第3劇 獣の宿命
「なに・・・これ・・・」
クリアンについたルーンはつぶやいた・・・
ルーンの目の前にはクリアンと書かれた門があって、
その向こう側は焼け野原だった・・・
足元にあった炭になった家の破片を手にとるとまだ新しかった・・・
「少し前に大火事があったの?・・・っ!」
少し足を踏み入れたところに、子供の骨があった・・・
ジャリッ
「!?」
バッと振り向くとそこには、黄色の髪をした女性が立っていた。
「どうしたんですか!?これは!?」
その女性に問い掛けると女性は無表情でいった。
「私がいたしました。」
意外な言葉に一瞬、ルーンの動きが止まった
「え!?」
「お待ちしておりました。ノクターン・・・いえ、ルーン・バルセルトさま。」
深々と女性は首をたれた。
「私はディオラと申すものです。」
ディオラは首をたれたままいった。
「・・・なんで?」
「は?」
ディオラは本気でわからないのか不可解な顔をした。
「なんで・・・こんなことしたの・・・?」
もう一度ルーンは同じ質問をした。
「・・・邪魔でしたからですよ・・・」
「な!?」
顔をあげたディオラは、いった。
「邪魔だったからです。ルーンさまが作る新しい世界には人間など不要なのです。」
ルーンはその言葉から目を背けた。
「ボクを誰か別の人と勘違いしてるんじゃない?ボクはそんなすごい人じゃないよ。」
「いえ。冥界ノ夜想曲が証です。」
驚愕にルーンは顔をゆがめた。
「何で・・・ボクの能力の名前を?」
「私の力は手なずけた獣を意のままに操ることができます。」
その瞬間、ルーンはうつむいた。
「村をあんなにしたのは・・・あなた・・・?」
低い声でルーンは言った。
「はい。」
さらっとディオラはいった。
「なんで・・・」
「あなたを探すためと、あなたの覚醒を促すためです。」
ルーンはうつむいて硬直した。
「・・・お・・・ゆ・・・」
そして、ボソッと何かをいった。
「?」
「お前だけは!許さない!!」
バッと顔をあげルーンは言った。
「ふう・・・貴女のためなのに・・・しようがありません・・・お相手しましょう。」
「''冥界の深淵より来たれ,,冥界ノ夜想曲!」
ルーンは左手をディオラは右手を掲げた
「''われに従い、わが手と足になれ,, 獣の宿命」
ルーンは感情に任せて大きな声で、ディオラは静かにそれぞれの[起動詞]を唱えた。