『F2』
world of light2
「銀河」と「太陽」は都より外れた、とある荒野へとやって来ていた。
其処にある適当な岩に腰掛け空を仰ぐ。
その時、「銀河」は何処か暖かな温度を感じ、ふと都の方角へと目をやる。
『能力。』
この世界に能力は無い。
だけど、紛れもなく『エネルギー』を感じた。
徐々に熱を失うエネルギー、薄くなっていく存在感。
「銀河」は、再び宙を見上げた。
「太陽」は言う。
『何だ・・何か変な感じしねぇか?』
『いくつか、力の反応を感じるね。』
『・・力。やっぱり、此の世界にも・・。行くか、ほっとく訳にもいかねぇだろ?誰だとしても力を持つ者なら、早いうちに消しておいた方がいい。』
「銀河」と「太陽」は、今居る「この場所」より一番近い「その場所」へとやって来た。
そこは、この世界で「銀河」と「太陽」が一番初めに足を突いた場所だった。
『あなた方は、この間の・・』
現れたのは、この間「ここ」で出会った「女」だった。
『この世界の者も、力に当てられると言う事か。』
「銀河」の元いた世界にあるエネルギーを基準に考えれば、この世界にあるエネルギー量は微弱ではある。
使い込まれてもいない為その温度は低く、現状脅威と言えるものでもない。
しかし、力は力。
「太陽」は腕を振り上げた。
『太陽。』
「太陽」は振り上げた腕を下ろし「銀河」を睨む。
「銀河」は「その女」に問うた。
『何か変わった事はありませんでしたか?』
『変わった事?』
「女」は一言そう言うと次の瞬間、辺りの木々植物を生長させて見せた。
『この辺りの植物達が少し寂しそうに見えたものですから、早く育って欲しいなと願ったんです。そしたら本当に植物達がみるみる大きくなって・・・驚きました。
でも、神様が私の願いを叶えてくれた、そう思うと嬉しくて仕方がありませんでした。こんな素敵な力を与えてくれて。』
『素敵な力・・君、名前は?』
『彩香です。木崎彩香。』
『木崎、彩香・・彩香さんは、その力を素敵だと思うんですか?』
『もちろんです!』
『怖くはないんですか?』
『なぜ?こんなにも素敵な力なのに、怖がる所がありますか?』
『彩香さんの他にも力を持ってる人がたくさん居たら、どうですか?』
『世界がかわいい植物達で青々と生い茂って今よりももっと素晴らしい世界になると思います。』
『・・・』
『私以外にもいらっしゃるんですか!?』
『いや、分からない・・』
『そうですか・・私以外にも、沢山いてくれたらいいなぁ。』
「彩香」の其の一言は、「太陽」の言葉に掻き消える。
『おい、何話し込んでる!もう始末していいよな?』
『待って。しばらく様子を見る。』
『・・・それでいいのか?』
力は人を傷つけるもの。
力は人をうぬぼらせるもの。
力は人を不幸にするもの。
力は独占してこそ価値の上がるもの。
力は・・ーーーーー




