お久しぶりですね 草稿
お久しぶりですね
あれ……?
もしかして……あそこに歩いてるの……。
あれ……? ここらだったんだけどな〜……。
あっ……角曲がった!
はあはあはあ……。
いないや……あっ! また、角曲がった!
はあはあはあ……。
あれぇ……見失ったか……彼女だったよな〜……?
この街に戻って来たんだ……。
「お久しぶりです」
えっ……?
振り返った、そこに……あの頃と変わらない、彼女の愛らしい笑顔があった……。
「もう随分と経つのに……変わらないね」
「そうですか……?」
こてんと、可愛く首を傾げて彼女は言った。
「ほんと……変わらないよ……あの頃の(あの時の)まんまだよね……」
うふふふふ……。
「みやちゃん……元気ですか……?」
「……ああ……もう……会って無いんだ……」
「そうですか……」
「どう……時間あるの……?」
「う〜ん……もう時間切れかな……」
「えっ……時間切れって………?」
うふふふふふふ……。
「遠くに……いっちゃうんですよ」
「えっ……ここに居たの?」
「はい……ずっと……」
「そうなんだ……全然気付か無かったな……そっか……居たんだ」
「はい……ちゃんとお別れ言っとこうかなってね……えへへへへ……」
「……そっか! 御免ね……あの時は……」
「えへへへへ……悲しくなっちゃいますよ……」
「久しぶりに……会ったのに湿っぽくなっちゃったね……御免!」
「先輩は何時も、わたしに御免ですよ!」
「そ……そうかな……?」
「罰として……偶にはわたしの事思い出してくださいね! な〜んてね!」
うふふふふふふ……。
「じゃあ……いきますんで……」
「あっ……そっか」
ペコリと頭を下げ……彼女は街中へと、木枯らしに巻かれて消えてゆきました……。
「言えなかったな〜……もう壱度やり直そうって……」
ひゅ〜ぅ〜っ……。
わんわん! わんわん!




