適当、お父さん
不景気ってなに?って疑問に思う息子から、適当な答えを返すお父さんとの会話…
この話しは、まったくのフィクションです。
登場人物も場所も何もが架空です。
絶対に信じないでください。
ただ、この不景気に笑いが欲しいだけですから…
~お父さん、不景気ってなに?~
「お父さん、テレビとかで言っている不景気ってなに?」
「なんだ?おいおい!いきなり…どうしたいんだい?」
「だから、不景気ってなに?」
「よし、お父さんがお前だけに秘密の事を教えてあげましょう。」
「え?そしたら、友達にも言ったらダメなの?」
「馬鹿な事を言うな!これから話す事は絶対に人に話したらダメだからな。」
「うん。わかった!絶対に人には話さないから教えて。」
「もし、お前が人に話したりしたら…あの人に消される恐れがあるからなぁ…。」
「え?お父さん。あの人って誰?」
「子供のお前には、まだ知らなくても良い世界があるんだよ。」
「なんだか聞くのが、怖くなってきたなぁ…。」
「そうだよなぁ…おれも、子供の頃はそうだった…。お前の様に、いろいろ知るのが怖いけど…知りたい時があったなぁ…」
「お父さん、本当に誰にも話さないから教えて。不景気ってなに?」
「よし、お父さんが教えてあげましょう。」
「ありがとう。お父さん。」
「不景気と言うのは、読んで字のまんま。不の景気と言う事だよ。」
「???…不の景気って?意味がわからないよ。」
「良い質問だ!不の景気とは…不思議な景気と言う意味だよ。」
「え?不思議な景気?」
「例えば、昨日まではお仕事が忙しくって家に父ちゃんが居なかったのに、今日は父ちゃんが家に居る。それはなぜか?。」
「なんでだろう?僕にはわからないよ。」
「正解は、いきなりお仕事が無くなってしまったからです。」
「え?お仕事って、そんなに急に無くなるものなの?」
「やっぱり、お前は天才だなぁ。良い所に気がついた。」
「僕も、よく学校の先生とかに良い所に気がつくね!って言われるもの。」
「あの人だよ…不景気を作っている。あの人が、父ちゃんから仕事を奪ったんだよ。」
「お父さん…あの人っていったい誰なんだい?」
「馬鹿!お前…窓を開けたままでその話をするな!」
「その人って、そんなにすごい人なの?」
「当たり前だろ!この世界全体があの人に支配されていると言ってもよいくらいだからなぁ…。」
「お父さん!窓も玄関も全部の鍵を閉めてきたよ。」
「よし、話を元に戻そう。不景気とは、不思議な景気まではわかったな。」
「大丈夫!覚えたよ。」
「何が不思議か、お前にはわかるかい?」
「お父さん、そこがわからないから、物知り博士のお父さんに聞いてるんだよ。」
「父ちゃんが、昨日まで母ちゃんから小遣いを貰えたのに。今日は貰えませんでした。」
「なんで…?もしかして…。」
「おっ!さすが我が子!もしかしてわかってしまったのかい?」
「うん。なんとなくだけど…」
「正解は、母ちゃんがあの人に父ちゃんに小遣いを渡したらダメだって言ったからです。」
「やっぱりかぁ…優しいお母さんがお父さんに小遣いをあげない訳がないもんね。」
「もう1つ!昨日の晩御飯にはビールがついたのに、今夜の晩御飯にはビールがありません。」
「もしかして…それも、その人からお母さんへの依頼なのかなぁ…。」
「お~ぉ!さすが我が子!お前は本当に天才だなぁ。何か賞をとったらお父さんに車をお願いします。」
「オーバーだなぁ。まぁ、車を一台くらいなら。良いでしょう。」
「さて、本題に戻ります。昨日まであったのに、今日は無い。そんな自由自在に景気を動かせる人って…。」
「お父さん。教えください。」
「やっぱり言えないよ。だって、うちだけじゃないんだよ。あの人から連絡くるのって…。」
「ますます知りたいじゃい。お父さん、本当にお願いします。」
「よし、頭が良い我が子にお父さんからヒントを出します。よく考えてください。」
「ありがとうございます。頑張ります!」
「ヒント1…その人はいつも人の顔を見ています。」
「わぁ…誰だろ…わかんないや…」
「焦らない。ヒント2…その人は、いつでもランダムに誰かと連絡がとれる様に用意をしています。」
「ヤバい…いろいろ居すぎてわからなくなってきたよ…。」
「ヒント3…いつもは、優しいおばあちゃんです。」
「あ~ぁ!もしかして…角のタバコ屋さんのおばあちゃんですか?」
「馬鹿!おっきい声で言うなよ!。お前、消されるぞ。」
「そう言えば、おばあちゃんオイルショックがどうのって…話をしてたよ。まさか…」
「あぁ…実はあの人なんだよ…この世界の景気を変動させているのが…。」
「だからかぁ…値上げをする前から、タバコの値段が上がります。とか、ジュースの値段が上がりますとか知ってるんだぁ。」
「おぉ!お前、あの人からそんな情報まで貰っていたのか?すごいじゃないか!」
「その時には、隣のクラスのやすし君から聞いたんだけどね。」
「多分、そのやすし君って子が次期、独裁者に選ばれたのかも知れない。」
「え~…やすし君と遊ばない方がいいかなぁ…。」
「いや、わからんぞ!お前は試されているだけかもわからんからなぁ…。」
「お父さん…もし、僕が選ばれたとしても…一緒にキャッチボールしてね…」
「それは出来ない。なぜなら…きみは、この世界全体の景気を操るドンになるのだから…」
「そしたら…僕は、タバコ屋さんの子供になるの?」
「そう言う事だなぁ…もし、そうなったら景気を良くしてくださいね。」
「お父さん!僕は頑張ります。」
「お父さんも子供の頃からタバコ屋さんのおばあちゃんが怪しいと思っていたんだよ。」
「そう言えば…おばあちゃんの目の前にはいつも電話帳が置いてあるし…お店からいつも見てるし…かなり怪しいよね。」
「お前!絶対にこの話しは、他の誰にも言うなよ。お父さんとお前だけの秘密だからなぁ!」
「わかったよ!誰にも話さないし…隣のクラスのやすし君とも仲良くするよ。」
~お父さん、不景気ってなに?~ でした。
そして、素直に騙される可愛い息子と適当なお父さんとの会話はまだまだ続く…