崩壊への余震 3
「私が説明いたします」
カナンがジュリエットの問いに答える。
「この大陸の約半分に魔族が生息する大地、『魔界』とでもいいましょうか。その魔界の領地の4割ほどを占めるのが魔王『カルデラ』が居る王国です」
「お、おう。なるほどね」
わかったような口を利くが、未だにジュリエットの頭にはハテナが浮いている。
「いや、分かりやすい嘘ぶっこいてんじゃねーよ‼︎」
「じゃあ魔王は理解出来てるんですか?」
「……当たり前だ」
その言葉に皆が沈黙する。
「あれ…なんかまずかったですか?」
「……いや、なんでもない。カナン、続けてくれ」
「かしこまりました」
この時の沈黙の意味をまだジュリエットは理解できていない。
その時が来るまで。
「それでは次に何故ジュリエット様が指名手配されたのかです」
「ま、大方予想はついてるけどね〜」
「ルビィさん、わかるんですか?」
「帝国とカルデラが手を組んだならもう魔王を討伐する意味が無いんでしょ。それで余計な事をしないように勇者、つまりアンタを消そうとした……合ってるかしら?」
「ハイ、それで間違い無いかと」
ジュリエットが感心していると、黙っていたシルバが立ち上がり少し急かすように言う。
「すまないが俺はこの辺で失礼する」
「そう言えば今日は『あの日』だったな。じゃあキリもいいから今日の会議はこれにて終了とする」
その言葉と共に皆が立ち上がる。
「解散!」
ロイドの号令と共にロイド以外が今日の予定などを話しながら部屋を後にする。
「………俺の飯は」
取り残されたロイドは膝をつき、空腹感に涙を流すのであった。




