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World of Gray  作者:
『world of fake』
36/45

『Part4』










world of fake4










今日初めて会った筈の見ず知らずの男からの突然の呼び掛け。

「仲間?」多くの疑問を感じながらも一つ一つ言葉にして返した。


『初めましての俺に仲間になれって、ちょっと意味分かんねえぞ。俺はお前の事を何も知らない、何で俺を仲間にしたい?』


男は薄く口を開いた。


『突然の事で驚かせたかも知れないな。だけど俺からすれば突然の事でも何でもない。お前は俺達と居るべきだ、お前の居場所は其処じゃない。「京」を捨て俺と来い。俺の束ねる「ビトゥレイアルの星」に。』


「翼」は喉を小さく鳴らす、素直に驚いていた。

真っ黒なローブを羽織るその男は「京」を知っている、この組織はこの都において極秘、誰も知る筈がない、そう思っていた。

なのにこの男は知っている。

人通りが多い場所では無いにしても、こんな所で堂々とその名を口にした。

何で自分を仲間にしたいんだとか、目的は何だとか、数多くあった筈の疑問は一つに纏まった。


『お前は何者だ?・・』


顔色を変える「翼」、男はフードを脱ぎ、淡々と答える。


『俺の名前は十束流衣とつかるい「ベトレイアルの星」のリーダーだ。』


十束?流衣?聞き覚えの無い名前、そんな事よりも・・


『何で京の存在を知ってる?』

『知ってちゃまずいか?』

『此の都の者は誰も知らない筈だ!』

『そう思っているのはお前らだけだ、いやお前だけかも知れないな。少なくとも俺の身近に九人・・八人は知ってる奴が居る。』

『何だそれ、どう言うことだ!?』


男は一拍置き、背を向け歩き出す。

少し距離を取り、背を越して言った。


『俺達と来るのか?来ないのか?』


側に居る男の仲間の視線が一点に集まる。


『行かない。』

『そうか。』


女は言った。


『仲間にならないのなら、今此処で消しますか?』


男は言った。


『よせ、そいつは必要だ。其れに、いずれ仲間になる。』


その言葉で女達は確信した。

何処の誰とも分からない馬の骨を仲間に引き入れる筈は無い、「此の男」を庇う様、「此の男」が・・


『分かりました。』


「皆」は納得し、男に足並みを合わせ、その場を去って行く。

初めに飛び掛かって来た女は「翼」にそっと視線を送り、「皆」の後を小走りで行く。


『お前なら抜けるんじゃないか?その刀、灰被りはいかぶりひめが・・』


男は一言、その場に言葉を吐き捨てる。

その言葉の意味も処理し切れぬ内に「男達」の姿は無くなってしまった。


『どう言う事だよ・・なんなんだよ・・それ・・』




下京のとある蔵、「流衣達」の姿は其処にあった。


『あの人、何で着いて来なかったんでしょう?』

『謎だな。』

『ばかだから・・』

『・・流衣はどう思う?』

『さぁ、どうだろう。なんにせよ、そんな事は何の問題でも無い。解決すべきは、五つある刀の内二つは行方不明一つは抜けないって事だ。』

『そう、だね。』


「流衣達」が話をしていたその時、蔵の扉が勢い良く開いた。

其処に立つ二人の男、一人は人離れしたガタイの良い男、姿勢も良くかなりデカイ、体だけで無く声もデカイ。

もう一人は正反対の様に思える人物、小柄で物静かそうである。

一見すると仲良くは慣れなさそうに思える二人ではあるが、二人はちゃんと仲が良い、みたいである。


『ただいまああぁぁぁ!!!』

『戻りました。』


『うるさいぞ五十羅ごじゅら、いい加減静かに扉を開けられないか?』

『そう言うな九十九!「行って来ます」と「ただいま」は元気良くやりたいんだ!!その方がモチベが上がるからな!!!』

『お前がモチベを上げる度に周りのモチベが下がってるんだよ!』

『そうなのか!?お前もそう思うのか??七味ななみ??』

『私は別に何とも思わないよ!流衣が問題があると言えばあるし問題がないと言えば、私にとっても何の問題も無い!』

『ああ、七味ならそう言うと思ったぜ、』

四昏しぐれも大変ですね。』

『いえ、楽しいですよ、慣れれば。』


日常的な会話、その風景に暫し目を置き良きタイミングで「流衣」は「五十羅」に問うた。


『見つかったか?』

『いや、見つからねぇなぁ〜、ったく何処に行っちまったのやら、』

『そうか、後はあの二人だな・・』


『ごじらは態度の割に仕事の成果が小さい・・』

『ちーーーーーん!!!普通に傷付くぜぇぇーーーー!!!それとなぁ、何回も言ってるけど俺の名前は「ごじら」じゃない、五十羅だ!ごーじゅーらー!』

『気にしないで下さい、六夢の言ってる事は半分寝言の様な物ですから。それと、六夢はちっちゃい「ゅ」が発音出来ないんです。』

『八重、うん!大丈夫!実の所・・・何も気にしてない!!!』

『分かってますよ、本当に何も気にしてないと言う事!』


開きっぱなしの扉に二つの影。

その影に「流衣」は問う、「見つかったか?」と。

落ち着いた音で返って来たのは良い知らせではなかった。


『そう遠くない未来、相見える事になりそうだな・・』










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