9話 土魔術師、幸せ
「アルス……お主本当に"ソレ"で満足なのか? 」
「僕は幸せですよぉ〜」
神様の言葉に頷く。
うん?今思ったんだけど仮にも天使を人間界に連れて行ったらやばいのでは?
ぎゅー攻撃から開放され、熱が少し冷め、冷静になった。
なんだ僕は幸せですよぉ〜って……。
よく見ると神様が若干引いてる。
「あ、あはは」
乾いた笑いしか出なかった。
「こほん、モナ本人が望みそしてお主も同意したのじゃから人間界に送るのは問題無い。そこは安心してくれ。」
大丈夫なんだ……。
「それとお主が言ってた少女だが通常のボーナス部屋に転移して、アイテムを物色してたぞ」
普通はボーナス部屋に繋がるはずだったのか。
あまり待たせたら心配かけちゃうだろうしそろそろ戻ろう。
「では、儂が【ゲート】を開こう」
神様が地上に戻してくれるらしい。
【ゲート】は無属性魔法で扱える人間は殆ど居ない。
神様って凄いなと改めて思う。
神様がスキル名を唱えると前方にゲートが出現する。
「これを潜ると人間界に戻れるぞ。アルスーー強く生きるのじゃよ」
「はい神様! 」
「む? 」
そう言えば名前聞いてなかったな。
「誰かさんの失態のせいで名前すらままならなかったのぅ。儂はカルトール、【地上担当】の神じゃ。担当担当と呼び合うのもあれじゃからココでは地上神と呼ばれとるぞ」
神様改めカルトール地上神様が、モナさんは何処吹く風だ。
「それはわたくしのせいではなく、地上神、貴方自らの不手際ですよね! 」
思うところがあったのか反論してる。
また長引きそうな予感がしたので強引に話を打ち切る。
「カルトール地上神様それではまたいつか」
「モナを頼んだぞ」
「え? わたくしがアルス君を守るんですよ? 」
モナさんって強いのかな?
神様だし全知全能かもしれないな。
そんなことを思いながらゲートを跨ぎ、地上に戻った。