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交渉決裂

追い詰められたアリア。


「仕方ないわね。大河には参った。取引と行きましょう」


呆気なく認める。少々期待外れ。


下手な言い逃れをする彼女を問い詰める楽しみを奪われた。


これだけ素直なアリアならいつも苦労してないが。


「取引だと? 」


「まずあなたが知りたがってる情報を教える。その後取引を行う」


悪くない条件だ。俺は情報を得た上で取引に応じるか決められる。


「ちょっと待て。それは前回のあの話か? 」


「ふふふ…… そう二人が結ばれた時に漏らした話」


「分かった」


覚えてやがったか。まあ当然だよな。



「大河はどこまで知ってるか分からないけど教えてあげる。


ある人物そう私に命令してる奴がマウントシーを襲撃しようとしてる。


決行日は土曜日。そうなったらマウントシーも館も滅茶苦茶になってしまう。


大河が極秘で進めていた計画も失敗に終るでしょうね」


ついにアリアの正体が知れた。


アリアは残念だが敵だ。奴の手先。奴に関係する者はすべて敵。



「そうか。貴重な情報ありがとう。お前の上司の翼さんによろしくと伝えてくれ」


「翼さん…… あなたそんなことまで知ってるの? 」


アリアは隠すことはしない。翼との関わりを認めた。


「俺の助手は優秀でね」


勝ったぞ。これでアリアには何もない。俺の絶対的優位は揺るがない。



「それでは本題。取引。ううん。共同作戦と行きましょうか」


「おいふざけるな。誰がお前らなんかと手を組むか」


「落ち着いて最後まで話を聞いて大河。取引と言っても大したことじゃない。


あなたが私たちの仲間になるかもしくは手に入れたであろう宝を渡して欲しいの」


図々しくも命令しやがる。


「おい。俺にまったくメリットが無いように感じるが」


当然の疑問をぶつけてみる。


「そんなことはない。マウントシーも少女たちも守ることができる。


条件を呑んでくれれば彼女たちは安全よ。悪くないと思うけどな」


「無駄だ。取引には応じない」


「いい。よく聞いて。少女たちに危害を加えない。保証する」


「ノーと言ったら? 」


「真剣に考えて。彼はそんなに生ぬるくない。あなたも知ってるでしょう? 」


「条件を呑めと? 」


「そうよ。それがベスト。私だって仲間に危害が及ぶのは忍びないの。


前はそんなことなかった。どうしちゃったんだろう私? 」


「ふふふ…… 仲間ね。良く言えたものだ」


「私おかしい? 」


俺に聞くことではない。俺が答えることでもない。


「お前も人間ってことさ。奴は獣だがな」


「お願い条件を呑んで。そんなに悪い条件でもないでしょう?


あなたの目的は大体分かるわ。彼女の為に使いたいんでしょうその秘薬を。


使い終ったら渡してくれればいい。あなたも彼も獲物は同じ。だからお願い」



まったくどうなってやがる。冗談じゃない。


自分のことをベラベラとしゃべったと思ったら俺のことまで言い当てやがって。


本当にこの女は怖いぜ。何をどこまで把握してるんだか。


「秘薬ね…… そんな言い方しなくてもこの島に伝わる伝説の宝。


『聖女の涙』だろ? 濁すなよな」


「そうそれ。目的は同じ。お互い協力しましょう」


「本当に残念だよ。希望に沿えなくて」


「何を言ってるの? ここまで話して従わないつもり? 」


怒りを露わにする。


「そうそれでいい。俺は別にお前らと組むつもりはない」


「大河」


「奴の思い通りにさせたくない。絶体にな」


「後悔することになるわよ。どんな手を使ってでもあなたに思い知らせる」


「いいさ。ご自由に」


交渉は決裂。


アリアはドアを力任せに閉め出て行った。



アリアが消え邪魔者は居なくなった。これで思う存分探れる。


部屋を隈なく調べたが結局目的のブツを見つけられなかった。


どうやらここには置いてないらしい。どっか別の安全なところ。


仕方なく元に戻し部屋を後にする。



アリアが提示した取引条件も決して悪いものではなかった。


しかしバックにあの男が居るとなると簡単には応じられない。


また出し抜かれることもあるだろう。


とにかく早く御酒を探し出さねばならない。


何としても土曜日までに探し出し逆に奴らを出し抜く。


忙しくなって来たぜ。



カナを助ける為に島に行きマウントシーに潜入までした。


だから必ず『聖女の涙』を探し出さなければならない。


副村長との約束もある。


果たして俺に出来るのか? 不安は尽きない。


              続く

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