2-14 宝の地図の一欠片を拾った?
俺はあの悪魔が忘れていった紙を拾った。昨日は俺も疲労困憊で寝てしまっていたので、今日みんなに見せてみることにした。
まず興味を示したのはジュンティルだった(もちろん食欲で)
「ニードルガード! 危な!? この紙が大切な何かを記してるかも知れないのに!?」
「俺の愛竜に何してるんすか!」
「止めろ俺は怪我人だぞ! もっと丁寧に扱ってやがれください!」
「自分で言うんすか先輩!」
アカン。ガドラがドラゴニックオーラを全面に押し出しながら緊急参戦してきた。怖いよこの子、ジュンティルの関わることになるといっつもこうだから。
すると呆れて見ていたマールがこの紙を詳しく見させてほしいと言い出したので、彼女なら何もしないだろうと思い手渡してみる。
ちなみによつばは、財宝は全く興味がないらしくこの話には割って入ることは無かった。
ジュンティルは......とりあえずガドラに丸投げしよう。ドラゴンの扱い方なんてさっぱりだ。
◇
「これは!」
「わかったのか!」
なんとかジュンティルの機嫌を直し馬車を走らせてから数分、マールがこの紙の正体を見破ることに成功したようだ。
「聞いて驚きなかれ! これは......」
ゴクリ......
「宝の地図の一部だ~!」
「ウォォォォォォ! 来たぁぁぁぁぁぁ!」
「男のロマンっす!」
やっぱりかぁ! 薄々そんな気はしてたんだよね! それで肝心の宝の中身はなんじゃらほい!
「この地図、僕達故郷で使っている形文字を使っている。ということは僕の故郷ら辺に埋まってる可能性大なのだ!」
へぇ~。てことはエルフ文字を使ってるわけか。それより宝の中身を教えてくれ。金塊か伝説の武器とかかなぁ!
「とは言ったけどあくまでも一部だけだからね。丁度半分ぐらいで破れてるから片割れを見つけないと......もう片方はどこに消えたのか......」
宝の中身のことはとりあえず置いておいて、まずはこの地図の片割れはどこに消えたのかを知りたいとマールは言いだす。たしかに片割れだけだと見つかるものも見つからないからなぁ。
もしかして悪魔が落とした際に破れちゃったのかな? ていうかよくよく見てみると破れてないし切れ目的に半分も無さそう。
まさか......この紙を集めることで宝のありかがわかる系のやつか! ご丁寧に1/4と端っこに小さく書かれてるし。
「思い出した!」
マールはハッとした表情になって、この地図の詳細を話してくれた。
「これは......エルフ族に代々伝わる失われた財宝。昔々、僕達のご先祖である人々がどこかに埋めたという伝承を思い出したのよ」
宝を埋めた時、ご先祖様は記されている地図を4分割にした。伝承によると子孫達が貧困の苦しみをさせたくなかったからだそうだ。肝心の地図はどこかに消えてしまって現在も掘り起こすことができてないらしいけど。
フーン......エルフ達のご先祖様はめんどくさいことをしたね。そのままみんなに渡すこともできただろうに。
「つまり宝の中身は財宝と?」
「言い伝えによると金塊とか伝説の武器とかが入ってると昔聞いた気がする」
「宝の中身はきっと両手で抱えきれないほどの金銀財宝っすよ! これは夢が広がるっすね!」
「なるほど☆この宝を見つけて一生遊んで暮らすのもいいなぁ~!」
こうしてひょんなことから旅の目的の一つに宝探しが加わった俺達一行なのでした。
◇◇◇◇◇
次回に続く
報告:ネット大賞九に応募しました(今更感)
(タグ付けしたのは数ヶ月前のことであります!)