表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/19

2話 土魔術師、美少女ゴーレムを生成する

連続投稿2つ目


目が覚めると薄暗く不気味な部屋に横たわっていた。


ここは何処なんだろう……?


確かゴーミに追放を言い渡されて……それで……殴られ意識を失ったんだっけ。


となるとここは死後の世界なのかな。誰も見当たらないし妙に静かだし。


ははっ、僕らしい最後だったな。


意識を失う直前に何か言ってたような。


断片的に記憶を思い出していき、繋げる。


ーー「Sランク指定のダンジョン【ヘルド】にでも放り投げようぜ」


もし、もしも聞き間違いでなければ、幻聴で無ければ、ここは……ここは……。


ダンジョン……なのか?


凄まじい速度で起き上がり、ぺたぺたと身体を触ったりほっぺたをつねる。


あれ、痛くない。もしかして死んでない!?


よ、良かった……。


へなへなと地べたに座り込む。



グガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ


「うわっ!? 」


喜びを掻き消すかのように、モンスターの唸り声が響く。


そうだった、死んでないとはいえここはSランクダンジョンだ。気を抜いてはけない。

ここで死んだら元も子も無くなっちゃう。


ドッ……ドッ……


モンスターの物と思われる足音が近づいてくる。


どうか弱いモンスターでありますように……。


そう願いながら恐る恐る振り向き、正体を確認する。


が、そんな祈りは届かず巨体の魔物が居たのであったーーー。


ダークオーガキング、その名の通りダークオーガ種族の王。

一般的なオーガキングの推奨ランクがAなのに対して、ブラックと名付くモンスターはSランクに位置づけられる。


Fランクの僕が戦っても瞬殺されるだけだ。


まずは生きてダンジョンを脱出する、これが第1の目標だ。


キングの後ろからオーガがなだれ込んできた。


う、嘘でしょ……?これじゃ目を掻い潜って逃げれないじゃないか。


やっぱり死ぬ運命だったのだろうか。


戦意喪失を感じ取ったのか、ニヤリと笑いこちらにゆっくりと近づいてくる。


腰が抜けたのか上手く立ち上がれず、迫り来るダークキングオーガを見上げ震えることしか出来ない。


そして、剣が振り下ろされるーーー。


「ああ、もうどうにでもなれ! 」


けど、絶対諦めない!


いつも使ってきたあの魔法で。

バカにされたあの魔法で。


慣れ親しんだ言葉を発する。


「【ゴーレム生成】ッッ! 」


コオオオオオオオッッッッッ!!!!


えっ。


突き出した右手から尋常じゃないほどの眩しい光が放出される。


思わず目を瞑ってしまう。


「少し黒くなった小鬼如きがマスターに剣先を向けるなど万死に値するのです! 」


少女の声が聞こえた。


直後何か地面に落ちる音がした。


な、何が起きたんだ……?


「もう……いつまで目をつぶってるんですか? 私のお顔をちゃんと見てください! 」


目を開けるとそこには銀髪の女の人が居た。

凛としているが少し幼さの残る顔に透き通った綺麗な銀髪。胸は……ぺったんこで僕と遜色ない。


「ま、マスター!? いくらマスターのお言葉でもそれは怒りますよ!?」


ぷんすかと顔を赤く染めこちらを指さしてくる。


さっきからマスターマスター言ってるけどマスターって誰のことだろう?


それより、


「お姉ちゃんが助けてくれたの? 」


「マスター。何か勘違いされてるようですが私はマスターによって作られたゴーレムですよ? 」


え……。


「えええええええええええ!? 」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ