魔王がイタリアンレストラン始めました 魔王の作るパスタ、ピザ、グラタン、ラザニア、しまいにはイタリアンレストランなのに自作のパエリアまで考案してしまいました(1)
魔王エブリス。魔界の魔王の1人でありながら、なぜかイタリアンが何よりも好物だという、異色の魔王だ。
しかし例によって勇者たちとの戦いに敗れ、人間界の人間として転生したのだった。
気がつくとそこは高層建築物が林立し、自動車という乗り物が地上を走り、上空には飛行機という空飛ぶ乗り物が飛ぶような世界。
「人間界では魔王としての力を発揮できない。
なんだってこんな無力な人間なんかに転生する羽目になったんだよ。」
嘆き悲しむ様子の魔王エブリス。しかしこの人物には、イタリアンが何より好きだという特徴があった。
魔王エブリスは、江部里依栖という人間界における仮の名を名乗ることにした。
「これで俺が魔界からやってきた魔王だということが、人間界の人間たちにバレたら、どんなことになるか…。」
そんな心配もあった。
あてもなく街中をさまよい歩く。
すると街の郊外の、何やら怪しげな通りに出る。
そこに一軒のイタリアンレストランがあった。
しかもその店の名は、
『魔王のパスタ&ピザ グラタンやラザニアも取り扱っております』
「いったいなんなんだ、この店は…。」
江部はおそるおそる、そのイタリアンレストランに入ることに。
「いらっしゃい、ようこそ当店『魔王のパスタ&ピザ』へ。
もしかしてお前さん、ここで働きたいのかい?」
どうやらここの店の主らしい。もともとイタリアンレストランには興味があったが、まさかこのような形で働くことになろうとは…。
「この店は女性客に人気の店だから、女性客にうけるようなメニューを考案したいと思っている。」
なるほど、女性客に人気か、そうなると女性客にうけるようなメニューを考案すれば、たちまちカリスマシェフとしてモテモテになるということも…。
変な妄想を思い描いたが、この店のメニューにはパスタ、ピザ、グラタン、ラザニアと、ひととおりのメニューはある。
「そうだ、パエリアとかどうでしょうか。」
突然、イタリアンレストランなのにパエリアを思いついた。




