あれって……うしだよね? 草稿
あれって……うしだよね……? 草稿
えっ……あれって……?
もしゃも……もぐもぐ……。
もしゃも、もしゃも……。
もんぐもんぐ……。
えっ……うし……?
いやいやいや……有り得ないし……町中だよ?
みんな素知らぬ顔で、うしの横……通り過ぎてくけど……。
べたあ!
じぃ〜〜〜〜……間違い無い、やっぱうしだわ?
どうしよう……?
ここで降りたら間に合わなぞ!
我慢の子だぞ!
まゆたん!
じぃ〜〜〜〜……。
もしゃも……もしゃも……。
もんぐもんぐ……うもぉ〜〜〜〜っ!
駄目だ! わたしの好奇が……。
好奇心がぁ〜っ……。
むくむくむくむく……。
ピンポーン!
次おります点灯!
お……押してしまった?
みんなの……何コイツこんなトコで降りるの目線が痛いよ〜……。
ぽこぽこ、ぽこぽこ……。
馬鹿馬鹿馬鹿!
わたしの好奇心の馬鹿馬鹿っ!
ぴぃ〜〜〜〜っ……。
プッシュ〜〜〜〜……。
「ねえ! 止まったけど……あんた降車ボタン押したよね……? 降りないの……? どうせ受かりっこ無いからって……足引っ張るのやめてくんないかな……? 人生かかってんのよ!」
「すみませ〜ん(わたしだって、そうだよ!)!」
プシュ〜ッ……。
ヴゥオオオオオオォ〜……。
行ってしまった……サヨナラの意味わたしの青春よ!
何故に降りたのだ? わたしよ〜っ……。
いかんいかん、うしうし……。
タッタッタタッタッタ……。
あれ……確かに……。
キョロキョロ……。
ここらだったんだけどな〜……?
うしいないよ〜……何処いったんだよ〜……。
あっ! 草食べた跡だ!
やっぱ……いたんだうし!
ああ〜あ……やっちゃったな……。