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World of Gray  作者:
『world of fake』
33/45

『京の都』










world of fake1










ここは京の都、京の縁で繋がる人の街。

都は大きく五つの街に分かれている。

中京を中心に上京、下京、左京、右京ーーーーー

街は違えど同じ都内、景観などには然程大きな違いは無いが街によっての特徴はある。

例えば此処、上京には遠い昔、神がこの地に残したと言われている『天ノ秘宝』、その一振りがある。

「秘宝」と言う割には、厳重に警備されている、と言う訳でもない。

寧ろかなり手薄で無警戒。

それは誰にも抜く事の出来ない剣。

台座に突き刺さる、酷く埃を被った剣。

抜かれない剣を厳重に警備したい者など、そうは居ないだろう。

だけど、見掛けよりは厳重に・・密かに警備に当たる者達が居る。

秘密結社『京』(けい)

かなり小規模で全く認知はされていない。

秘密結社なのだから当然と言えば当然、在り方としては正解と言える。

メンバーは全員で四人。

かなり少ない人数だが、人数が増えれば増えるだけ統率も困難になる、密に行動するには案外丁度良い人数なのだとリーダーの『末摘海』(すえつみかい)は自身の人望の無さをひた隠しにしている。

と言っても「それ」を気にしているのは『翼』だけ。

「京」のリーダーに就く「海」は見た目と中身に結構のギャップがある人。

黒髪ロングの如何にもなクールビューティ、だけど熱く表情豊かで話をすると随分と印象が違う人。

物腰動じない強さ、その中にある優しさ、この人がリーダーならと思える人。

「海」は「京」のリーダーでありながら、京の都のトップでもある。

その事を知っているのは同じトップ、そのクラスに居る者と「京」のメンバーだけ。

だったら「末摘海」と言う人は、余り堂々と表を歩いて良い人ではないのではなかろうか、と思うメンバーも居る。

残りのメンバーは三人『攫ト木翼』(つかとぎつばさ)『亞里亞実果』(ありあみか)『亞里亞凛恵』(ありありえ)

「翼」は好奇心が強く何にでも首を突っ込みたい男の子。

このメンバーの中では少し浮いている様に見える時もあるが、その好奇心から来る言動は皆を案外元気付けている様に思える。

能力的には特にズバ抜けている、とは言えないかも知れない。

だけど「京」は「海」が集めた選りすぐりの精鋭部隊、そこらの者と比べればかなり強い力を持っていると言える。

だからこそ少ない人数でも「京」はやれている。


「凛恵」はかなりの人見知りの様に感じる。

物静かで偶に声を聞くと少しドキッとする。

普段からある程度静かにして置かないと、その偶にしか聞けない声も聞き逃してしまいそうになる程だ。

沢山の人の中に居ると、彼女は非常に疲労しそうである・・


「実果」は女の子の様な綺麗な顔立ちに爽やかな雰囲気を纏う少年。

その外見とは裏腹に何処か影を感じさせられる独特な空気感を持っている。

メンバーの中、この世界に於いても「実果」程能力値が高く強い者は中々居ないだろう。

謂所いわゆる優等生、その鑑の様に思える。

そんな「実果」を「凛恵」は兄の様に慕っている様に見える。

が、二人は兄弟と言う訳では無い。

同じ名字だが其れは生まれが同じで、その地域にはよく聞く名だそうだ。


話は変わり、「海」が何故皆を集めたのか・・ーーー『天ノ秘宝』

其れは京の都、各街にひとつずつ存在している剣の総称、一つは上京にある其れである。

その他の秘宝は今、どれも行方知れずとなっている。

盗まれたとは考え難いが、秘宝の持つ力もハッキリと分からない今、放っておく訳にもいかない。

しっかりと事の顛末を把握し、安心出来るまで調べる必要があったと言う訳だ。

正確にいつ姿を消したのかは分からないが、現状、都にそこまで大きな変化は無い。

そこまでの、大きな変化は・・

上京に残る秘宝も他の秘宝の様に、いつ姿を暗ますとも限らない。

抜かれる事の無い剣だが一応、念を入れて見張っている。

盗まれると言う事を危惧しての事ではない。

もし姿を暗ます其の瞬間を確認する事が出来たなら、其れは大きなヒントになる。

他の、姿を眩ませてしまった秘宝も、見つけられるかも知れない。

「天ノ秘宝」はこの都、この世界にとって、とても大事で、とても重要な物。

それが四つも姿を眩ませてしまったのだから、只事では無い。

だけど多くの者は、其れ程までには事を大きく気に止めてはいなかった。

「天ノ秘宝」とは、かつて神が生み出し扱ったとされる『アイテム』

人が扱わずとも自らの意志で成長していく。

成長とは変化、力も形も一定では無い。

「アイテム」は意思を持っている。

これまで認識していた「天ノ秘宝」と言うモノは、其れ程まで当てになる資料とは言えない。

今この都の多くの者が持ち、扱っている『人工アイテム』とは訳が違う。

「人工アイテム」の多くは、多少の訓練で誰でも使える物が殆どだ。

訓練なんか必要無い物もある。

誰でも持てる、扱える、多少の訓練さえ積めば多くの者が、そのアイテムの最大火力を出せる。

だからこそ日々の生活の中で、能力の差と言うモノを其処まで強く感じる事が無い。

だけど、「天ノ秘宝」は其の全てのバランスを崩してしまう可能性がある。

絶妙な位置で均衡を取っている平和が、消し飛んでしまうかも知れない。

『能力』の優劣が大きく物を言う時代ーーーーー

都に暮らす者はそんな事、微塵も思っていないし、思い付きもしないだろう。

だけど、一部の者にしか知られていない事実もある、痛々しい戦いの歴史、繰り返してはならない歴史。

抜ける筈なんか無い、もしも仮に百歩譲って抜かれる様な事があったとしても、其れは神以外には有り得ない。

神になら、抜かれても取り立てて問題になる様な事は無い、自身の持ち物を取り戻しに来ただけ・・ーーーそんな筈は無い。

「天ノ秘宝」を生み出した神は消えてしまったと聞いている、取り戻しに来る筈がない。

別の神が来たにしても目的がよく分からない、何故それが必要なのか・・

其れが他人の「アイテム」ならば、例え自身が神であったとしても扱えはしない。

そんなモノを態々取りに来る神が居るだろうか・・

知識ある者は、恐れを感じずにはいられない。

もしも抜いた剣を扱い、この都に災いを齎す(もたらす)者が現れたのならば・・

其れは悪魔以外には有り得ない。










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