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最弱魔王と最強四天王ッ‼︎  作者: エンターエンダー
新たなる異変
23/54

崩壊への余震 6

お互いの視線が重なる。


その刹那。


バンッ!



「ッ!」



まるで爆発音のような強い踏み込みが、白騎士とシルバの距離を一気に詰める。


音速のような速度のまま右手のランスの先端をこちらに向け、刺突の構えを取る。



(この距離を一瞬でッ‼︎マズイ…)



ランスの先端がシルバの腹部を直撃する瞬間、シルバは体を捻り間一髪の所でかわした。


が、しかし。



ゴスッ‼︎


「がはッ‼︎……」



白騎士は伸ばしきった右腕でランスごとシルバをなぎ払ったのだ。


ランスは敵を斬るためには作られてはいない。


しかし、白騎士の人間離れした腕力がそれを可能にした。


シルバの身体は軋み鈍い音とともに吹っ飛ばされ、教会の椅子をなぎ倒し壁に叩きつけられる。



「ハァ…やるじゃねーか」



ホコリを叩き、ゆっくりと立ち上がる。



「こりゃ一本取られたな。何処で習ったんだ?」


「……」



白騎士は何も語らず、じっとこちらを見ている。



(今の動き…完全に人間のそれを越えている。それに魔法を使った様には見えなかった)



白騎士が目をそらし外へ出ようと扉の方へ向かって歩き出す。


だが、すぐさま白騎士目掛けて角材が飛んでくる。


その方向には身体を左半身にし、左手を下に、右手を胸の位置に構えるシルバの姿が。



「悪いが約束があるんだ。テメーを此処から出すなって言うな」



白騎士は角材を弾き、刺突の構えを取る。



身体強化(フィジカルブースト)LV(レベル)1(ワン)ッ‼︎」



シルバの足元に銀色の魔法陣が展開。


それと同時に白騎士が先程の突きを繰り出す。


ランスの先端がシルバに迫り、それを避ける。かと思いきや。



「ハッ‼︎」


ガンンッ!



ランスをはっきりと捉えたシルバは避けるのではなく、右手でランスの側面をボディブローの様に殴り弾いた。


魔法の力で瞬発力、動体視力、筋力が向上しているからこそなせる技だ。


ランスが横に弾かれてもなお白騎士は得物を離さない。


だが、必然的に白騎士の体はガラ空きになる。



「くらえ‼︎」



すかさずシルバは白騎士の顔面に一発、胴体に4発もの強烈な打撃を瞬時に繰り出す。


それに押され耐えきれずのけぞりバランスを崩す。


甲冑を着てるからとはいえ、強化されたシルバの打撃をまともにくらえば『常人』なら立っては居られない。



『常人なら』



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