5話 土魔術師、ナビゲーションに出会う
お待たせしてすいません。
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このダンジョン【ヘルド】は全部で30階層あり、中型クラス。
Sランクダンジョンと判定されるだけあって最下層まで辿り着いた冒険者は5パーティーのみだ。
辿り着いた、というだけでそこをクリアしたパーティーは1パーティーだけ。
1パーティー……いや1人。
たった1人でこのダンジョンを制覇した人物が居る。
マサナ=ニシノーー勇者の娘で全属性持ち、更に喪失魔法までも使え、歴代2番目、歴代最年少でSランクに昇格したまさに『最強』。
各地のダンジョンを転々としていたが最近は現れないという。
「かなり薄暗くなってきましたね」
ルノアはそう言うと《ライト》を唱えた。
僕達を中心に光が広がり、先を見通せるようになる。
「ん? 」
視界の先に扉があった。
休憩所か何かかな?
「いかにも怪しげな扉ですね。私が先に入るのでマスターはここで待機を」
ギィィと音を立てながら扉が開き、ルノアが部屋に入る。
言いつけ通り合図を待つが中々帰ってこない。
「ルノアー? どうしたのーー? 」
大声で名前を呼ぶが返事は無く、不気味さだけが残る。
まさか閉じ込められた?
すぐさま扉を開ける。
自分も入って閉じ込められたら元も子もない。
「《ゴーレム召喚》」
ルノアを呼び出そうとするが一向に現れない。
どうしてだ?、と頭を捻る。
ま、まさか……最悪の事態が浮かび扉に駆け出そうとする。
『召喚対象者が呼び出し不可能な場所、または阻害されているため召喚が出来ません』
1歩遅れて声が聞こえてきた。
男性にも女性にも聞こえる中性的な声だ。
「だ、誰ですか? 」
反射的に尋ねるが返答は帰ってこない。
なんだったんだほんとに……。
もし意思疎通が出来たらナービちゃんとでも名付けよう。
男の人だったらナービくんかな。
「どっちも変わってないじゃないの! 」
「あははっ、ちょっと安直すぎましたかね? 」
「そうだよ! もっと可愛い名前つけてよー! 」
うむむ……可愛い名前か、何があるかな。
思いついた名前を言っていこうかな。
ってーーん?
「やっぱり喋れるじゃないですか!! 」
しかもめっちゃ声変わってるじゃん。さっきの声とは別人じゃないか。
「あはっ! ナビゲーション用に最初から設定される声だから仕方ないよ〜! 本当の声はこっち」
けらけらと笑うナービさん(仮)。
「もっとお話したいけど急いでる様子だからまた今度にしとくねっ。それまでに可愛い名前考えといてね! 」
ぷちん、と途切れる。
少し勇気を貰った僕は扉の中に入っていった。
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