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第4話 女性船長の話

2018年7月2日18時30分 サブタイトルを訂正しました。


 これは、 つい数日前の事だ。


 フリゲート『セレア』に乗船していた船長の私は、 哨戒中のある日、 神様のお言葉を頂いた。

 その事に関しては、 今回で三度目である。


 一度目は、 レガウス海戦。

 二度目は、 アラス海防衛戦。


 共通点と言えば、 何方も海戦時であった事と我が国が劣勢であった事だ。



 一度目のレガウス海戦で劣勢になった理由は、 敵の海上戦力が膨大に上であった事が理由だ。


 初めは互角に戦えていたが、 持久戦となり、 更には、 足の遅い戦列艦が主力の船団が到着した事により我が海軍は撤退を余儀なくされた。 今更だが、 我が海軍の指揮力にも問題があったのかも知れない。

 我が国の本土で防衛戦となったものの、 海戦による持久力の低下により余り期待できるものではなかった。


 その時、 ただの騎士団上がりの水兵 (父親が商船の船長で海賊に勝利した経験ありだった為、 無理やり水軍に入隊させられた) である私は、 ある日夢を見た。

 その夢自体は、 余り思い出せない。 だが、 一言だけは言える。それは………


『3日後の夜に 黒く染めし軍船に乗り 海に出よ』


 とても美しい声質と予言 (それにしては分かりやすい) だった。


 私はそれを信じ、 軍に伝える。 だが、 信じるわけがなかった為、 父親の商船を使い (父親はほぼ自暴自棄な状態だった) 3日後の夜に出航した。


 出航すると、 何故か敵船に見つからず。 更には、 敵船の輸送船が何隻も停泊して居た。 なので、 砲撃をし、 数多くの輸送船を大破又は撃沈させ、 砲弾が尽きたら撤退した。


 それが功を奏したのか、 敵の指揮力の低下、 更には撤退をし、 我が国は勝利に終わった。

 その海戦の功績により上進し、 私はフリゲート『セレア』の船長となった。



 次のアラス海防衛戦では、 敵は煙を上げる鉄の軍船を主力とした船団で侵攻して来た。 捕虜となった敵の兵士はその軍船を “ じょうきせん ” と名乗って居たが……… 正直よく分からない。


 その “ じょうきせん ” は、 フリゲートの様な形をしているのに対し、 巨体で速い。 軍船によっては12ノットも出て居た。

 だから、 風を掴んだ時のフリゲートでなければ追いつく事が出来なかった。


 更には、 我が軍の魔砲の射程を遥かに超えているうえ、 威力も高い。 戦列艦ですら数発で轟沈した。


 私は、 水車の様なものが横に付いた軍船一隻でやっとだった。


 圧倒的な強さの敵に、 どう対抗するかを考えていると、

『空兵と共に、 夜の海にで、 敵の主力を我が物にせよ』

 再びあの美しい声と予言が聞こえて来た (相変わらず分かりやすい)。


 その通りに、 戦力外であった空騎兵(龍種は居ないから巨大な鳥) と共に鉄の軍船に突撃した。 すると、 味方の死者は無しで鉄の軍船を奪う事が出来た)

鉄の軍船を手に入れると、 敵は何故か撤退し始めた。 これにより、 我が国はまた勝利する事となった。



 三度目は、戦闘時でもないのに今である。 そしつ、 何故か予言が出た。 その予言は、

『5日後の夕暮れ、異界の漂流者に対し助けよ………』

 相変わらず分かりやすい。 だが、 異界とは、 どういう意味かよく分からない。

 取り敢えず、 従う事にした。



 そして、 今に至る。



「船長、 本当に今日、 何かがあるのでしょうか?」


 部下に問われる。


「正確には夕暮れだがな」


 部下の言葉を訂正する。



 そうこうしているうちに、 空が赤くなり始めていた。



 もう直ぐで夕暮れ。 それを見た私は、 甲板上の部下達に大声で伝える。


「総員に告ぐ! これから日が沈む! だから……… 海上の警戒を怠るな!!」



今回、 おまけは休みです。

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