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豊臣家による豊国時代  作者: 牧場のオヤジ
18/20

欧州からの使者と跡継ぎ



陸海軍の軍備が順調に進んでいる日本国。呉から帝都名古屋に戻った秀頼は御所に足を運んでいた。


「それで、俺に会いたいと言う使者は何処のどいつだ」



『それが、イギリス王国、スペイン、オスマン帝国の3国です』



「欧州の3強がこぞって来るとはな。して、その者達は」



『謁見の間にて御待ちです』


侍従の案内で謁見の間に着いた秀頼は襖を開ける。そこには絨毯と机、椅子が設けられ上座側に秀頼の椅子が、下座側に3国の使者が待っていた。そして秀頼が現れると3人とも席を立ち膝を付いて挨拶をした。



『御初に御目にかかります。私はイギリス王国から参りました。ジョン・ハーマンと申します』



『私はスペイン王国から参りました。そんなジェームス・パレスと申します』



『私はオスマン帝国から参りました。モトロフ・ジェーンと申します』



「日本国国王の豊王豊臣秀頼と申す。遠路欧州からの御足労痛み入ります。ささお掛けになってくだされ」



『『『失礼いたします』』』


3人とも椅子に腰掛け秀頼を見つめる。



『国王陛下はお若いですがいかほどで』


まず話を切り出したのはモトロフだ。


「そうですな。今年で22の歳ですね」


ジェームス

『22歳とはお若いですな。国政は如何ですか』



「うむ、我が国には優秀な才を持っておる者が沢山おる。その者達を男女問わず登用しているので国政は順調よ」


モトロフ

『だ、男女問わずとは何と思いきった事を』


ジョン

『だからこの国の活気は他国とは違うのか。民や百姓、商人達が武士と対等に立ち、笑って、話して、皆が楽しく暮らしている。とても素晴らしい国だと私は思います』



『『うんうん』』



「さて、では、そろそろ本題に入ろうか」


秀頼のこの言葉に3人は瞬時に反応した。


ジョン

『ポルトガルの宣教師、ルイス・フロイスから話は聞いております。陛下が為さろうとする世界の解放について入念に話し合いました。結論と致しましては我、大英帝国はこの案には賛同致しかねます』



ジェームス

『スペインも同じでございます』



モトロフ

『オスマン帝国も同じです』



「そうか。残念だな。しかし国の決定事項だから致し方ないな。今後も良しなに頼む」


『『『はい』』』


3人は部屋を退室し自分の国へと戻っていく。



夕刻、名古屋城天守最上階の廻縁で秀頼は椅子から外を眺めていた。左手にグラスを持ち、入っている酒を飲み干す。



「くっ、はぁぁぁ~(やはり、欧州の国は日本を認めんか。日本国を建国して1年と少し、フロイスに頼んだのは時期尚早だったか?いや、いずれにせよ欧州には使者を出さねばならなかったはずだ。まぁ、これで欧州には宣戦布告は出来たということにするか)」





トクトクトクトク



『随分と怖い顔をしておりますよ陛下』


いつの間にか傍らに時雨がグラスに酒を注いでいた。


「済まんな。しかしそんな怖い顔だったか?」



『えぇぇぇ。まるで獲物が増えてよろんでいる大鷲か鷹の様ですわ』



「はっ、はははは。そんな顔をしてたのか俺は。しかし済まないな身籠っているお前に酌をさせなければならんとは」



『そんな事ありませんよ。この子も早く飛び出したがってますから』



「元気な子を産んでくれ」



『はい』






その後、時雨は元気な子供を出産した。性別はなんと男児と女児の双子であった。



「よくやった時雨。男女とは一石二鳥だな」



『はい』


秀頼はこの時、男児を月丸(つきまる)。女児を(すず)と名付けた。












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