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18話 土魔術師、ふかふかの毛布


「ミサキの相手までさせちゃってごめんなさいね。旅の疲れをとるための宿なのに逆に疲れちゃったわよね」


「ラフィナさんと話せて良かったですよ。僕はとある理由でルノア達以外が信じれなくなってたので。

……こうして人の温かさをまた感じれて人間としての何かを取り戻せた気がします」


自分の心臓に手を当てる。

(当たり前だが)どくどく……と鼓動している。


追放されたのも、ダンジョンに投げ捨てられたのも、全部自分の実力不足ーーそう頭では思っていても、裏切られた、殺されかけた、といった行為はどこか心の隅に残っている。


昔から一緒だったルノアや、神様であるモナさんを除いて普通の人間であるラフィナさんと話せたことで少し心の傷が癒えた気がした。


「助けてもらったのはウチの方なんだけどね。今日はもう遅いしこのまま引き止めても悪いから辞めておくけど、もしアルス君が話したいって思ったらいつでも相談してね? 」


ニコッと笑いかけてくれるラフィナさん。

どうして彼女は初対面である僕にこんなに優しくしてくれるのだろう。


そう思いながらも、今日はとりあえず寝ようと思ったのだった。




♢♢♢♢♢



「す、すごい……」


案内された部屋をみて、思わず感嘆の息を吐く。


ふかふかのベットに毛布、落ち着いた雰囲気の壁紙。

これぞ高級宿!って感じの内装だ。


毎日手入れがされてるのかホコリはひとつもなく、家具などに汚れは一切付いていない。


「暇だから掃除して気を紛らわすしかないのよね……いけない、またお客さんの前で愚痴を」


「僕でよければ愚痴でもなんでも聞かせてください。力になれるかは分からないですけど」


「じゃあ明日聞いてもらおうかしらね。鍵はドアのすぐ横にかけてるから、後で鍵閉めておいてね」


そして部屋を出ていった。


「あ! 久々すぎてあれ言うの忘れてた」


かと思えばすぐ帰ってきた。


あれってなんだろう? まさか夜になると幽霊が出るとか。


「ひぃぃぃ!? ゆ、幽霊が出るの? 」


神様でも幽霊は怖いのか、周りをキョロキョロと見渡し、毛布にくるまり顔だけをひょこっとのぞかせる。


か わ い い 。


「幽霊は出ない……と思うので安心してください。アレとは【温泉】のことですよ」


「おんせん? 」


なんだそれはーーー。



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