第7話 海賊
今回は早めの投稿です。
「船長! 闇に紛れて海賊が砲撃してきました!!」
突然、 船長室に入ってきた水夫が、 船長であろう騎士のような女性に伝える。
「被害は!?」
「数人が強打とか擦り傷を負った程度です! 我が艦の損傷は見られません!」
「そうか、 戦闘を許可する! 砲撃準備にかかれ!!」
「了解! 砲撃準備!!」
水夫は船長の命令を受け、 「砲撃準備!!」 と全体的に聞こえるような声を出しながら部屋から出て行った。
「カトウ殿! 私は甲板に向かう! お主はここで待っておれ!!」
「待って下さい!」
船長はサーベルを装備し部屋から出ようとする。 だが、 俺は船長を呼び止めた。
「なんだ!? さっさと言え!!」
船長は半ギレの状態で俺に言う。
俺は、 出していた九九式狙撃銃とレバーアクション式ライフルにそれぞれの弾薬を装填し、 銃剣を付けながら声を出した。
「俺も……… 行きます………」
「来るな」
「即答!?」
船長は、 さっきまでの熱が冷めきったのだろうか? 俺の決心に冷酷な声で対処した。
「……… お主、 その決心は時に己を傷付ける事だってあるのだぞ? それに……… 」
「それに……」
「足が震えてるではないか」
「……… 本当だ ……… でも、 決心してやってみないと傷付くか分からないでしょう?」
「まぁ、 そうだが、 でも………」
「それに俺は狙撃手です。 いざとなれば槍兵としても戦えます。 槍兵としてなら既に羽の生えた鮫のような生物をオールで撃退していますし……」
「それってまさか “フライングシャーク” の事か?」
ネーミング、 ダサ! てかあれ、 やばい奴だったの!?
内心驚くが顔には出さないことにする。
「“フライングシャーク” てのかは分かりませんが、 多分それです」
「なんだと! 毎年、 漁や浜辺に居る人々に被害を及ぼすという海の怪物の一種。 それをオールで倒したのか?!」
「いえ、 ただの鮫に出会った時の対処法の一種をしただけなのですが……… それに倒したのではなく、 撃退の方なのですが………」
「よし! 私について来い!!」
「え、 あ、 決断早!!」
俺と船長は部屋から出て甲板に向かうのであった。
・ ・ ・ ・ ・
海賊船のフォアマスト (艦首にあるマストの事) で
「………たく、 海賊さんはまた奇襲ですか………」
砲撃音の中、 彼は棒状の何かを持って独り言を唱えていた。
「オジサンは人様に攻撃したくないのに………」
そう言いながら、 敵艦の甲板に棒の先を向ける。 そして、 メインマストの根元ををチラッと見る。
「だが、 1人少女様を助ける為にはこうするしか無いんだよね」
彼の持つ棒の先から火が吹いた。
おまけ
「あの〜、 シュワルベさん、 海賊船に乗っていたオジサンって誰?」
『は?』
『え?』
「いや〜、 書いてたら知らないうちにこんなキャラが出来ちゃいまして〜」
『ネタ的に大丈夫なのか? この作者?』
「大丈夫大丈夫、 ネタはもう考えたから」
『早! じゃあ書けよ!』
「言葉にするのが難しいから早く書けないんだ」
『……… まぁ、 ガンバレ』
『………… 私、 忘れ去られてません………?』