第一話
初めまして、涼と申します。初投稿です。
なにぶん初めてのため使い方がまだ完全に把握出きていないことと、稚拙な文章で読みづらいとは思いますが、自分の思い描いた恋愛話を書き付けていきたいと思います。
誰かに読んでもらいたい、という思いよりもただこの話をどうしても書きたかったという思いが少しばかり強かったので、色々思うところがあっても見守っていただければ幸いです。
僕は全ての人に優しくなろうと決めた。
決して報われない恋をしてしまった、あの瞬間から。
僕、衛藤善人は、永明大学に通う大学三年生。今日もいつも通りに大学を終えて、アルバイトのために最寄りの駅までのんびりと歩を進めていた。
「よーっしーー!」
その時、後ろから元気よく僕を呼ぶ声がした。それに応じて振り返ると、少し背の低い女の子が笑いながら僕の元に駆け寄ってくる姿が見えた。
「篠宮さん…、どうしたの?そんな大きな声出して」
軽く笑顔を浮かべて返すと、彼女は意に介した様子もなく僕の腕にしがみついてきた。大学の敷地内でこんなことをされると、周りの人達にそういう関係と思われてしまうからやめた方がいいと思うんだけどな…。
この子の名前は篠宮茜。僕と同じ大学に通っていて、最近始めたバイトを通して知り合った二つ年下の女の子。見た目は大学生にしては少し幼く童顔で、やや小柄な僕と比べても頭一つ分程の身長差があり、中身もまた元気さの塊というか我が儘な感じで大人びた様子はあまり見られない。
篠宮さんとは好きな人がいる、と言うことでその惚気を聞いている内に仲良くなり、今ではこの子の相談役という名の惚気られ役になっていた。因みにさっきの「よっしー」というのは、善人という僕の名前から彼女がつけたあだ名のことだったりもする。
「よっしーがいたから呼んだだけだよ、ねえねえこの後バイト?」
「うん、6時から10時まで入ってるよ。何で?」
「んーん、別に何もないよ。ただ暇かなぁーって思っただけ〜」
その言葉に苦笑する。彼女は暇になると僕を呼んでは、何をするでもなく時間潰しに付き合わせてくるのだ。そしてすることが無いと相変わらず惚気を始めてくる。別に嫌ではないんだけどさ。
「ごめんね、じゃあバイト終わったら連絡するからさ」
「はーい、暇だったら電話するね〜」
「いいけど、せめて一回電話するって言ってからにしてね?急にかけてこられると凄く焦るから」
「んー、考えとく」
いや、考えるだけじゃなくてちゃんと約束してください。君の考えとくは大学生の「行けたら行く」くらい信用出来ないからね。
心の中でそう呟きつつ、駅のホームで電車を待つ。バイト先はここから電車で10分程の場所にある為時間にはまだまだ余裕があった。けれど何かすることがある訳でもないので、少し早めに行ってもいいだろう。
「あ、そういえば今日倉橋君もシフト入ってたよ」
そこで僕はふと思い出し、篠宮さんにそう伝える。これもまたお決まりの会話というか、僕から話を振る時は大体彼の話から入ることが多い。
この倉橋君というのが何を隠そう、篠宮さんの想い人である。
「はー!?よっしーずるい!最近茜、倉橋さんと全然会ってないのに!」
「それは僕に言われても困るというか、そもそも二人共シフト全然入れてないのが悪いんじゃ…」
まあ、三年生にもなり時間割に余裕ができた僕ならともかく、まだ一年生の彼女と二年生の倉橋君じゃ仕方ないとは思うのだが。ただそうだとしても僕が文句を言われる筋合いはないと思う。
そうは言っても、それで納得する彼女ではない事はよく知っているわけで。
「そんなの言われても仕方ないじゃん。いーなー会いたいなー」
などと、何故か僕が悪い体で話が進んでいる。何だろう。慣れたけどこの扱いは泣いてもいいんじゃないかな。
そんなことを考えている内に電車が到着したので乗り込む。中は少し混みあっていて、篠宮さんが僕にもたれかかるようにして立つ形になっていた。それに動揺した僕は、
「あ、えっと篠宮さん、僕とはいえあまり男にひっつくのは良くないよ…」
なんて、あまりにも見当違いなことを口走ってしまった。
「え?いやだって混んでるし、こうしたくてしてる訳じゃないし」
篠宮さんはじと、と冷めた目を僕に向ける。それもそうだ。僕は何を言っているんだろう。第一篠宮さんにとって僕はただの男友達だし、そんな目で見てないのだから逆に困るに違いない。
「ごめんごめん、僕があまり慣れてなかったから、つい」
「まーいいけど。それより茜もお店行く!倉橋さんに会いたいし!」
「うん、いいと思うよ。なら一緒に行こうか」
この時、倉橋君の話を彼女がする度に感じていた胸の痛みの意味を。
僕はまだ知る由もなかった。