表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロスキルノーマジック  作者: 赫蒼翠
4/4

親友

俺は今ダンジョンに居る......その理由はシャムの実力を知りたいからだ


「シャムどう?やれそう?」


と言うとシャムは自信たっぷりといった表情で大丈夫ですとだけ言った


なんかめっちゃこの展開知ってる気がする.......

.........絶対負けるやつやん..........


と不安になりながら見守っていたら早速モンスターが出てきた。緑色の小柄で人型のモンスターだ。ゴブリンか......試すのにはちょうど良さそうだ


「.....行きます.....」


水のように静かで綺麗な声でそう言った


「ウォーターショット!」


「グギィぃぃぃぃッッッ!」


とシャムの魔法がゴブリンに直撃してゴブリンは原型をとどめることもできず肉塊へと変貌していた


..........やばすぎるだろ..........


「あぁ、少しやりすぎちゃったわね」


と言いながらシャムはゴブリンに近づいていきグチャグチャと音を立てながら肉を剥ぎ始めた


「しゃ....シャム.....?何をしてんだ......?」


と言うとシャムはとても不思議そうな表情になった


「ゴブリンのコアを取り出しているのよ?」


あぁそっかこの世界ではそれを売って稼いでいくのかぁ


「あぁ、そう言うことか......て......手伝おうか.......?」


女の子にそんなことさせるのはなんか微妙な気がしたのでそう尋ねてみた


「え.....大丈夫なの?こう言うの苦手なんじゃないの?」


「い、いや大丈夫......全然余裕......」


「じゃあ私も疲れちゃったからお願いできる?」


と肩が痛いと言うような身振りでそう言った


「わ....分かった.....」


と言ってさっきシャルがやってたようにゴブリンの腹部に手を突っ込みコアなるものを探す......

.....グチャグチャブチィ.....ブシャァ.....グチュグチュ.....

あ、なんか丸いものが手に当たった......それを引っ張り出してみた


見た目は緑色の丸い玉のようなものだった


「シャム......コアってこれのこと?」


シャムに向けてコアらしきものを見せて聞いた


「うん、それがコアだよ!」


シャムはとても喜んだような表情でそう言った


「じゃあこれってギルドに持っていくの?」


「そうよ、ギルドに持って行って売るのよ」


そんな感じの制度だったんだなあと感心していると


「でもあと何体か狩ってからにしない?」


とシャムがそう言った.....それもそうだなゴブリン一体じゃ生活も持たないだろうしな


「おぉ、そうだなそうしようか」


と言って俺はロクに貰った剣を握りしめてゴブリンと対面した


「行くぞ」


ズパッッッ


ギャァァァァ


俺が切るのと少し遅れてゴブリンの悲鳴が響いた





それから何時間か狩りをしてギルドへ帰ることになった


「だぁぁ、疲れたぁぁ」


「あれからずっと狩りをしていたもんね.......私も疲れたぁぁぁ」


俺が疲れたと言うとシャムも疲れたようで同調してくれた


とその瞬間


「.......!下がって.......!」


とシャムが急にそう言った......だがこの感じ......ロクの時と同じで俺を守ろうとして自分をも犠牲にする覚悟が決まったような表情になっていた


「......い...いや、俺も戦うぞ......」


否定されないようにしっかり覚悟を決めてそう言った


「......分かったわ......でも無理だけは......」


こんな時でも人の心配ができてシャムは本当に優しいんだなぁ


「.......ッッッ........⁈」


と急にシャムの表情が一瞬真っ赤になっていたような気がした


「ふぅ.....ちょっと良いかなぁ?」


と白髪の男が言った


「.......なんのようだ?」


「おめぇらの集めたコア全て置いていけ......素直に置いていけば何もしないで帰らせてやる......だが素直に置いていかないってなら......分かるよな?」


くそっっ.......どうすれば.......


「はい、分かりました。ここに集めたコア全て置いて行きますので見逃して下さい」


シャムははっきりとそう言った


「ほぉ?んじゃ早く足下にコア全て置け」


白髪はそう言って面白そうに笑っていた


........バシッッッッッ.........


「.......ぶぅぇッッッ.......⁈」


俺は怒りを抑えることができず


気づいた時には白髪を蹴り飛ばしたあとだった


「オイオイ、交渉は決裂かぁ?」


白髪はニヤッとしながらそう言った


「シャム.....お前は下がってろ.....」


「いやよ?一緒に戦うわよ?レイも一緒に戦うって言っていたでしょ?」


と言ってシャムは小さくニコッと笑った


「分かった.....一緒に戦おう」


俺も覚悟を決めてそう言った


「んじゃ......こっちも遠慮なく攻撃ができるなぁ......」


「......ッッッッッッ......⁈」


キィィィィン


俺は白髪の攻撃を紙一重で防いだ


「シャム........!」


「分かったわ.......ウォーターショット........!」


「うおっっ.........⁈」


俺とシャムの連携がうまく決まったが白髪は致命傷は器用に当たらないようにうまく避けていた


だが俺は白髪が一瞬怯んだところで懐へ入り思い切り殴り飛ばした


「.....ブッハッッッッ......⁈」


白髪は今の攻撃で気絶してしまったようだ


この機会を狙って白髪を縛りつけた


「こいつなんだったんだ......?」


「盗賊にしては弱かったみたいね......本当になんなのかしら?」


「ウッ......うぅぅ.....」


あれから3分くらいして白髪が目を覚ました


「お?目が覚めたか?」


「はッッッ......⁈」


状況を理解したのか急に焦ったような表情になった


「大丈夫だ.....取り敢えずは殺さない.......ただ色々と情報吐いてもらうぞ?」


と言うと白髪は驚いたような表情になった


「なんの情報が欲しいんだ......?」


想像していたよりもあっさり情報を吐いてくれそうだ


「まずお前はなんで俺たちから物を盗もうとしてたんだ?」


こんな質問をした理由は単純だ、1人の冒険者じゃなくて2人組の冒険者を狙ったと言う点が気になったのだ。少し歩けば他の冒険者もいる。そして当然その中には1人で冒険している冒険者もいる......そんな中俺たちを狙ったと言うところが気になったのだ


「あぁ?......そんなん決まってるだろ.....1人で行動している冒険者はそれだけの実力があってそれだけの自信を持てるほど強いからだ。それならリスクを冒してまでそんなのを敵に回すよりも群がってる初心者2人組と戦った方が勝ち目があって話だ」


「だがそんなことするくらいならモンスターを刈って生活した方がいいんじゃないか?」


「あぁ、そうなんだが......」


と言ってこの先をなかなか言おうとしない


「.....無理に言いたくないならまたいつか話して貰えばいいんじゃない?」


さっきまで黙っていたシャムが急にそう言った


「え?いつか?」


「あ?いつかって.....?」


俺と白髪の動揺した声が同時に出てきた


「仲間はたくさんいた方がいいし白髪さんもその方がお金も稼げるし.....そこでいつかゆっくりと話して貰えばいいし!」


シャムがどう? って言わんばかりに自信たっぷりにそう提案してきた


「白髪が裏切らないと言う確信はないしリスクを考えるとなぁ」


「俺は別に今まで通りこんな感じでやっていけばいいんだが」


「よし!じゃあ自己紹介ね!私はシャム・ウィン・ミアプラよ」


あれ?話聞いてたか......?


「「..........」」


「ほら、レイ?自己紹介は?白髪さんも!」


半端シャムが俺の自己紹介をしながら俺と白髪が口籠もっているとシャムがむっとしてそう言った


「お、俺は前洞怜だ」


「チィッッッ.....俺はアル・クトゥルフだ」


「2人ともありがと!じゃあアルね?よろしく!」


2人が自己紹介を軽くするとシャムはとても嬉しそうにそう言った


「おぉ、アル.....よ......よろしく」


「チィッッッ」


「アル......?」


「クソッッ.....ヨロシク......」


アルが舌打ちをしたがシャムが呼んだら案外素直に挨拶までした.......そりゃぁさっき一撃で負けてたしなぁ


と言うことで仲間が1人増えたのだった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ