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一般盾使いの冒険記  作者: まちゃかり
第1章 旅路
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1-5 冒険者登録の存在をよつばは知らなかった

「冒険者登録とはなんですの~!?」


 俺達はひとまず屋敷から離れ、よつばに事情を聞くことに。


 この人自分から冒険者やりたいとか言い出したくせに冒険者登録がわからないとかいう初心者ムーブをかましてきたんだもん。受付の人にも迷惑かけちゃうしひとまず撤退ってこと。


 ていうか側から見たら男女2人組がこの国の王女に尋問を仕掛けてるという非常に不味い状況なのだが、誰か来ないことを祈ろう。


「それで......ウーン。お前さ、なんで一丁前に行動力が高いわりにそのための下準備をしてこなかったんだ? 話はそれからだ」


 動揺しているのか顔中汗だくになっているよつばはらしくないか細い声でこう答える。


「えっと......話せば長くなるんですけど、私は旅する人になりたいわけで冒険者とかまったく頭に無かったといいますか......」


「.......」


 お前がどんなに否定してももう立派な冒険者だよ。だって現に魔物バッサバッサ倒してここに来て......ないなそういえば!? 少なくともよつばは直接倒してないや。


 そんなどうでもいいことを考えていたら、よつばの会話の続きを話していた。


「下準備のしようがなかったといいますか、そもそもそんなどうでもいいこと私は知りませんでしたからですね! 何か問題でも!?」


「おう…….そうかそうかお前がテンパってるのはわかった。てかそれだけ?」


「はい?」


 思ってたより全然話長くなかったし、さらに開き直ってきやがった。コイツ今までどうやって生きてたんだ? いや、そういやこの人お嬢様王女様でしたね。ある意味納得。


「ならしょうがないね。知らなかったならよつばちゃんは悪くないししょうがない」


 まあ、マールさんの言う通りそれもそうか。これ以上追及するのは可哀想だしやめておこう。だけどもう一つ聞いておきたいことがあるからそれだけ質問して終わりにしよう。


 それは根本的な知識部分。


「そもそもの話、俺達も持ってる称号の意味知ってる? ほら各部門で実力を認められた者にしか名乗ってはいけない、権利みたいなやつよ。俺はご存知の通り盾使いだ。お前は魔法使い見習い。称号上では本当の魔法使いになれていない。悔しかったらいい加減試験に合格するんだな」


「はいそこのハルトくん一言多いですの! 私は魔法使いで終わるようなちっぽけな存在ではないのですわ! 絶対次は試験に合格して正真正銘の魔法使いになってやりますの!」


 流石にそれは知ってたそうで、よつばが杖の先端で俺の頭をはたく。あの結構痛いっす。まあ魔法使いになるための試験って相当難しいと聞くから、俺から何もアドバイスとか言えないんだけども。


「アハハ。何の話してるんだい? 俺様も混ぜろよ」


 どこからか別の声が聞こえたと思ったら、マールの後ろに大きな影が見えた。その正体は気配が直前まで読めなかったのに実際は2mぐらいある大男だった。


 この大男が現れた瞬間一瞬の静寂がこの空気を支配して、その支配がコンマ1秒で解かれ水素爆発する。


「誰だ貴様!」

「誰? これって盗み聞きだよね?」

「ホゲェェェ!?」


 緑のバンダナを頭につけている大男がマールさんの背後にいた。よつばは絶叫するぐらい驚き、逆に大男が困惑してるように見えたがそんなことはわりかしどうでもいい。


 初対面だけどコイツのことは1つだけわかった。ものすごくデリカシーがまったく無い奴だと。


「俺様が言えることは一つお前さんは魔法使いになれると思うが、子供じゃまだ無理だよ~。おっと、申し遅れたな。俺様は疾風丸湊! イカしてる名前やろ!」


 そのあと、奴は俺の耳にこう囁いて風のように去っていった。もういろいろと騒がしい奴だったけど、ちょっと興味をそそられる妙なことを言ってたな……



       ◇



 それよりもこの現場を見られてしまったぁ! このまま密告されたらそれこそ不敬罪で逮捕される羽目になってしまう! そして最悪処刑なんて嫌だぁぁぁ!


 少し冷静になろう。腹式呼吸をして落ち着かせ最善策を考えなければ……


 確かこんなことを言ってたな。『明日ギルドで話したいことがある。この女の子のチェイス完璧だ。きっと親友になれるから。まあそんな感じでおなしゃす』


 この感じの人は案外根っからの悪い奴じゃ無いだろうし、どうせ明日暇だから行ってみようかな。


 密告だけは避けなければ……



     ◇この間30秒弱◇



 話を冒険者登録に戻すと、よつばはいろんな尊厳を傷つけられた影響か、変なことを言いはじめている。


「穴があったら入って穴を掘りたい。屈辱ですの......」


「ほら穴掘ってないで、これからどうします?」


「ウーン......」


 これまでの出来事をまとめてみて改めて思う。盾使いやら魔法使いの称号は知ってたくせに冒険者としての基本を知らないとは......


「そもそもこの登録やらしてなんになりますの!」


「えっ。そりゃあ登録してたらこのカードを作ってもらうことで冒険者として認めてもらえれるし、検問の際も商売人と同じくらい信用される。登録自体は簡単なわりにやっといて損は無い」


 それに自慢できる盾使いの称号が刻まれるんだよ。冒険者やっててやらんやつがバカをみる、俺はそう思ってる。


 あと他に今まで覚えた魔法やら技をこのカードに記録することができる。確か技や魔法を自分のものにできたら自動的にその技や魔法の名前の文字が刻まれるという、自分で説明しといてなんだがこのカードの仕組みがよく分かってない。まあそこに言及するのは野暮ってやつだろう。


「ちなみにこれが実物だよ」


 一応自分のカードを見せておくことで冒険者登録をやりたいなと思わせるようにする。一応この子王女だから、『あたかも自分の意思で冒険者登録しました』としておけば面倒事は減らせるんじゃないかと俺は踏んだのだ。


「いっぱい魔法覚えてると思ったら本来初心者でも覚える必要のない魔法ばかりですの。よほどの物好きしか使わないはずなのに」


 何かケチつけられた気がするがこの際はどうでもいいわ。これで興味を持ってくれたならよかった。


「まあ知らなかったならしょうがないか。それでここでは冒険者登録ってどこでやるんだろ?」


 この疑問にマールが素早く答えてくれた。


「ならアリシアのギルドで冒険者登録しましょう! 僕もそこでしたよ。ついでに首都で称号が上がったからついでに更新もしたよ!」


 はえぇ~。マールさんの称号何持ってるんだろ? 少し気になるけどそれより今は別にやることができた。よつばの冒険者登録を済ませないと。


「仮にも王族が冒険者名乗るとはこれいかにですわ。私は誇り高き王女なんですの」


「お前が旅したいと言いだしたんだろ。そんなに嫌なら宮......あっ」


 俺は思わず口籠ってしまった。だって『宮廷に帰ったらどうだ?』こんなことを言おうとしてたけど、これっていわば俺がよつばを追放しようとしてる図になってしまうんじゃないのか? 俺は、自分自身がされたことを別の人にしようとしてた。このトラウマは消えることはないんだろうなと思った。


「......どうしました?」


「いや、大丈夫。それよりグダグダ言ってないでさっさと登録しに行くよ! ほらほらボサッとするなし」


「......?」


◇◇◇◇◇◇◇

次回に続く


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