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二話 手伝ってくれそうな連中を集めました
二話 手伝ってくれそうな連中を集めました
ある日エスパーダはウサギの肉を持ってきた。
「コロポックル社の扱う良いウサギ肉を持ってきたわ」
聞かれてもないのに肉の入手経路を口にする。
コロポックル社のウサギは契約している小人族の経営する養兎場で何を食べたか分からないウサギより安全だ。エスパーダが要に薦める主力商品の一つである。
「はいはい、唐揚げね」
要はいつものように唐揚げの支度をしようと立ち上がる。
「違うわ。カレーを作るの」
「カレー? ウサギで?」
「そうよ」
「エスパーダが?」
「そうよ。悪い?」
「ううん、驚いただけ」
「見てらっしゃい。私が要においしいって言わせてみせる」
勢いよく拳を掲げてから十数秒。エスパーダは要を見上げる。
「黒星呼んでも良い?」
「良いよ」
エスパーダは黒星だけでなく、アックスとライトハンドレフトハンドを呼んだ。そして檄を飛ばす。
「要にとびきりうまいカレーを食べさせるの。そのためには私一人では無理! 協力して」
呼び出された小人達はイヤとは言わなかった。