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【連載版】悪役令息に転生したので、謀略の限りを尽くしてみる  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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10/20

10:弟に約束させる。

 



「そうもバレバレな態度だと、敵対していると気付かれるぞ? あの男は狡猾だ。容易には落――――」

「にゅあぁぁ! アルブレヒト様ったらこんなに可愛くなっちゃってぇ!」

「レベッカ、煩い」


 感情がモロバレなクヌートを注意していたら、レベッカが抱きついて頬ずりしてきた。レベッカの顔面を鷲掴みにして引き剥がしていると、クヌートがボロボロと泣き出してしまった。


「兄さんなの……?」

「ソレは死んだろうが」

「でも、兄さんなんでしょ?」

「どうだかな」


 堂々と話しかけていた私が一番の原因だが、クヌートもレベッカもチョロすぎやしないだろうか?

 これが演技だったどうする気だ。簡単に国家転覆も出来そうな気がしてきたぞ? いかん、本気で心配になってきた。


「とりあえず、クヌートは伯爵家の娘……名前はなんだったか…………アレに告白でもしてこい」

「うん!」

「レベッカは離れろ」

「嫌です! アルブレヒト様照れてかわいい!」

「照れてない。あとニコラウスと呼べ」

「はいっ!」


 ところで……と言葉を切り、気になっていたことを確認する。

 王太子の死は、公的には突然の病死とされていたが、クヌートは何か知っていたり、気付いているのだろうか? ハイデガー卿の反応からしても、ほとんどの貴族が病死だと思い込んでいそうだったのだが。


「第一発見者は私なんです」


 クヌートが下唇を噛み、俯いて膝の上の手を見つめた。両手が震えているが、恐怖や悲しみというより、怒りのようにも見える。


「そうか。嫌なものを見せたな」


 私が座っていたところからはクヌートが遠かったので、ガゼボのベンチから降りてクヌートの横に立った。母の温かな手を思い出しながらクヌートの頭を撫でてやると、ポロポロと涙を流し始めてしまった。


「お……おい?」

「誰に掛け合っても……病死にするとしか答えてはもらえなかったんだ」


 その『誰に』には、両陛下も含まれていたのだという。


「……そうか」

「兄さん、犯人はライゼガング侯爵なんだよね?」

「…………」

「兄さんっ!」


 クヌートが悲痛な声を上げて縋ってくるが、私は頭を撫でてやることしか出来なかった。

 両陛下が内々での処理に賛成したということは、何かしらの思惑があるのだろう。当初から犯人を知っていて、諸々を天秤にかけたのかもしれない。

 

 死に際に見たあの男の顔とセリフも気になっている。面と向かって聞いてもいいのだろうが、いまはまだ時期尚早だろう。


「クヌート」

「なに?」

「私を騎士に登用しろ」

「いいよ。なにするの?」


 クヌートよ……お前は本当に私に甘い。そして、従順すぎる。そのくせ王太子としての執務は卒なくこなし、統率者としての才能を遺憾無く発揮している。

 

「お前が王太子になってくれて、本当に良かったよ」


 クヌートはいじけたように怒っていたが、レベッカはニヤニヤと笑っていた。そして後ろから私の腰に腕を巻きつけて抱き上げると「貴方は国のために馬車馬の如く働きなさい。アルブレヒト様は私が幸せにします!」とかなんとかのたまっていた。

 ニコラウスだと言っているのに、人の話を聞かない女だな。




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― 新着の感想 ―
いやーんレベッカたんさいこう☆ 用事の腰に抱きつく大人、これはいいオネショタ…ありがとうございます!! いやもうホント可愛いしありがたいです。弟もいい歳なのに子どもによしよしされてるのもいい絵だ…!!
短編に続いて、ここを読んだら笑ってしまいました。 レベッカさん、ほんと素敵です。私たちの幸せのために働け!なんて、王太子に向かってなかなか言えないでしょう。 そしてちょこっと風向きが?最後に見た顔と台…
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