表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/52

第18話 地獄よりの憤怒

アブソルート・ディザイア第18話を閲覧していただきありがとうございます!


ここから始まる俺強無双! そして溢れ出る厨二ネームの嵐

ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです!


よろしければ最後まで読んでくださると嬉しいです!

フォルカの宣言を受けて、『憤怒(ラース)』が口を開く。



『それが行き過ぎた想いであったとしても貫く覚悟はあるか?』


「あぁ……平穏な世界に向けて、この覚悟は一生貫いてみせるよ」


『その「平穏な世界を作りたい(渇望)」と「非凡な人生を強いる()者達を根絶する()」、宣言通り一生貫いてもらう』



 『憤怒(ラース)』が言うと、フォルカの右手が黒く光りだし、呪いの刻印が広がっていく、刻印は右腕全体とフォルカの背中の右半分にまで達したところで広がりをとめた。



「……なんか変わるのか?」


『今フォルカが決めた「平穏な世界を作りたい(渇望)」と「非凡な人生を強いる()者達を根絶する()」これらは今後制約(ルール)のようにフォルカを縛る。自らが定めた欲望(ディザイア)から逸れることは許されぬ……その制約(ルール)の縛りが重ければ重いほど、我ら『八罪呪源(アマルティア・オクト)』は真の力を発揮できる』


「『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』ってやつとは違うのか?」



 『憤怒(ラスト)』が返答しようとした時、我慢できなかったのか『嫉妬(エンヴィー)』が大きい声をだして介入してくる



『『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』とは違うんだよ! そもそも制約(ルール)を決めずに力を使ってたから罰として代償があったんだよ~』


「最初に教えといてくれないのかよ」


『教えちゃいけないルールなんだっ!』


「そうなのか……」



 俺が「平穏な世界を作りたい(渇望)」と「非凡な人生を強いる()者達を根絶する()」っていうのを目指すのを前提でさらにルールとして細かく条件を作らなくちゃいけないのか……雰囲気的に破ったら死ぬぐらいのリスクがあるってことっぽいし、そして『八罪呪源(みんな)』の真の力ってやつを使うには定めなきゃいけないってことなんだな。思いつく限り言っていくか。



「まず1つ目……俺が悪と定めた者は絶対に見逃さないこと」


『根がどんだけ良い人でも?』


「あぁ……傲慢かもしれないけど、どんな形であれ、その悪の心は俺が裁くよ」



 『嫉妬(エンヴィー)』がしっかり聞き返してくれるから考えながら言うことが出来る。他の連中を見ると、話す気はなく『嫉妬(エンヴィー)』に任せると言った感じで静観している。



「そうだな…これはルールになるか分からないけど、『八罪呪源(みんな)』以外の力はいらない」



 その言葉を口にすると、静観していた連中も、話をしてくれていた『嫉妬(エンヴィー)』も少し驚いたような雰囲気を出した。そんなヤバいことだったのか?



『ふふっ……私たち呪いの力以外はいらないって言うの? もっと凄いのに目覚めるかもしれないし、貰えるかもしれないんだよ?』


「この誓いは皆だけにするもんだと思ってるし……『八罪呪源(みんな)』が居てくれれば大丈夫」


『さっすがフォルカだね!』



 『八罪呪源(みんな)』に向けて8つの制約を作った。

①自身が悪と定めた者を見逃さず、裁くまで追い続ける。

②『八罪呪源(アマルティア・オクト)』以外の力の拒絶。

③「平穏な世界を作りたい(渇望)」を八罪以外に語ることが出来ない。

④種族を問わず、未来ある子どもたちのピンチは見過ごさない。

⑤種族問わず、差別や迫害、非常に目に合っている者に手を差し伸べる。

⑥どんなに強大な悪でも自らの手で裁く。

⑦平穏を目指す者を大事にする。

⑧「平穏な世界を作りたい(渇望)」と「非凡な人生を強いる()者達を根絶する()」に対して、自ら完全に逸れた時、即死する。



『すっごーい! いきなりこんなに厳しく定めるのなんて聞いたこと無いよ!』



 玉座の上で『嫉妬(エンヴィー)』がはしゃぎながら言う。相当面白おかしかったのか『強欲(グリード)』がギャハギャハと笑う声も聞こえる。

 そんなにやばかっただろうか? その雰囲気を正すように、今まで一言も発しなかった呪源が口を開いた。



『……これで真に我らの使い手になった』


「やっと……声が聞けたよ『傲慢(プライド)』」


『やりたいことと制約決めるまでは黙ってるって決めてたぽいからね! ん~『嫉妬(あたし)』・『傲慢(プライド)』・『憤怒(ラース)』とは、すっごく相性抜群で『色欲(ラスト)』・『強欲(グリード)』とはまぁまぁ良くて、『虚栄(ヴァニタス)』・『怠惰(スロース)』・『暴食(グラトニー)』とはイマイチだねぇ~』



 フォルカは内心相性なんてあったのかよって思ったりしたが、自分の欲望と渇望、制約の内容で相性があるんだろうなと察した。



『相性抜群で、フォルカの魔力量的に、あたしとなら今すぐにでも『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』できそうだけどね!』


「そういうもんなのか、まぁここにいる分には時間があまり経過してないんだろうからいいけど……速くあの黒いのを倒さないとな」


『そうだねぇー! では我らが真の使用者の新たな門出を祝いましょう!』



嫉妬(エンヴィー)』の一声が聞こえた瞬間、意識が遠のく感じと同時に、呪いの刻印が背中半分だったのが、背中全体になり、左腕全域にも広がっていくのを感じた。










 気付けばフォルカの観ていた景色は戻っていた。

 標的を見失って困惑していたのであろう黒い天使が、発見したという感じでプカプカと近づいてくる。

 時間が10分の1程度しか経過してないのも驚くし、呪いの刻印が広がった場所が少し痛いのも気になるんだよな。


 でも、改めて状況を振り返ると沸々と怒りがこみあげてくる。



「……狐面、見つけたら容赦しない」


『よい覚悟だ』



 後ろから声をかけられて振り向くと、今まで一度も使わせてくれなくて呼んだこともなかった『憤怒(ラース)』がそこにはいた。

 精神世界で玉座に座ってる状態で話したことは、さっきを含めてあったけど現実世界で話をするのは新鮮だけど……勝手に出てこれるの?



『私と『傲慢(プライド)』は少し特殊でな……それより、フォルカの欲望が『憤怒(わたし)』由来というのもあり、5分間だけ特別に『憤怒(わたし)』の『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』を使わせてやろう』


「それは制約を決めたとき限定のサービスみたいなものか?」


『そうだ、フォルカが決めた『欲望(ディザイア)』の元になった感情に合わせて、我らの中から1体がサービスしようとなっていてな』



 優しく微笑みながら真面目に説明をする『憤怒(ラース)』、フォルカのイメージとは全然違い印象で、『憤怒(ラース)』に対して失礼とは分かっていながらも困惑を隠しきれないフォルカ。



『私は怒りの罪だが、常々怒っているものではない。フォルカの『欲望(ディザイア)』が『憤怒(わたし)』由来と言うことは、フォルカは『憤怒(わたし)』との相性が良く、フォルカの抱く感情は『憤怒(わたし)』にとっては酷く心地よいのでな、それに我らに対してあそこまで制約を作り覚悟を見せたのだ、皆感心している」


「俺の思ってること全部バレちゃうんだな」


『フォルカの中に我らは存在しているからな。今頃『嫉妬(エンヴィー)』が私に対して怒り狂っているだろう』



 体の刻印から何か青黒い魔力が溢れだしそうで恐ろしいが、時間がないようだし、『憤怒(ラース)』を使ったこともないのに、いきなり『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』だなんて難易度が高そうなことをやるんだ、集中しないとな。



『『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』は簡単に言えば、それぞれ契約した呪源の本当の姿を解放することだ。普段使っている力とは別物だから、そこまで緊張することはない』



「……ありがとう、『憤怒(ラース)』」


『私の『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』は難しくない、さぁフォルカ、頭に浮かんだ言葉に魔力を乗せて唱えるだけだ』



 『憤怒(ラース)』がフォルカの肩に手を置いて、まるでリラックスさせるようにアドバイスをする。


 フォルカは魔力を練り上げ、頭に浮かんできた言葉を口にする。



呪罪真名(トゥルース・シン) 至高なる地獄の支配者(サタン)



 そう唱えた瞬間、俺の後ろに居て、肩に手を置いててくれた『憤怒(ラース)』から凄まじい魔力の放出と、辺りを覆いつくす威圧感を感じた。


 後ろを振り向けばとても上品に笑う『憤怒(ラース)』がいた。

 その姿は変わっていて、12枚の黒い羽根が体から少し離れた場所から生えていて、黒いドレスは鎧が少し追加されており、頭の上には真っ赤な魔力で出来た輪が回っており、懐かしむように自分の身体を確認していた。



「なるほど……『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』ってのはそういうことなんだな」


『ふむ……我らが背負う罪の形ではなく、本来の真名での状態のことだ』


「…だから難しくないって言ったのか」


『私の『呪罪完全契約テリオス・シンヴォレオ』は『至高天・堕天奈落輪廻(パラダイス・ロスト)』と言って、フォルカが怒りを向けた者を私が地獄に落とすだけのことだからな』


「……それが本当の姿で本当の名前」


『そうだ…時間がないぞ?』



 そうだったと思い、黒いやろうに何かしてやろうと振り向いた時。

 すでに黒いやろうが斧を振り被って笑っていやがった。



ーーガキンッ



 振り下ろされた斧は気付いたら俺の正面にいた『憤怒(サタン)』の右手に掴まれていた。



『この程度の玩具で我らが怒りに対応しようなぞ…片腹痛い』



ーーパキッ



 『憤怒(サタン)』が掴んでいる斧に罅が入り始める。そんなに強く掴んでいるようになんて見えないのに。


 黒い奴は反対の斧を叩きつけようと振り上げている。


「ァァァ…ァァア」


『出来損ない如きが、塵になれ! 奈落天(ならくてん)黒縄地獄(こくじょうじごく)



ーーピタッ



 斧を振り下ろそうとしていた黒い天使は動きを完全に停める、燃えて動いているはずの魔力の火まで完全に動いていない。


 数秒後、黒い天使の身体に異変が起きる。


ーーパキッーパキッ!


 黒い天使の身体に罅が入り、サラサラっと粉のようになって少しずつ崩れていく。


 『憤怒(サタン)』が放った『奈落天(ならくてん)黒縄地獄(こくじょうじごく)』それはフォルカが怒りの感情を向けている対象を『憤怒(サタン)』が視認することで完全に動きを停止させる技。

 視認された対象は動きを停められた後に「動きたい」と想ってしまうと、対象の身体は砂鉄となり粉々になり消えていくっという地獄を味合わせる技である。

 この技は動かないと他の技で地獄をみせられ、動こうと思っても身体が粉々になってしまう食らえばそれで戦いが終わるレベルの技である。



傲慢(プライド)以外の連中が格が違うって言ってたのは、こういうことなのか)


『さぁ…時間が無いぞフォルカ』



 何故か羽が生えて飛べるようになっていたフォルカは、もう1体の黒い天使の気配を感じる場所へ急いで向かった。


 


 

最後まで閲覧していただきありがとうございます!


固有厨二ネームが多くなってしまい申し訳ありません! 最初の解放は、憤怒が良いなとずっと決めて書いてきましたが、ようやく出すことが出来ました! 金髪クーデレ姉ちゃん最高!


読者様からのブックマーク登録や評価、大変励みになっております! 面倒なことかもしれませんが、少しでも面白いなと思っていただけたらぜひ! お願いいたします!


次話 第19話 最後の願い


次話もお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ