43歳のおっさん、魔法少女に転生する
俺は、43才で独身。無職のさえないおっさんだ。
昔はプログラマをしていたが、能力の低さから酷いいじめに遭って辞めてしまった。
いつも通り、コンビニで発泡酒を買った帰り、事件は起こった。
黄色い帽子をかぶった小学生が、道路に飛び出してきた。
そこにバスが走ってくる。
俺は反射的に、道路に飛び出し、小学生を突き飛ばした。
小学生は助かったが、代わりに俺は死んでしまったらしい。
世界が真っ暗になった。
そのとき、声が聞こえた。
「お前は立派な最期を遂げたが、まだ寿命ではない。一つだけ願いを叶えよう」
「俺は、俺は・・・・・・魔法少女になりたい!」
「了解した」
俺は神と話をしたのだろうか。
目が覚めた。
俺は一人で、ワンルームのマンションに居る様だ。
体がやけに軽い。
鏡を探した。
風呂場に行くと全身が映る大きな鏡があった。
そこに移っていたのは、見慣れた親父ではなかった。
18才の魔法少女だった。
ぴらぴらのスカートに、大きなリボン。
胸元にはピンクのハートのブローチ。
目覚めた場所を見ると、可愛らしい魔法の杖が転がっていた。
「え。マジで!?」
甲高い可愛らしい声だ。
どうやら俺は本当に魔法少女に転生したらしい。
よし、世のため人のために尽くそう!と俺は決心した。