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山蛭だらけの大田舎で…… 草稿
山蛭だらけ大田舎で
おぎゃあとね おぎゃあと
産声あげたなら
そこが わたしの生まれし故郷よ
たとえ山蛭だらけの
とんでもない 山奥でもないけれど
マイナスイオンは いっぱいかな
たとえ山蛭だらけでも
そこが わたしの生まれし故郷よ
雫 ぽとり ぽとりと 海の始発点
都会に出てね? お水ってね? 買うんだなって……
最初はね 思ってたけど?
蛇口を捻って 里のお米を炊いたら
不味かった
洗い物だけして お水のペットが山になる日々
木々に囲まれて
山蛭だらけだったけど
雨がふったら うにゃうにゃ うにゃうにゃ
出てきてね
しらない間に脹ら脛 ぺたりと張り付いたりして
とっちゃ駄目って言われたけど
ぺろんとね ぺろんと とっちゃたら
どびゃって! わたしの真っ赤な雫
吹き出したっけ 今では懐かしい思いでよ
大都会 ビルだらけの陰で アリンコみたいに
毎日毎日 行ったり来たり 繰り返し
毎日 わたしを消費して
灰色の心 育ててく
あの山蛭だらけの 大田舎で育って
嫌で嫌で 嫌んなって 飛びだしちゃたけど……
あの山蛭だらけの泥んこ道が……
今は何故か 愛おしい……




