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第五話 魔法

翌日となり、俺は復習として、庭で魔法の勉強をしていた。

シンシア先生に教えてもらった通り、体内にある魔素を手から出すというイメージをし、そして詠唱を唱える。


「ふぅ…。『微風ブリーズ


そう唱えると、そよそよと風が吹いた。


「『氷塊アイス・ブロック」』


そう唱えると、氷海が出現し、空中から落ちる。


ドスン!


という音が鳴り響いた。


(あ、まずい…)


「ノイーズお嬢様、どうかなさいましたか!?」

「ぅえ!?い、いえ!何も!」

(早くね!?)


三つ編みをしているメイドさんが駆けつけてくる。この人は厨房を掃除する人なのに、こんなに早く来れたのか、聞きたいが、流石にそんなことは聞けないだろう。


「ノイーズお嬢様!」

「ご無事ですか!?」


さっきの音を聞いたメイドさんたちは、慌てて庭へと出てきた。

これ以上まずいと、俺は何故こうなったかという理由と、誠心誠意謝った。

メイドさんたちは、「はぁ……」と力が抜けていた。

本当にごめんなさい。


どうやら、本気で心配してくれているようだった。

魔素の調整をしなければ、と反省する。



ーーーーーーー



そして翌日。今日も魔法の勉強をする。今日はシンシア先生が来ていたので、先生の指導に従っていた。


「今日は中級魔法の勉強をしましょう」

「はい」


と、短く返事をし、シンシア先生に教えてもらう。どうやら今日は、風魔法の中級をするらしい。


「やり方として同じでございます。魔素を手から出すというイメージをし、そして詠唱を唱える。ですが、一つだけ違う場所があります。それは、魔素の調節です。見ててくださいね」


シンシア先生はそう言った後、右手を前に突き出し、そして目を瞑る。


「『突風ガスト』」


シンシア先生がそう唱えると、突然強い風が吹き始める。


「あ、あの、シンシア先生!?まずいですよ!」

「そ、そうですね!『プロイベーレめる』


先生はそう言ったが、既に庭は大変な事となっていた。

慌ててやってきた、屋敷にいた人たちは、状況を見る。

シンシア先生は父様や母様に、精一杯に謝った。もちろん、二人はカンカン。

首を切られそう(仕事をクビ)になりそうだったが、俺は止める。


『あの、お父様、お母様。先生は危険な魔法を教えてくださいました。もしかしたら、命に関わることかも知れません。それを幼少の頃から学ぶと、危険なことは少なくなると思いませんか?』

『いや、しかしだな』

『これも教育です。危険な目に合わせないための』


お父様はうーん、と唸った後、シンシア先生に釘付けをする。

まぁ、言ってることはこれでいいのかな?

とも思ったが、結果がいいなら、それでよし。


ーーーーーーー


その日の夜として、ノートに書き記した。魔法の仕組みなど。


『魔法は、魔素と術式を合わせ、詠唱を唱える事で、魔法を放つことができる。魔素を自分でコントロールすることが出来れば、上級魔法を放つことができるため、汎用性が高い。だが、未だにそれをコントロールできないため、改善必須』


と、今までの改善点を書いた。読み書きもまぁまぁ出来るようになってきたが、やはり難しい。

それに関しては徐々に覚えてあげればいいだろうと、そんな風に思った。


この小説の世界はファンタジー小説でもある。

貴族もいれば、魔法も存在する。

ノイーズは魔法の腕は、一番いいと言われており、魔法の腕が乏しいセレーネはノイーズから嫌味を言われていた。

ノイーズとセレーネは学院は一緒。その為、いじめの標的だ。ノイーズの取り巻きたちからも、壮絶ないじめに遭うも、それを見たノイーズの婚約者の兄弟たちが、セレーネを庇い、学院でも仲良く過ごす。だが、女の嫉妬はひどく、いじめはエスカレート。自殺をしようとしていた、セレーネを止めたのは、ノイーズの婚約者である、オーティス。

と言うのが、最初の始まり。

その後、オーティスはそのままセレーネを見捨てることができず、ノイーズに直談判した。

だが、ノイーズは受け入れられず、終いにはセレーネに「泥棒猫!」と蔑み、生き恥を掻かせる。


と言うのが次の展開である。だが、俺はそんなことしたくないし、推しを虐めたくもないし、そうなったしまえば、死刑にされる。


最後の展開は見たことはないが、おそらくセレーネとオーティスは最終的に結婚するだろう。想像だが。


そんな小説の話が次々と、脳裏に思い浮かんでくる。

話を戻そう。ノイーズは腕がいい。それは変わらない。俺も努力をすれば、ノイーズと同じくらいの魔法の腕を磨けるかも知れない。


それに、ファンタジー世界は男のロマンのような気がする。魔法を放ったりと、それは憧れだ。


覚えるのも損はないだろうが、と思いながら、机の椅子から立ち上がり、ベットに横たわる。そしてそのまま、目を閉じ、今日の一日がまた終わる。

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