魔王コモドゥス編(1)
『魔王が○○を始めましたシリーズ 魔王がコンビニ店員始めました』
ついに最終決戦、勇者たちのパーティーは、魔王コモドゥスと戦っていた。
ザシッ!バスッ!
勇者たちは魔王コモドゥスの両腕と頭を切り落としたが、そこから新たに不気味な顔が現れ、さらには新たな両腕と両脚と頭が現れた。
さらにコモドゥスにダメージを与え続ける勇者たち。
すると今度は、白い体から黒い体に色が変わり、コモドゥスは全身を震わせ、冷たく輝く息を吐いてきた。
「このままでは戦いが長引くばかりだ。」
勇者はテンションアップ、そしてギガスラッシュを放った。
ドシュ!バシュ!
「とどめだ!コモドゥス!」
ザシッ!バシュッ!
こうして魔王コモドゥスは戦いに敗れ、その後はお決まりの断末魔のセリフを言い放つ。
「ぐおお…、なぜだ…、究極の力を得たこの私が…。
体が熱い、体が焼ける、私の体が崩れていく…、ぐ、ぐふっ!」
コモドゥスは崩れ去り、勇者たちは戦いに勝利したことを喜び合う。
一方、崩れ去った後の、コモドゥスの魂はというと、いったいどこをさまよっているのか…。
どうせ地獄に落ちるものと覚悟していたコモドゥスだったが…。
たどり着いた先は、意外なところだった。
「ここは…。」
商品棚が並ぶ。商品棚の上には様々な種類の商品が、所狭しと並べられていた。
ここがどこなのかわからなかった。ただコモドゥスは、なぜかコンビニの店員の服装をしていた。
「人間…、人間の姿…。
もしかして、人間の姿になってしまったのか?
しかもなんだこの服装は、コンビニ店員って…?」
コモドゥスは、ここでようやく確信した。
「なぜこの天下の魔王、コモドゥスが、こんなコンビニ店員などにならねばならないのだー!」
次の瞬間だった。
「ちょっと!あんたねえ、何突然わけのわからないことを言ってるのよ!
さっさと仕事しなさいよ!」
このコンビニの女店長らしい。
いきなりこんなところに来て、わけのわからないのはこっちだよ。
そう思いながらも、どうやら自分の仕事はレジ係のようだと確信し、レジ係の接客対応を始める、魔王コモドゥス、いやもっと正確に言えば、元魔王のコモドゥスと言った方がいいか。
とにもかくにも、コモドゥスのコンビニ店員生活が始まった…。
それにしても、このコンビニという店には、いろんな品物が並んでいる。
食料品だけでなく、飲み物や、雑誌、文房具類、果てはATMという機械での引き出しや、各種の決済なども行えるという。
魔界にはこのような店は無かったぞ。
天下の魔王コモドゥスが、よもやコンビニという店で働くことになろうとは…。
正確には、コンビニエンスストアというらしいな。




