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豊臣家による豊国時代  作者: 牧場のオヤジ
16/20

研究開発 陸軍


1603年 初春



昨年第1回の帝国議会が行われ国政が本格的に開始された日本国。


陸海軍はそれぞれの目標を達成すべく日々、研究を続けている。そんな中、陸軍の富士山麓研究本部基地で軍事訓練を実施していた。その基地に国王、豊臣秀頼がお忍で向かっていた。



「名古屋から此処まで馬で来たが早くついたな」



『かっ、かかかかかか。それもこれも陛下が施した賜物ですよ』



「元参謀長の御老体がそんなに騒ぐと体に障るぞ」



『大丈夫じゃよ、陛下。如水殿ほどの腹黒男は長生きしますぞ』



『安房守殿もおなじよ』



『『かっ、かかかかかか』』



「(全く、うるさい老人たちだ)」



『陛下。人選したのは貴方ですよ』



「おや、伊達卿には読まれたか。これはいかん、いかん」


今回の御忍びの人選は国王秀頼を筆頭に豊臣の姻戚となった伊達政宗、顧問役の黒田如水、真田昌幸を連れ基地へと向かう。




御一行が基地の前にたどり着くと、門兵が慌てて基地に報告しに行く数分後門が開かれ、中から軍服を纏った集団が現れる。



「出迎え、ご苦労。済まないが所属と氏名をお尋ねしたい」



『はっ、私は陸軍富士山麓基地の総督を務めさせていただいております。山縣紀明(やまがたのりあき)少佐であります』




『山縣少佐。案内を頼めるか』



『はい。どうぞこちらへ』



山縣少佐の案内で基地内を周り研究開発室へとはいる。



「して、進捗はどうだ」



『はい。今までの大砲は青銅製の砲身で丸い弾を用いていましたが、先ずは、砲弾の改良を行いました。球体の弾に筒を取り付けることで射線が安定し飛距離も従来よりも延びております。続いて砲身の方ですが、青銅製の砲ですと数発撃つと砲身にヒビが入り最終的にはこわれる事が解りました。なので砲身を鉄製へと変更し砲身の内部に直線の溝を掘りました。この砲弾と砲身の改良により飛距離が2倍近く延びております』



「よく、よくやってくれました。この成功を糧に更なる革新を起こしてもらいたい」




『『はいっ』』



『して、その大砲は何処に』



『此方に御座います。どうぞ』



研究開発室を出て演習場へと出た一行。倉庫の前に布が被された大砲があった。



『此方が苦心して完成した新型砲の03式野砲です』



「撃っても良いかな?山縣少佐」



『ど、どうぞ』



完成した新型野砲が秀頼によって咆哮をあげるときが来た。



「では。発射まで、5、4、3、2、1。発射」


ドーーン



発射して数秒



バァーーーン


『『おおぉぉぉぉぉ』』



「皆、ありがとう。そして御苦労様でした」



『『バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ』』



どうやら陸軍は順調のようだ。



「安房守」



『はい。如何なさいましたか』



「海軍の研究所は多数あるが何処へいく」



『そうですな。海軍の研究所の中でも大きい場所は大坂と呉の2つですからな。距離的には大坂が良いかと』

昌幸は大坂の研究所を選ぶ。


『しかし安房守殿。現在海軍の本拠地は呉のはず。しかも呉基地には我等が海軍の主力が続々と集まっていると聞き申したが』



『おや、伊達卿からそれを聞けるとは思わんだ。大坂でよかろう、呉は遠くて叶わん』



『「遠いからかよ」』

この言葉に秀頼と政宗は同じ事を思った。



「では、我と政宗で呉に、御老体二人は大坂ということでどうだろうか」



『『よろしいかと』』



「では、参ろうか」



秀頼一行は次の目的地に向かう。


目的地の呉海軍基地に着いたのはその2週間後。久し振りに大坂城で宿泊し変わりの無い活気に満ちた城下を眺めながら呉への道を進んだ。









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