レミちゃんのおともだち ~おるすばんでのひとまく~
4さいのレミちゃんは、ぬいぐるみといっしょにおるすばんです。
レミちゃんのおうちには、おとなりのランコさんもきてくれました。
公式企画『冬の童話祭2023』参加作品です。
別の小説『ランコ推参! ~キャンプ場での一幕~』の登場人物がでますが、前作を知らなくてもお楽しみいただけます。
「ランコおばちゃん、よろしくおねがいします」
4さいのレミちゃんは正座して、ていねいにごあいさつしました。
レミちゃんのよこには、ぬいぐるみたちがズラリとならんでいます。
「あのね、レミちゃん。おばちゃんじゃなくて『おねえちゃん』ってよんでくれるかな。ランコちゃんでもいいよ」
大学生のランコさんには、『おばちゃん』とよばれるのはイヤだったみたいです。
「うん。それじゃあ、ランコちゃんってよぶね」
「よろしい」
ランコさんは、レミちゃんちのおとなりにすんでいます。
レミちゃんのママがランコさんに頼んで、きてもらったのでした。
「レミちゃん、なにをしてあそぼっか」
「この子たちといっしょにあそぶの」
レミちゃんのとなりにはぬいぐるみがならんでいます。
ウシ、タヌキ、ヒョウ、テントウムシ、イルカ……。
さいごによくわからない子がいました。
白い生きものです。ちゃいろのふくをきています。
「シロクマかな? いや、それにしてはシッポが長いね。レミちゃん。この子はイヌ? それともオコジョかテン……」
「ぜんぶちがうよー」
「むずかしいな。ヒントってないかな? この子はどんな鳴き声なの?」
「あのねー。ヒューン、ヒューンって鳴くの」
「ヒューン……。シカ……には見えないな。ぜんぜんわからない。こうさんだ。レミちゃん、これはなに?」
「もふモッフィーのヒュンヒュンくんだよ」
レミちゃんがぬいぐるみのぼうしをとりました。
大きくて長い耳がありました。
ふつうのどうぶつではなく、なにかのキャラクターのようです。
「ねぇ、ランコちゃん。シカさんもヒューンって鳴くの? じゃあ、トナカイさんもかな?」
「たしか、トナカイは『グー、グー』って鳴くらしいよ」
「そうなんだ。しらなかった」
そういいながら、レミちゃんはぬいぐるみたちをわのようにならべました。
「それじゃあ、しりとりをやりましょう」
レミちゃんはヒュンヒュンくんをもって「リンゴ」といいました。
つぎにウシをもって「ゴ?、ゴ?、ゴ?……ゴマ」といいました。
すこし声をかえています。
レミちゃんはじゅんばんにぬいぐるみをもちかえて、しりとりをつづけます。
しばらくつづけて、イルカをもったときのことです。
「ピ?、ピ?、ピ?、……ピーマン」と言いました。
レミちゃんは「んっていったー」といって、ほかのぬいぐるみたちをイルカにくっつけておしくらまんじゅうにしました。
「ははは……。おもしろいね、レミちゃん」
「ランコちゃんもいっしょにやろうよ」
「そうだね。じゃあ、ぬいぐるみを1こずつこうたいしてやろうか」
ランコちゃんとレミちゃんは、ぬいぐるみをもってしりとりをしました。
『ん』といったら、おしくらまんじゅうになりました。
「ランコちゃん。みんなでできるような、ほかのあそびってある?」
「そうだな。すこし前にキャンプ場で『じゃんけんれっしゃ』というあそびをやったんだ」
ランコちゃんはヒョウのぬいぐるみをもってトコトコと歩かせました。
レミちゃんもマネをしてテントウムシを歩かせました。
ランコちゃんはテントウムシの前までヒョウをもっていきました。
「ここでじゃんけんをするよ」
「うん」
「「じゃんけん、ぽん」」
ランコちゃんが勝ちました。
ランコちゃんは、テントウムシをヒョウの後ろにくっつけてうごかします。
負けたほうが、勝ったほうの後ろにつくみたいです。
つぎはレミちゃんはタヌキを歩かせました。
ヒョウの前にタヌキをもってきて、またじゃんけんをします。
レミちゃんが勝ったので、タヌキの後ろにヒョウとテントウムシがつづきました。
しばらくつづけて、ぬいぐるみたちは一直線のれっしゃになりました。
レミちゃんは楽しそうです。
ランコさんは時計を見て、「もうすぐママが帰ってくるかな」と言いました。
それを聞いてレミちゃんが言いました。
「あのね。ランコちゃん。ママが帰ってきたら、こういうのはできるかな……」
レミちゃんは、ランコさんに何かおねがいごとをしました。
「ああいいよ。それぐらいかんたんだよ」
しばらくして、げんかんのドアがひらく音がしました。
「ただいまー。レミ、いい子にしてた?」
「「おかえりなさーい」」
ママを出むかえたのは、ランコさんにだっこされたレミちゃんでした。
レミちゃんは、りょうていっぱいにぬいぐるみたちをかかえていました。
もふモッフィーが登場する作品やランコさんがでる作品が下の方でリンクしています。