るんですよ。私も当時の関係者ですから。


伝説がどこまで正しいかは他の者に委ねるとして確実に存在するんです。


伝説の獣は今でもこのマウントシーで息を潜めている」


「では俺は伝説の獣。いえ守り神によって救われたと? 」


無理があり過ぎる。まさか俺たちを騙す気か?


作り話で煙にまく気か。


「そうです。その証拠にあなたは不思議な薬を所持している」


室内がシーンとなった。


誰も声を上げない。


動く者もいない。


ただ張りつめた空気が流れている。



「ハッピー先生。俺は未だに信じられません。


俺はあの当時この村の者でもなければマウントシーの関係者でもない。


ただの観光客で無関係のよそ者。そんなよそ者の俺を助ける義理無いでしょう。


あの獣はいえ守り神はそれほど慈悲深いのでしょうか? 」


疑問をいや矛盾点を突く。


「なぜあなたを助けたか私にも分かりません。もちろん選ばれたのかと思います。


ただの気まぐれだったのかもしれませんし慈悲深かっただけかもしれません。


満腹で食べることよりも助けることを優先したのかもしれませんね。


もしかしたら母性本能から助けたのかもしれません」


「母性本能? 」


全員が反応する。


「あら言ってませんでしたっけ。獣はメスなんですよ。


あそこで一人暮らしていたものだから仲間が増えて喜んだのかもしれませんね」


適当なことばかり言っているがどこまで信用できるのやら。


いやまったく何一つ信用できない。


ここまで信用に値しない人間ではなかったはずだ。


ハッピー先生。いくら何でも無理が過ぎる。


                  続く

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