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04 他人事
異世界カルセル・リックの英雄は人格に問題があった
「あー面倒くせぇ、だりぃ。物運ぶとか人間のやる事じゃねぇよ」
「いや、人間のやる事だろ。物運ばなかったら、お茶碗とか持てないぞ」
「細けぇ事突っ込んでくんじゃねぇよ。お前は姑かおかんか」
「いや、普通の事だとおもうんだけどなぁ」
しかし、腕は確かだった。
「ち、敵が囲んでいやがる。この数だと、3分もかかんじゃねぇか。勇者に労働させんなよ」
「3分は労働のうちに入んないと思うぜ。ていうか勇者が働かなくてどうするつもりなんだ、この駄目おっさん」
「だれがおっさんだ」
こんな風に、アッシュは様々な脅威から完璧に人々を守り切っていたのだが、拓斗達を召喚する前にちょっとした問題が発生したらしい。魔王を倒す為に、人々の手を借りなければならない事態が訪れたのだが、危機感のない者達の心を動かすのに四苦八苦していたという。
「勇者様に任せておけば大丈夫よ」
「だって、絶体絶命だといわれたクライスブリッジでの戦いでも、勝利されてたんですねってね」