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Season  作者: 田中 遼
7/67

合戦の結末


華が見事なコントロールで、三発か四発翔太の頭に続けざまに雪玉を直撃させた。

翔太は大げさな身振りで倒れ、そこで合戦が終わった。


「大丈夫?」


華はクスクス笑いながら翔太に駆け寄った。

彼は暗い顔をしていたが、怒ってはいなかった。


「全っ然、大丈夫じゃない!」


「大丈夫みたいだね」


華は朗らかに笑った。


「さ、お願いを聞いて貰おうかな」


「はい?」


華は翔太にウィンクを返した。

そして彼がたじろいでいるうちにさらに言った。


「一つ目は……」


「オイコラ」


翔太がぶるぶる頭を振りながら遮った。


「なんだ、その「一つ目」ってのは。てかそもそも、願い事聞くなんて言ってないよ!」


華はニッと笑って人差し指を立てて見せた。


「敗者に文句言う権利無し!」


二人はしばらく睨みあっていたが(とはいえ、二人とも口元が笑いをこらえようと頑張っているのがすぐ分かる)、最後には翔太が折れた。


「……わかったよ。ただし、一つだけだよ」


「え!? 普通、三つ位でしょ」


翔太は目を細め、無言で華を睨んだ。

しかし彼女はちょっと顔をそむけて空咳をしただけだ。

誰から見ても笑いをごまかした咳だった。

華はニヤつきながら翔太に顔を向けた。


「じゃ、間をとって二つね」


「ちょっ……」


「一つ!」


翔太は黙らされてしまった。口をぱくぱくさせて華を見つめている。

華は続けた。


「まず、雪だるまの頭を作るの手伝って」


翔太は「まぁいいか」と思い、肩をすくめて異議がないことを示した。


「……で?二つ目は?」


「それは後でね」


華は片目をつぶって見せた。

翔太は今度は「やれやれ」というように肩をすくめてから、雪玉を作り始めた。






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