冒険者ギルド2
なんだかんだで、冒険者についての説明は2時間近く続いた…。
ダイルンさんがめんどくさそうな感じだったのが分かった気がする…。
それにしても、Gランクの依頼は街中での雑用のみってのは驚いた。
街中での雑用って冒険者の仕事じゃないんじゃない? って聞いたら、職にあぶれて街に長期で滞在する為の身分証を得るために冒険者となる人間も多くそんな人達に仕事を斡旋する役割もあるとの事、そして調子に乗って街の外で魔物を討伐しようと背伸びをし死傷する人も多い為、Gランクは街中での仕事のみとなり、その間にギルドで行われる実践訓練などをして実力をつけ死亡率を減らす為との事。
まあ確かに、調子に乗って武器や防具を揃えて街の外に魔物狩りに行ってそのまま魔物の餌になるとか普通にありそうだし…。
そして、カトレアが驚いていたのは最初に冒険者登録をした名前は特別な事情が無い限りは変更不可との事。
昔、悪さをする度び名前を変える冒険者が多く居たたため、禁止になったとの事。
いや、カトレアが驚く以前に、ファインじゃなくてカツヒコで登録しちゃった自分の方が深刻だからね?
その後、受付カウンターに向かい、冒険者証を受け取って魔力測定とスキル判定を行う。
魔力判定はなんか50センチくらいある赤い液体の入った1~10まで数字が入った温度計みたいな物に魔力を流すことでどの程度魔力があるか分かるらしく、カトレアは8、自分は4との事だった。
受付の追い姉さんもカトレアが魔力を流した時に8の所まで赤い液体が行ったことに驚き、壊れてないか何度も確認していたけど、新しい物を持って来ても8だったのでかなり驚いている感じだった。
まあカトレアさんは元ノーライフキングさんだからね。
むしろ人間に戻って魔力が減ったぐらいなんじゃない?
そして自分は4だったけど、これも15歳にしては高いらしくカトレア程でないにせよ多少驚かれた。
話によると中堅冒険者と言われるC~Eランク冒険者でも魔力測定で4以上を出すのは稀らしい。
ただこれは人によって倒した魔物の魔力を吸収した際、魔力が身体能力向上に作用するか、魔力量に作用するか違うらしいので、自分達の場合はただ魔力が普通より多いというだけと判断されるだけで何かしら優遇などはないらしい。
そしてスキル判定、これは箱型の機会の上に手を置き、魔力を流すと中に入っている紙に自分のスキルが印刷されるとの事。
手を置いて魔力を流すと、自分のスキルの書かれた紙が箱からてくる。
【スキル】
《剣技3》 《槍技1》 《弓技1》 《短剣技2》 《斧技1》 《投擲技1》 《盾技1》
《格闘技1》 《魔力操作3》《創造魔法1》 《火魔法2》 《水魔法2》 《氷魔法2》
《風魔法2》 《雷魔法2》 《土魔法2》 《光魔法2》 《身体強化2》 《異常耐性1》
《結界魔法2》 《魔法耐性2》 《物理耐性1》 《空間魔法・特》 《治癒魔法3》
《解毒魔法2》 《浄化魔法3》 《魔纏2》 《探知2》 《隠密1》 《危険察知2》
《暗視1》 《逃走2》 《忍耐3》 《マッピング2》 《解体3》 《木工1》
《石工1》 《農業2》 《手芸1》 《採取2》 《裁縫1》 《絶倫1》 《接客2》 《調理2》 《木登り2》 《地形把握4》 《交渉術6》 《算術8》 《礼儀作法3》
《鑑定・特》
意外と思ったより少なかったな…。
器用貧乏ってだけあってもっと無駄なスキル多くあると思ってたんだけど、恐らく数字が高い物は前世の経験を引き継いでいるんだろうけど、なぜに絶倫ってスキルがあるんだ!!!
っていつ取得したの? まだ自分この世界では一回もした事ないんだけど…。
それと気になるのは(特)とついている物、多分数字はレベルか熟練度だと思うけど特って?
鑑定はスキルの書で自分の思い描いた鑑定をスキルとして取得したけど、それが特なのか?
なら何で収納魔法に特が付いている?
そんな事を思っているとカトレアもスキル判定を終わらせたようで自分のスキルが書かれた紙を取り上げカトレアのスキルが書かれた紙を渡してくる。
いや、普通に見せ合いっこしてもいいもんなのこれって?
そう思いながらもカトレアのスキルが書かれた紙に目を落とす。
【スキル】
《剣技8》 《槍技5》 《弓技3》 《短剣技6》 《投擲技5》 《盾技3》 《格闘技6》
《魔力操作9》 《火魔法7》 《水魔法5》 《氷魔法4》 《風魔法6》 《雷魔法4》
《土魔法5》 《光魔法8》 《身体強化8》 《魔纏8》 《異常耐性7》 《結界魔法8》
《魔法耐性7》 《物理耐性5》 《指揮7》 《探知7》 《地形把握6》 《隠密5》
《危険察知5》 《遠視5》 《交渉術5》 《算術4》 《礼儀作法8》
う~ん、自分より少ないけどレベルだか熟練度は断然自分より高いよね…。
「カツヒコ、あなたスキル多いわね…。 これが器用貧乏の効果なの?」
「多分そうだと思う。 取得するのは簡単なんだろうけど、無駄に多くなる分全体的に低くなるのかな?」
「なに? その疑問形は、まあ確かに色んなスキルを覚えればそれを高めようとした時膨大な時間がかかるから、中途半端になるかもしれないわね」
そう言いながら自分のスキルが書かれている紙を帰してきたカトレアが受付のお姉さんになんか絡みだした。
「とりあえず、Gランクで受けられる街中の依頼じゃなくて森での採取や狩猟が出来る依頼を受けさせて!」
そう言ってカトレアは自分のスキルの書かれた紙を受付のお姉さんに見せてなんか詰め寄っている。
「そう言われましても、基本的に最初は皆さんGランクの依頼から受けてもらってますし、いきなりFランク以上の依頼と言われましても…」
「このスキルと魔力量見たでしょ? なのに街中での依頼を数こなさないと他の依頼受けられないってどういう事?」
「そう言われましても…。」
そんなやり取りをしていると、先程の講習をしていたダイルンさんがため息をつきながらやって来た。
「お嬢ちゃん、さっき説明しただろ? なのももう忘れたのか?」
「さっきの話は聞いていました! ただこのスキルと魔力を持っているのに街中で雑用をしろと言う方が可笑しいと言っているんです!」
そう言ってダイルンさんにスキルの書かれた紙を見せるカトレアだけど、自分のスキルが書かれた紙も取り上げてみせるのはどうなの?
そしてスキルの書かれた紙に目を通したダイルンさんは驚いた顔をし何か思案顔をしています。
「どう? これでも街中で雑用をしろと言うの? それに私とカツヒコは墳墓のダンジョンの100階層まで行って帰って来てるのよ!」
「墳墓のダンジョン? あのハズレダンジョンか? 100階層まで行ったのは凄いが自慢にはならんだろ」
そう言って若干呆れているダイルンさんに墳墓のダンジョンの100階層には3重の結界があってノーライフキングが閉じ込められていた事、またその結界の影響で魔力がダンジョンの上層階に流れなかった事で弱いスケルトンしか居なかった事を伝え、マッピングした地図と、100階層で得た宝石類と魔道具類の一部、そしてダンジョンの核を見せる。
夕方になりギルドに併設された酒場には人も多く居る為、アイテムボックスから出した品々を見てギャラリーが騒ぎ始めてる。
「おいおい、ホントかよ…。 宝石類に魔道具、どれも相当高位の物だぞ! それにダンジョンの核、ここまで育ってるのは早々ないぞ!! だがいくら何でもノーライフキングが居たならそれを倒したって事だが、お前達に倒せるとは思えないな、普通ならギルドの高ランクパーティー複数か国が軍隊を送り込むレベルだぞ!」
「そうですね、まあ戦って倒しては居ないです。 なんかノーライフキングさん400年以上結界に閉じ込められていたみたいで暇だし疲れたから浄化してって言われたんでこの短剣を使って浄化しました」
そう言って神鉄の短剣をダイルンさんに見せる。
「これは…、普通の金属じゃないな。 これでノーライフキングを倒したのか?」
「倒したというか、横になって浄化してと言ってるノーライフキングさんの胸にこの短剣を刺して浄化魔法を流し込んだって感じ…」
「う~ん、確かに現物を見るとウソだとも言えんしな…。 だがそのノーライフキングの魔石はどうした?」
「それが刺した場所に魔石があったみたいで何も残らなかったんですよ…」
そう言うとダイルンさんはそうかとだけ言い、再度何か考えだします。
「よし、お前達みたいに直ぐに町の外での依頼をとか言う奴の為に用意している試験を受けさせてやる。 それと墳墓のダンジョンの話が本当かギルドから調査員を出す。 本当だと判明したらこの地図はギルドで買取をしよう。 まあ調査が終わるには時間がかかるからまずは試験だがな…」
そう言うとダイルンさんはニヤリと笑い試験内容の説明を始めた。
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と思う今日この頃…。
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