『Part8』
world of fake8
『おかえり、奏!』
「奏達」の根城、其処には「蓮」と「暮有」の姿があった。
外から遅れて聞こえて来る足跡。
ーーーーーザッ、ザッ、ザッ
『琴那、皆んなもお帰り!』
『うん。』
『どうした、偉くお疲れじゃねえか?』
先程まであった状況を「蓮」「暮有」に伝える「奏」
『マジかよ、其れはお疲れさんだったな。でも無事で良かったじゃねえか!』
『そんな悠長な事を言える事態では無い。』
『分かってるさ。京のリーダー自らが表に出て、何とかしようとしてるんだもんな。』
『浅い・・本当に分かっているのか?』
『分かってるさ。京は、この都から秘宝が無くなっていると言う事に、気が付いている。そして其れを、かなり重大に捉えている。』
『秘宝が無くなっているんだぞ、事を重大に捉えるのは当然だ。思ったより、みたいなニュアンスが、分かってない奴の言い方だ。』
『分かってるさ。聞く所によると、リーダーは随分と長く腐ってたとか・・それなのに表に出て来るあたり、かなり本気と見える、危険だ。』
『違う。』
『ああ、確かにそうだな。次に会った時、又一人で居るとは限らない、三対一で押される様な相手だ、そんなのが後何人居るのかは分からないが、京と打つかるのは好ましく無い。』
ーーーーーーーーー
『確かに、其れはそうですね。彼女、達と打つかるのは好ましく無い。三人がかりで傷ひとつ負わない様な相手ですので。』
「奏」の此の言葉に「琴那達」は何処か間の抜けた表情を浮かべ、其の時の事を思い返す。
そして、冷静に言葉を返す。
『そんな筈ない、私達は確かにダメージを与えた・・だけど・・』
『だけど、私が駆け付けた頃には無傷の姿でした。』
『何かある、と言う事か・・』
『まぁ、そう心配する事もありません。あなたも、其処まで心配している訳では無いんでしょう?』
『ええ、まぁ・・でも、そんな物まで貰って・・』
『これですか・・』
「海」より手渡された携帯を見つめる。
『逆に情報を引っ張り出します。秘宝の在処を。』
「海」が「琴那達」と出会す少し前、「実果達」は上京には帰らず、下京へと足を運んでいた。
其処にある「実果達」の故郷に寄る為。
「実果」と「凛恵」は、自身の出が「此処」であると言う事を、悪くは思っていない・・
久しぶりの故郷、懐かしさ。
あの頃を少し、思い出していたーーーーー
「当たり前の様に「此処」に居て、当たり前の様に側には沢山の人が居た。
その様々な人達の中で、僕達は暮らして居た。
だけど、突如として僕達だけになった・・大人は皆、何処かへ行ってしまった。
「此処」には子供だけが残った。
どこを取っても子供より大人の方が優れている・・
子供だけを、僕達だけを残して何処へ行ってしまったのか・・
それなりに苦労はしたけれど、銀河さんと出会って、学舎の皆んなと出会って、海さん達と出会って、楽しくやって来られた・・上手くやって来られた・・
またいつか、何処かで出会えるのかな・・皆んなと。」
『会えるよ・・』
『・・ああ』
行方知れずの家族と、消えた家族にーーーーー




