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見つめ合う二人
心を決めてから、またうまく笑えるようになった。
大丈夫と思えた。
初めの瞬間と同じことだ。
ただ、自分の直感を信じればいい。
だから、大丈夫。
ここじゃない気がした。
今じゃない気がした。
あの場所。
二人の場所がある。
あの場所でなら、何一つ迷わずにいられる。
「運命」や「偶然」、「奇跡」なんてものを期待したことは一度もなかった。
自分たちは、自分たちで選んでみせる。
流されるのではなく、引きずられることもなく、自分の意思で、自分の足で、その道を歩んでいく。
だから、今じゃない。ここじゃない。
自分達の知っている何かを信じていよう。
(必ず、行くから)
翔太は思った。
(うん、絶対待ってる)
華は思った。