チーターはチーズが好き
第一章
第一話
『チーター』それは、ネコ科であり、【世界最速】の生き物である。その姿は、見たら生涯忘れることのないヒョウ柄をしている。奴らは日々、その見た目と足の速さを武器に獲物を狩る。狙った獲物は逃さない。その肉を食らうまで。 そして、 いつかは、……………………………『百獣の王』さえ噛み殺すかもしれない…………………………。
*
「ううううううううううううううううううううう」
その呻き声にも似た声を出しながら彼は目を覚ます。
目を開けあたり一面を見回すと、古くさび付いた折に囲まれていた。だが、彼は慌てない。それもそのはず。彼は生まれた時から折の中で暮らしている。だからこの景色も当たり前のこと。全く気にならない。あえて一つ気になることと言えば、折がさび付いていることくらいだ。
「はあ〜〜〜〜〜、今日もだり〜〜」
彼は手の上に顔を乗せ、うつ伏せの状態でため息をつきながらそう語る。
何がだるいのかはさておき、少し”彼,,のことを説明させてくれ。
”彼,,というのは当たり前だが名前ではない。彼の名前は《ヒョウガ》。肌は茶色と黄色のヒョウ柄。「ふわ〜〜」と、あくびをすれば、一噛みで肉を引きちぎれるほどの鋭い牙が見える。彼は一体何なのか。答えを言おう。彼は当たり前だが人ではない。では何か。それは獲物を見つければ食らうまで逃さない世界最速の生き物。《チーター》だ。生まれは”折の中,,生年月日はX年X月X日。今年で17歳だ。ーーーまとめると、”彼,,というのは世界最速の生き物【チーター】で、名前を【ヒョウガ】という。これを踏まえて話しを戻そう。
何がだるいのか、それは簡単なことだ。いまヒョウガがいるところは折の中。もう少し付け加えると、ヒョウガの他に様々な動物が様々な折の中で暮らしている’動物園,の折の中。
つまり、ヒョウガは毎日やって来る客に対する対応がだるいらしい。
それは、今日も同じこと。午前八時。入り口の扉が開くと同時に何十人もの人が入場してくる。
それを見ながらヒョウガは一言、
「腹へったな〜〜」
*
今日もヒョウガの、いや、チーター目当てで客は来る。
気が付けばヒョウガの折の前には三十人くらいの人が集まっている。
どうしてこんなに人気なのか。それについて一人の女性(飼育員)が『ヒョウガ君の説明』と書かれた、木で出来ている看板の隣で説明を始めた。
「みなさんこんにちは。今日も暑い日にようこそ’森野動物園,へ。これからチーターのヒョウガ君の説明をしますね。知ってる人もいると思いますが、このヒョウガ君はチーターでは珍しく、肉を全く食べません。では何を食べるのか?気になる人もいると思いますので、これから実際に朝ご飯をあげたいと思います」
女性(飼育員)が言い終わると、ヒョウガの後ろにある扉から大きな皿を持つ人が二人でてきた。
皿の上には白い固まりが乗っている。チーズだ。
ヒョウガは大好物のチーズに対する喜びより二時間待ってやっと出てきた朝ごはんに対し、 「おせーよ」の一言しか出てこなかった。
実際、「おせーよ」とは人の耳には聞こえない。グルルルルウウウ、とうなり声のように聞こえる。
そのため、人々は違う捉え方をする。
「ヒョウガ君も喜んでますね〜。では、実際に目の前に置いてみましょう」
女性(飼育員)には、喜んでると捉えられたらしい。実際、ヒョウガ自身はおせーよと言ったものの心の中では喜んでいる。だって、大好物なんだもの。
*
ヒョウガは目の前に置かれたチーズを見る。チーターだからということもあり、その目は獲物を狩る目だ。
狙った獲物は逃さないという本能から食べ物を食べる時は狩りをしている感覚になるらしい。
なるらしいというのも、ヒョウガ自身折の中でしか生活をしてこなかったため、この感覚が狩りの感覚なのかわからない。
そして、人々が見てる中気にせずチーズを食べようとした、その瞬間、
「っ!!!!」
ヒョウガは異変にきずく。
思ったことはただ一つ、〔臭い〕ただそれだけ。いや、実際それが問題だった。いつもと違う匂い。鼻が腐りそうになる匂い。その正体は『ブルーチーズ』だった。
「始まりました」
女性(飼育員)の声が聞こえる。
ヒョウガは客の方を見る。客は皆鼻をつまんでいた。さらに女性(飼育員)は話しをつずける。
「今日の大イベント!チーズ好きのチーターヒョウガ君は人間でも抵抗するブルーチーズは食べられるのか?それを今日証明します」
客はおう〜〜と盛り上がる。
(何が、おう〜だ。臭えーー。これがチーズなのか?いつもチーズの匂いを嗅いでいたから気絶するほどじゃなかったもののこんなの朝ごはんに出すか?…でも……………見た目はチーズ…だしな。)
そう思いながら、ヒョウガは恐る恐るチーズに口を当てる。
一口。ガブっと大きなな口でかぶりつく。
客達はまた、おう〜〜と言っている。
味の感想は、
「うまい」
その一言だけ。そこからは無我夢中にチーズを食べた。
その光景を見ている女性(飼育員)が満面の笑みで、
「見てますかみなさん!食べました!食べましたよ!ヒョウガ君は記録を新しく更新しました!チーズの中でもさらに異臭を放つブルーチーズを食べ、完食しました。」
その時だった。ヒョウガの体に異変が起きる。今まで食べてきたチーズの副作用なのか、それともブルーチーズという異臭を放つ食材を食べたせいで体が拒絶反応を起こしたのか理由はわからないがとにかくヒョウガに異変が起きている。体の体毛が痺れたかのようにブワッとなり、体が麻痺し始める。その時にはすでに、盛り上がっていた女性(飼育員)を含む人々がまるで死にそうな人を見ているかのように慌て、混乱していた。
実際、ヒョウガは死にかけていた。手足は動かず声もでない。獣医の人が来て、手当てをしていた。
しかし、原因がわからず何もできていない。走行しているうちにヒョウガの意識が遠のいていく。
そして、…………………………ついに…………………………午前八時二十分……………チーターのヒョウガ君………………………………死亡。
人々は混乱から悲しみえと変わった。そして、ヒョウガの人生は十七歳にして終わった。
*
(暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。ここはどこだ?何も見えない。俺はどうしたんだ?チーズを食べた後の記憶が無い………………。チーズ。そう!チーズだ!あの異臭を放つ臭いチーズを食ってからこんなことになってるんだ!なんだったんだあれ。異臭を放つがうまかった。初めて食べたがうまかった。……………初めて……………そうか!きっとあれは毒だ。あの野郎どもがチーズに毒を持ったんだ。そしてこの景色、状況を考えると、……………俺は、死んだのか。)
ヒョウガは死んだ。チーズを食べ死んだ。
死後、獣医が何時間にもわたり死因を考え導き出した。。そして、国全域に新聞やニュースで発表される。
『今日、午前八時二十分。森野動物園の人気チーター’ヒョウガ,君がブルーチーズを食べ、そのあまりの美味しさに脳内で混乱が起きました。これにより、ヒョウガ君は’ショック死,いや、【びっくり死】してしまいました。』
これが実際の死因。悲しいが悲しくない。なんだろう、少し笑えてくる。そう思うのは僕だけだろうか?だって、、、、、、、、びっくり死って、、、ふ、ははははっはははははははははは〜。……………すまん取り乱した。話しを戻そう。ヒョウガはびっくり死で死んだ。だが、悲しまないでくれ。これで終わったわけではない。肉体は死んだが魂は生きている。つまり、、、、、、これから先は予想できたかな。ふふふ、これから先はヒョウガの人生を大きく変えることになる。何が起きるのか。それはもう少しこの物語を見てからのお楽しみ。
*
(は〜〜俺の人生も早かったな〜〜俺は今天国に向かってるのかな〜〜、、、、、、、、、、、、、、、、、、おっ!光だ!,これで俺は終わるのか。あばよ世界。あばよチーズ!)
そして、ヒョウガの魂?は光の中に呑まれた。
*
「ううううううううううううううううううううう」
そのうめき声にもにた声を出しながら彼は目覚めた。あたり一面を見回すとそこは建物と建物の間の路地裏のように見えた。彼は驚いた。それもそのはず。いつもは目覚めるとさび付いた折に囲まれていたからだ。なのに今は折がない。そして何よりも驚いたのは、彼自身が生きているということ。
彼は数十秒沈黙したのち今の状況を考える。そして、、、、、、、、、、、、、、、、、、、手を動かし足を動かした。いつもと違う感覚。そして寒い。いつもは、四つんばいで体に体毛があった。なんだこれ?と彼は思いながら二本の足で歩いて見る。たまたま近くにあった建物の窓ガラスを見た。そして一言。
「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
彼は見た。体は毛がなくつるつる。手、足は見覚えのある形。これは、、、、、、、、、、、まさか、、、
に、に、にににに、にんげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。
彼の身に起きたこと。それは簡単に言ってしまえば、『輪廻転生』。肉体は死ぬが魂だけが世界をさまよい新し命として生まれ変わること。"彼,,つまりヒョウガの身にもそれと同様の現象が起きた。
ヒョウガは新しい命として生まれ変わった。いや、少し違う。生まれたのではない。この世界の人間にたまたまヒョウガの魂が入ってしまったのだ。つまり、普通の人間とは何かが違う。まず、人間にはあるはぞのない猫耳が頭の上に付いている。いや、はえていると言った方がいいのかな。その頭の髪の毛の色それは、一目見たら生涯忘れることのないヒョウ柄をしている。さらに、お尻のとこには、これまたヒョウ柄をした尻尾がはえている。
そう。ヒョウガは今、チーターでも人間でもない世界にただ一人、ただ一匹の存在。【チーター人間】になってしまったのだ。
そして、この世界において猫耳がはえていることや、尻尾があるなどは当たり前のこと。なぜならここはネット小説などでよく見るあれだ。
そうここは、獣人や亜人、騎士やお姫様、そして剣と魔法がある世界。『異世界』である。
話しをまとめよう。チーズ好きのチーターヒョウガが朝ご飯に出てきたブルーチーズを食べたらあまりの美味しさにびっくり死して死んだ。その後、魂だけが世界をさまよい、一人の人間の中に入ってしまった。猫耳と尻尾がはえていて、ヒョウ柄の髪の毛をしている。そんなチーター人間になったヒョウガはこの世界。剣と魔法のある世界『異世界』にて異世界ライフを過ごす。
これは、チーズが好きなチーターがひょんなことからチーター人間として剣と魔法の世界『異世界』に転生し、山あり谷ありのはちゃめちゃ異世界ライフを過ごすお話である。
そして、これからがヒョウガの物語の始まりである。




