「王妃になるなら、僕の恋くらい許してくれ」と王太子に言われましたので、正式に側室としてお迎えいたします~お相手の令嬢が毎朝、私の許可を取りに来るのですが~
夜会の大広間から消えた殿下を探して庭へ出る。裾を持ち上げると、夜の芝が靴の底をしっとりと冷やす。背中で楽の音が遠くなる。窓の灯りは生垣の手前までしか届かず、その陰に、重ねた手が見えた。
王太子ギゼルベルト殿下と、幼馴染の子爵令嬢リリアーヌ様だ。入口の付き添いが私を見て目を伏せる。私は足を止め、持ち上げていた裾を下ろす。殿下はつないだ手をそのままに、こちらへ顔を向ける。
「王妃になるなら、僕の恋くらい許してくれ。側室なら、歴代の王にもいた」
私はロザムンデ、公爵家の娘で二十歳。王太子妃教育を六年受けてきた。
踊るために整えた袖を見る。縫い目に沿って指を滑らせても、折り目はきちんと残っている。待つあいだ、この袖は誰の腕にも触れていない。
私との約束も、楽しみにしてほしかった。
息を吸うと、喉の奥が狭くなる。袖から指を離し、顔を上げる。
歴代にいた。それなら、規定がある。
「承知しました。では、正式に側室としてお迎えします。手続きは王妃教育で習いました」
リリアーヌ様が殿下の手をほどく。白く浮いた指が、自分の袖を握る。
「呼び名だけだからと勧められて……暮らしは変わらないと、伺ったのですが」
次の手続きを告げかけ、口を止める。リリアーヌ様の視線は、私の顔へ上がってこない。
「先に暮らしをご説明します。それからお迎えしますね」
「今と変わることが、あるのですか?」
「はい。お住まいから順にお話しします」
「そう怯えなくていい。正式なら文句はないだろう?」
殿下に頷き、リリアーヌ様へ向き直る。袖を握る指が緩むのを待ってから、声を掛ける。
「側室の作法は、王妃教育で習いましたわ」
◇
夜会の後、妃の宮の私の部屋にお呼びした王太后様へ、自分で書いた届けを渡す。殿下とリリアーヌ様も卓を囲む。燭の明かりに照らされた紙は黄色く、乾いたばかりの文字が、まだかすかに光っている。
「歴代の側室の扱いを実行します」
王太后様は焼き菓子をつまむ。届けを持つ私の手元へ、目を落とす。
「よく覚えていたわね」
紙には五条。読みやすい向きに差し出すと、菓子の粉が第一条の端へ落ちる。払うべきか迷っているうちに、王太后様が紙を引き寄せる。
「私が若いころに書いた規定ね。教育は修了しているわね?」
「はい」
王太后様は手を止める。指の先の菓子が、口元へ届く前で待つ。
「王妃の座は空いているわ。側室の件では、あなたを王妃に準ずると裁可するわ。婚約解消の裁定も私がするものよ」
「お祖母様、形だけの話です」
王太后様は聞こえない顔で、殿下に菓子の皿を勧める。私へ届けを返すとき、その目が強張った指に留まる。紙を受け取り、膝の上で指をゆっくり開く。
「今夜は第一条、住まいです。ここが王妃の宮に当たります。側室の宮と呼ぶ隣室へどうぞ」
リリアーヌ様は持ち上げかけた茶碗を止める。口をつけないまま、そっと卓へ戻す。
「暮らしの決まりも、教えていただけますか?」
「はい。毎日ご説明します」
「毎日、ですか? 今夜から?」
「第一条で、お住まいは妃の宮の中と定められておりますので、今夜からです。お荷物は付き添いの方が運びます」
リリアーヌ様は隣室の扉を見て、それから付き添いへ頷く。袖を握っていた手を、膝に揃える。
「では、こちらに入ります」
妃の宮の女官長に紙を託し、宮内卿の副署へ運んでもらう。隣室の扉に燭の影が伸びたころ、戻った女官長が紙を差し出す。
「施行の副署をいただきました」
名前の書かれた場所を確かめ、私は紙を卓に置く。運び込まれる荷が殿下の前を通り、衣装箱の角が、その膝をかすめる。殿下が椅子を引く音に、リリアーヌ様の肩が小さく動く。
「君の部屋を通るのか?」
私は隣室の扉を開く。冷えた取っ手が、掌に落ち着く。
「はい。こちらをお通りください。隣室の入口は、この部屋の中にしかありませんので」
「では、リリアーヌに会いに来たら、まず君がいるのか?」
「はい。私の部屋ですから」
殿下が私を見て、開いた扉を見る。通りやすいように、椅子を卓へ寄せておく。
◇
二日目の朝、青い顔のリリアーヌ様が来る。戸口では殿下が手招きしている。廊下から差す朝の光が、卓の脚まで伸びる。リリアーヌ様はその明るいところを越え、私の前で足を止める。
「外出の許可証を、いただきに」
「どちらへお出かけですか?」
「庭です。朝のうちには戻ります」
行き先と戻る時を確かめ、筆を取る。リリアーヌ様が、動く筆の先を目で追う。
「規定では、今日からの第二条で側室が妃の宮を出るには許可が要りますので、庭へ、朝のうちのお戻りで許可します」
宮内卿の王弟殿下、エックハルト様が来て、施行と許可証に副署する。黒に近い茶色の髪は短く、朝の光が頬の端に当たる。紙に袖が触れないように手を引き、筆は音を立てずに置く。
「今日の許可証は、これで全部か」
「はい。今朝のご申請は、これで済みます」
殿下の伸ばした手の先で、リリアーヌ様が紙を受け取る。行き先の欄を確かめる指の向こうで、殿下の手が行き場をなくし、袖へ戻る。
「庭へ行くだけだろう?」
「はい。『庭』と書いてあります」
許可証の行き先を指で示す。殿下は紙よりも私の顔を長く見ている。リリアーヌ様は乾いていない文字を避け、紙の端を持ち直す。
「これで安心して出られます。殿下もどうぞ」
「僕が申請するのか?」
「許可が要るのは側室のご外出だけですので、殿下は要りません」
侍女が王弟殿下の茶を置く。茶碗の縁から、白い湯気がほどける。
「ロザムンデ様も、お茶をどうぞ」
殿下とリリアーヌ様はまだ戸口にいる。私は筆の先を拭い、次に使う紙を寄せる。王弟殿下の椅子は動かない。
「あなたは窓から何を見ていた?」
書類の場所を答えかけ、止まる。窓。私は今朝、窓を見ていた。寄せた紙の角を指で押さえたまま、王弟殿下の顔を見る。
「……朝の花です。日が当たると開くので」
「何色だ?」
「白です。開くまでは、緑に見えます」
「では、今はまだ緑か?」
窓へ顔を向ける。葉に紛れていたつぼみが、目を凝らすと丸く見える。
「はい。でも、先のほうが少し白くなっています」
「開くのは、いつ頃だ?」
「日が窓の桟を越えるころです」
王弟殿下は茶碗を置く。私は紙を渡そうと伸ばしかけた手を、卓の手前へ戻す。指の腹に、木の滑らかさが触れる。
「……お忙しいのでは?」
「続きを聞こう」
口を開き、それから窓を見る。茶碗に添えた指へ、ぬくもりが移る。王弟殿下は茶を飲み、私が顔を戻すのを待っている。
◇
三日目の朝。許可証は私が書き、王弟殿下が副署して、リリアーヌ様の手へ渡る。リリアーヌ様が殿下からの包みを卓に置き、殿下がそれを中央へ押す。絹の包み紐が朝日を受け、つややかに光る。
「正式なら文句はないだろう?」
第三条の査定表を開く。包みが少しかかるので、紙を手前へ引く。横線の間はまだ白い。
「規定では手当は私が決めますので、必要なものを教えてください。殿下、贈り物のお値は?」
殿下が包みに目をやる。紐に掛けた指が、そのまま止まる。
「高い品だ。値までは……」
「お値が分かりませんと、表に書けません」
「書かなければいいだろう?」
「書かない手当は、規定にありませんので」
殿下が包みを引き寄せる。
「僕が選んだ品だぞ。リリアーヌに渡すと決めて持って来たんだ」
「はい。お品の名前はこちらに書きました。お値を伺っています」
リリアーヌ様の付き添いが、包みの紐に結ばれたままの値札を指す。
「お値は、こちらに付いております」
私は値札を紐から外し、表の脇へ置く。殿下が紐から手を離すと、結び目が元の形に戻る。
「こちらで暮らすのに、必要なものはございますか?」
「衣装の手入れなども、申し上げてよいのですか?」
「はい。お使いになるものを伺って、手当を決めます」
「いただいた品があるのに、お願いしてよいのかと……」
「贈り物とは、欄が別です。こちらへ書きますね」
リリアーヌ様が表へ身を寄せる。指が表の線をなぞり、空いた欄の上で止まる。私は筆を浮かせたまま、続く言葉を待つ。
「では、暮らしに必要なものから、お伝えします」
聞いたことを書き入れ、手当を整える。贈り物の欄には、値札の字をそのまま写す。書き終えた表を向けると、リリアーヌ様は端まで目を通し、深く頭を下げる。
「査定が正確で助かります」
返事をする前に、目が表へ戻る。読み直さなくても分かる文字を、端から辿ってしまう。筆を置こうとして、置き場所にあった値札を寄せる。
「……お困りにならなければ、何よりです」
王弟殿下が表を覗く。指先は紙を押さえ、その顔は私へ向く。
「君の査定は正確だ」
筆先が紙に触れる前で止まる。王弟殿下の目を見てしまい、下ろしかけた筆を、また持ち直す。
「手当はこれで全部か?」
「はい。足りなければ、また伺います」
王弟殿下は第三条に副署を済ませ、口を開きかけた殿下から私へ目を戻す。
「決めてからも聞くのか?」
「困っていないかは、ご本人に伺いませんと」
「それは、規定か。それとも君の癖か?」
すぐに口を開けない。紙へ落ちかけた視線を上げると、王弟殿下はまだこちらを見ている。
「……両方です」
◇
四日目の朝。許可証は同じ道筋で渡る。違うのはリリアーヌ様の顔色で、今朝は明るい。受け取った紙を胸元へ寄せる手にも、強く握った跡が残らない。殿下は戸口で待つ。
私は席次の控えを書き、来た王弟殿下が目を通す。卓にかかった袖を引くと、紙が擦れて小さく鳴る。
「席次の控えはこれで全部か?」
「はい。お席の並びも、そちらにあります」
王弟殿下が第四条と席次の控えに副署する。紙を片付けても、その手は卓に残る。
「今朝の庭はどうだった?」
「朝のご報告……いえ、花は見られませんでした」
「なぜ?」
「今朝は、この席次の控えを書いておりましたので」
指が紙の端を撫でる。丸まってもいない角を伸ばし、返事を待つ。
「では、次に聞こう」
置きかけた紙を持ったまま頷く。窓の桟の向こうが明るい。私は茶碗へ手を伸ばす。
夜会の大広間で、リリアーヌ様が私の後ろに座る。楽の音が始まる前、皿の触れ合う音が卓の上を伝う。燭に照らされた扇を膝で閉じると、影も細く畳まれる。
女官長と列席の方々の前で、殿下が椅子に手を掛ける。
「こちらへ寄せれば話せるだろう?」
椅子の脚が床を擦る。リリアーヌ様は腰を浮かせかけ、私を見る。
「動かしても?」
「規定では、公の席は王妃の後ろですので、私の後ろにお掛けいただきます」
「少しくらい、いいだろう。これでは話すたびに君が間に入る」
扇を開きかけて、止める。殿下の声が肩越しに飛んでいく。私は扇を膝へ戻し、背を椅子から離す。後ろで衣の擦れる音がして、リリアーヌ様が背筋を伸ばす。
「私の席は、ここで合っています」
リリアーヌ様は座り直し、膝の上に手を重ねる。
「リリアーヌまで、そう言うのか?」
「座ってよい場所が分かると、落ち着きます」
殿下の手が椅子から離れる。王弟殿下が、椅子の背と私の肩の間へ目を向ける。私は背を浮かせたまま答える。
「寄りかかると、殿下のお声が通りませんので」
王弟殿下は、殿下のほうを見もしない。
「通す義理はない」
背を預けると、肩の上で張っていた布が緩む。唇から細く息がこぼれる。扇を持つ手も膝へ落ち着き、私は王弟殿下のほうへ顔を向ける。
「……次は、庭の話を持っておきます」
◇
五日目の朝。許可証が渡るのを見送り、日程表を卓に出す。端を伸ばし、面会の欄を開く。副署を待つあいだ、その欄に指を置く。
「今日は第五条、面会です。いつにしますか?」
第五条の副署が済むと、殿下が表を覗く。めくる指が端を取り損ね、紙の上を滑る。
「会う時まで君の表なのか?」
王太子は、恋人に会うのに婚約者の日程表を見なくてはならなくなった。
「僕がリリアーヌに会いたいと言えば、それでよかったんだ。今まではそうだった」
「お会いになる時刻を伺っています」
筆先を上げて待つと、リリアーヌ様が紙を引き寄せる。袖を握らずに、面会の欄へ指を置く。
「殿下、私の予定も聞いてください」
殿下が表から目を上げる。リリアーヌ様は手を引かず、殿下の顔を見る。
「では、リリアーヌの都合に合わせる」
「……はい。では、午後に」
殿下がリリアーヌ様を見る。
「午後でよいのか?」
「はい。私が伺えるのは、その時間です」
言われた時刻を記入する。王弟殿下が署名した紙を揃えるそばで、私は筆に残った墨を拭う。
「面会の記入はこれで全部か?」
全部ではない。私の話を聞いていかれるぶんが、いつも残る。
自分のための予定は空欄だ。筆を置く場所は決まっているのに、置いた後の手をどうすればよいか、少し迷う。
「君の話の続きは、いつ聞ける?」
次の紙を探した手を戻す。卓に置くと、袖の端が表にかかる。そっと引き寄せ、膝で揃える。
「この後、私の話に時間を取ってもよろしいですか?」
王弟殿下が椅子を戻す。木の脚が床に触れる音がして、私の肩も少し下がる。
「そうしよう」
「花の話の続きから、でよろしいですか?」
「君の決めた順でいい」
頷いてから、表の空欄を見る。筆を取りかけ、指を止める。
「……終わる時刻が、まだ分かりません」
「では、まず聞こう」
筆を置き、茶碗を両手で包む。手の内側に、温かさがゆっくり広がる。
◇
施行の報告に王太后様が来る。副署を揃えた王弟殿下は壁際に、殿下は卓の側で表を持つ。朝の菓子はまだ皿にある。窓の光が、丸い焼き目を照らしている。
「暮らしてみて、不都合はない?」
リリアーヌ様が顔を上げる。五日目の朝の顔色は、あの夜の庭より明るい。袖口を整えると、膝の上へ手を置く。
「お部屋も、お手当も、困らないようにしていただきました」
そこで言葉が細くなる。私は茶の支度をしながら、その口元を見る。リリアーヌ様は息を吸い、今度は顔を伏せずに続ける。
「でも、ここで暮らしたいかと聞かれたら……違います」
王太后様の指が、皿の縁で止まる。リリアーヌ様の声が、先ほどよりはっきり届く。
「私、側室には向いていません」
茶の支度を止め、頷く。茶碗へ向けていた注ぎ口を戻し、卓に置く。
「殿下、お相手がいなくなりました。側室の宮は、空けておきますわ」
殿下が日程表を閉じる。重なった紙が乾いた音を立て、リリアーヌ様の指が膝の上で揃う。
「もういい、側室はやめる。君との婚約も、これで終わりにする」
王太后様が私を見る。返事をしようとして、息が喉に留まる。六年の教育のどこにも、この頷きの作法は無かった。
袖口に指を添える。縫い目をなぞり、手を膝へ下ろす。それから頷くと、王太后様は殿下へ向き直る。
「では、ロザムンデの側からの婚約解消と裁定するわ。ギゼルベルト、この約束を終わらせたいと言ったのはお前だものね」
女官長が裁定を書き留める。記録に残るのは、私の側から終わらせた婚約だ。殿下には、自分で終わらせたと言える紙が残らない。紙を走る筆の音を聞きながら、私は膝に重ねた手をほどく。
王太后様はリリアーヌ様へ向く。
「あなたの望む縁は、私が世話するわ」
「王太后様が、私の縁を?」
「あなたが自分で選んだ答えの、続きよ」
リリアーヌ様が頭を下げる。上げた顔には笑みがあり、王太后様の手が菓子の皿へ戻る。
女官長が帳面を閉じ、私は隣室の戸へ目をやる。運び込んだ荷が、戸の向こうにまだある。卓の端には、施行を済ませた紙が揃っている。
「隣室と五条の実務を引き渡すまで、この宮におります」
リリアーヌ様が付き添いへ笑顔を向ける。
「実家へ戻ります。お話を楽しみに待っています」
◇
殿下の手に、面会相手のない表が残る。女官長は書類を抱えて下がり、リリアーヌ様たちは開いた戸口に立つ。王弟殿下が椅子を私へ向ける。
「副署は済んだが、君の取った時間をもらいたい」
仕事の名を探しかけ、紙のない卓へ手を置く。木目が、掌に冷たい。口を開くまで、王弟殿下の手は椅子の背にある。
「はい。私の話を、聞いていただく時間です」
「何から聞こうか?」
窓の桟へ目をやる。日差しがそこを越えて、卓の端に届いている。
「……白い花が、今朝は開きました」
王弟殿下が窓を見る。私もその横顔を見て、それから庭へ視線を戻す。
「見に行ったのか?」
「窓からです。許可証を書く前に」
「開くところも見られたか?」
「はい。先のほうからほどけて、日が差すと、花びらの影が葉に落ちました」
話しながら、窓の向こうを指しかける。王弟殿下の目が手元へ動いたので、引き戻すのをやめ、その花のある場所を示す。
「待って見ていたのか?」
「……筆を持つのを、少し待ちました」
言い終えて、手を膝に置く。王弟殿下は窓から顔を戻し、椅子を引いて座る。
「副署がなくても、君の話を聞きに来たい」
口元へ運びかけた茶碗を戻す。縁に添えた指が、なかなか離れない。王弟殿下は次の言葉を足さず、私の顔を見ている。
「それは……宮内卿として、ですか?」
「王弟妃の規定は私が教える」
何を習えば、と返しかける。唇は開くのに、声にならない。習うのではない。迎えられるのは私だ。膝に置いた手を握り、袖を巻き込んでしまって、ゆっくりほどく。
殿下は表を持ったまま、王太后様も口を挟まない。窓から風が入り、袖口を軽く揺らす。私はそこを撫で、王弟殿下の顔を見上げる。
掌には、何も載っていない。開いた指をそのままにして、息を吸う。
「王弟妃の作法は、まだ習っておりませんの。毎朝、教えにいらしてくださいますか?」




