白日夢〜赤犬の背を追って…… 草稿
白日夢〜赤犬の背を追って…… 草稿
わたしは何故か? 赤犬の背を追っている
わんわんわん!
「あっ、あっちか……」
わん! わん!
「いったい何処へ行くのよ……待ってよ? 待ってったら!」
わんわん! わんわん!
「何でわたしこの薄汚れた和紙の大きな包抱えて、赤犬の背中追いかけてるんだろ……?」
風が吹くと桶屋が儲かるんだってねえ?
「何よ? 知らないわよ? 何で風が吹くと桶屋が儲かるのよ? 誰よ……? 今、誰が言ったのよ……?」
わんわん! わんわん!
「あっ! 彼処に赤犬入った! 三味線屋さん? 何でよ……?」
わんわん! わんわんわん!
「何であの赤犬ここ入ったんだろう?」
「修理ですね?」
「あのう……赤犬入ってきませんでしたか……?」
「何言うてまんのんや? その包頂きますよ!」
「えっ? これ?」
「そうですが? 修理するんでっしゃろ?」
「えっ……この紙の包? これって三味線なの?」
「頂きますよ! ああ……黒褐色の紅木、花林、寒梅粉糊、膠、漆、ああ……かなり痛んでますなぇ! 破れている表が赤犬の背ですねぇ? 裏は……元はトラ猫の腹だったんですねぇ……もう、これ程のものは手に入らないんじゃないですかねぇ? どうされますか家は猫専門なんですがね? 同じ赤犬の背で貼りまひょか?」
「あっ……お願いします」
わんわんわん!
「そっか……君なんだね!」
わんわんわん!
「わたしに、ちゃんとしろって言ってくれてるんだ……有り難う赤犬くん!」
ん……んん……。
「あれ……何でわたし……薄汚れた和紙の袋抱えて寝てたんだろう……? これって赤犬の背の三味線……」
えっ! 真逆、白日夢?




