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一般盾使いの冒険記  作者: まちゃかり
第2章 ギルドパーティー結成するよ
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2-15 休憩珍道中

 ぶっちゃけるとこの馬車のスピード力は乗り心地に眼を瞑れば最高だと思う。


 この時点でモリヤミまでの道のりあと少しぐらい。長距離のデコボコ道に登り降りがある過酷な道を休みなしでこの距離制覇しているもん。遠回りに迂回しながら進んでいるとはいえ異常な速さだ。


 おかげさまで3日前の頃よりだいぶ乗り物酔いがマシになってきた。その証拠に今日はまだ吐いていない。それだけでも大分進歩しただろと自分自身の身体を褒めたいこの頃。


 それよりも身体中が常時刀で斬られ続けているようなぐらいに痛いのなんとかしたい。まあ昨日重傷を負っているからそう簡単に治るわけないのだが......マールに軽くドン引きされてるのが解せぬところだ。


(おかしい。ボクのみたてでは数日ぐらい動けない状態のはずなのに、何故かこの子ピンピンしているよ。もうわけがわからないよ)


 遠くに海らしき湖が見えてきた。もう少し近づいてみたら海か湖かこの水の正体がわかるからどっちにしても是非とも行きたい。ということをみんなに言ってみたらやっぱり変人なんだなとか言われた。なんか自分変なこと言ったかな?



       ◇



 近くに村をかぎつけた。つまりついにモリヤミの入り口に着いたのかな? モリヤミの第一人者であるマールの反応を見て着いたっぽい。


 本当にポツンとした小さな村だ。商人達が行き来する整備された道で目的地に行ってたら多分この村には立ち寄ってなかっただろう。『意外な場所に出会いや情報があるものだ』と盾使いの試験で出会った先生に教えてもらったからな。


「いやこんな山と海らしき湖に囲まれた村って冷静に考えなくても何かあるよな、うん」


 ていうかこの地形は夕日の時に来てみると絶景になりそう。それだけでもここに来た目的は達成しているな。落ち着いたらまたここに来てみたい。



「お旅の方々よ。これから旅立つなら旅路に気をつけろ。最近あの廃城に魔王四天王に所属している怪物が住み着いていると聞く」


「へぇ、遠目で見たらあんなに荒廃してるのに。わざわざ住み着くとかよほどの物好きなんだなぁ」


「我々も討伐隊を募集しているのですが、いかんせん難航中でして」


 まあ、俺達はひとまずモリヤミに向かう身なんだしスルーでいいだろう。それにようは四天王はあの廃城に引きこもってるってことだろうし、こっちがわざわざ喧嘩を売ることをしなければ襲われることはまずないだろう。


 どんな世の中になっても平和が1番。無用な争いはしたくない。


 とりあえず分かったことはこの村に長居は無用ということ。さっさと村から出てモリヤミの首都に向かおうと思い俺は馬車に乗り込んだのだが、いつのまにかマールとガドラが忽然と消えていた。


 よつばは馬車の中で夢の世界に入っている。それならそれで良し!


 そういえば今まで言及していなかったけど、この服軽装で動きやすいと言ってたが......なんでよりにもよってミニのスカートなんですかねよつばくんよ。前までそんな服装してなかったのにどういう風の吹き回しなんだろうか?


 それにしても本当よつばはお世辞抜きに王族という色眼鏡を掛けなければいい女だよなと思う。頼むから王族なのだから悪い男には捕まるなよ。


 それより話は変わるけど俺はあれからアッサリとマールさんを見つけることができた。


 見つけたは良いのだが、なんで白昼堂々と村の真ん中で賭博を始めているのか、いやそもそもなんでこの村で賭博なんかが行われているのか? そもそもそんな金どうやって……


 いや待てよく見たらマールが賭けてるの金じゃなくて自分自身の身体を賭けている……だと? 看板に身体賭け中って書いてあるから分かったことだけど。一言だけ言わせてもらうと。


「うんバカじゃねぇの!?」


 流石に頭がおかしくなったのかと思いマールを連れ戻そうとした。しかしそれをマール自身が拒否。理由は一生奴隷としてコキ使われるのも悪くないかもというもの。


「Mもここまできたらあっぱれだな!? もう一周回って尊敬に値するよ?」


「褒めてもボクの身体しかあげれないぞ」


「褒めてないわ! もっと自分の身体を大事にしなさい!」


 もっとも昨日ボコボコにされたのに今日もバリバリに自分自身の身体をコキ使ってる男だから言葉の説得力は無いだろうが……


 とりあえずマールを雑に馬車に放り込みこの件は解決。ちなみに賭博をしていた方々は『せっかくの若い女体を!』とか『奴隷を返せ!』とか不満をぶちまけていたが、ニードルガード(トゲが盾にビッシリと)を使って静かに奴らに近づいてみたらすぐにみんな逃げてった。


 ただのハッタリだったけどやっぱりニードルガードって牽制にも使えるんだと再確認したところで、今度はガドラの問題っすよ!


 なんで白昼の最中に子供(幼女)数人をジュンティルに乗せ村の外に出ようとしていれのだろうか? いや最悪それだけなら良かったのだ。問題は子供全員拘束しながら出ようとしていること!


 これって完全に確信犯だよな? 犯罪スレスレ誘拐未遂なんじゃ……


「引きますわ……」


 ああ……よつばいつのまに起きてたのか。王族よつばよ見ろ! これが旅仲間、これが旅の中で起きうることだ!


「ガドラはロリコン。ついでにケモノモフラー。言葉に置き換えてみると素性がやばい奴だな」


 これで確信した。この2人はこの世に解き放ってはいけない人物だ。もう牢屋にぶち込んだほうが世のため人のためになるんじゃないかと思い始めている自分がいる。


 とりあえずガドラを殴り子供達を解放。さらに子供達の親達に渾身の土☆下☆座☆を披露してなんとかこの場を収めた。


 この期に及んでまだ子供達に執着しているガドラを強引に馬車に放り込み俺達も乗り込んで出発したのが今日の昼。


 この村から出禁当然状態追放されたわけだけど。


 そんなこんなで目的地まであと少しだ。



    ◇オマケのオカネ◇



 ここで一つ歌詞を思いついたのでこれを置いてオチとこの話をつけさせてもらう。


「いざ空の彼方 飛ばせ狙い進め この道切り抜け 道なきダート」


 うん圧倒的蛇足!


◇◇◇◇◇

次回に続く

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