聞かれたら?
求めているものと違いますか?
俺の席は窓際にある。
そこで、外を見ながら色々なことを考える
あの詩はいいなぁ、とか
あの詩って結局どんな意味あるんだろう…
とか、他愛もないこと。
授業は、とりあえず板書はするが、
内容はあまり分かっていない。
終わる。
休み時間になる。
みんなと話すのが普通なんだろうが、
昨日まわりと挨拶するという大事なことも
しなかったので、
全然、話せない。
「ねぇ、君、名前何?」
急に、話しかけられる。
驚いたので、声のした方向へすぐさま振り向く。
彼女は、俺の隣の人だ。
「え、俺は…」
とりあえず、名前をいう。
質問に答えるのが一番だろう。
…いや、違うのか?あぁ
そうか、言葉のキャッチボールをしないとか。
君の名前は?って、聞き返さないと
いけなかったな。
もう、一度喋ったのでそれを言う気力は無いが。
言葉のキャッチボールか、いいな、
詩書きたいな。
俺は、すでにいくつもの詩を書いている。
なら、詩人になれてるんじゃないか、って
思うかもしれないが、俺は
沢山の人に見てもらいたいのだ。
まずは、クラスメイトに、俺が詩を好きなことを
伝えなくてはならない。
それが難しい。
恥ずかしい。みんなが詩についてどんな
気持ちを持っているのか知らないが、
それを聞くのも恥ずかしい。
下校時刻になる。
一人で帰っていると、まただ。
「あ、いたー!」
例の隣の子。なんで、俺に話しかけるんだ?
俺のこと好きなんじゃ…
だって、わざわざ…この学校の生徒の
中で…俺を選んだんだぜ…?
話しかける相手を…。なんて話すんだろう。
緊張する。
「君さ、これ忘れてたよー!」
それは、明日の課題だ。忘れてはならない。
「あっ…ありがとう。」
俺は…これで終わらせるのか…?
彼女は俺に背中を見せようとする。
俺から離れる合図。 止めなくては。
「あっ!…あのー!」
「何?」
彼女は聞く。
聞かれたなら、言うのだ。
「あ…そのー…えっと、詩…ってあるじゃん?
その、五七五とかのさ!」
俺は、遂に喋り出す。
夕方、太陽は二人を照らしているのだ。
「あーあるね。それが?」
聞く。ならば言う!
「えっとさ!詩!詩について……どう思う?」
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