声を失った。
私は声を失った。
話すのがしんどくなった。
話しかけれられたときに返事をするのが怖くなった。
相槌しかできない会話がものすごく苦痛になった。
会話をするのが怖くなった。
一方的に機関銃のように話す相手が怖い。
一方的に怒った口調で話す相手が怖い。
一方的に楽しそうに延々と話す相手が疎ましい。
そんなことを思っているうちに、喉に蓋がされた。
声を失って、私は楽になった。
一方的に話したい人は、声の出なくなった私に連絡をよこさなくなった。
それでいい。
私自身が消えてしまうのがいいのか、声だけが消えてしまうのがいいのか。
悩んでいるうちに、私の身体が、声だけを封印した。
それでいい。
一方的に話したい人たちは、心配している様子で、離れていった。
それでいい。
仲良しごっこはもう疲れたから。