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豊臣家による豊国時代  作者: 牧場のオヤジ
13/20

建国への道



江戸での仕置きを終え京都、大坂への帰路につく豊臣軍。大規模整備を完了した東海道を通り、尾張国、名古屋に到着する。そこでは尾張国国主織田信孝が待っていた。



「織田殿。出迎え御苦労」



『有り難き御言葉感謝致します関白殿下。また豊王就任おめでとうございます。殿下におかれましてはこの度の内府殿の幕府創設にこの名古屋を指名されました。その際、我織田家の事についてお聞きいたしたく』



「織田殿。それについては貴君と直接交渉したいと思っていた。織田殿には美濃に移って貰いたいのだがどうか?」



『美濃で御座いますか?私は越後に国替えかと思いましたが』



「ほう、越後か。上杉が関東に国替えしたからか」



『はい』



「まあ、確かに越後への国替えも考えた。しかし、織田家は美濃の地は聖地といってもいい土地。その土地で勘弁してもらいたいのが事実だ」



『勘弁とは。殿下にそこまで配慮していただくとは大変申し訳なく思います。美濃に国替えした際では御座いますが我祖である織田信長公の寺を建てたいと思いますがよろしいですか?』



「勿論、許す。またその寺の建造費は豊臣からも出そう」



『あ、ありがとうございます』


織田家の家臣達と兵士達はこの後美濃へと国替えしたのである。

尾張国を抜け豊臣軍は一路安土を目指す。


近江国 安土城


この巨大城郭はかの織田信長により築城された日本初の近代城郭である。信長が光秀により倒された後は明智軍が占領していたが、当時の羽柴秀吉により奪還。城郭はそのまま残っている。豊臣政権になると安土城には秀吉の甥で秀頼の兄にあたる秀次が城主となっている。この安土城で秀次と別れた秀頼はさらに西へと進路をとる。





2日後、豊臣軍5万が京入りをし、京都の防御を固める。その時秀頼は御所に足を運んでいた。



御所



朝廷の公家達は大広間に集まり、帝と秀頼を待っていた。



『関白様が入られます』


スッスッスッスッスッ


秀頼は、公家達の上座に座る。



『関白様。此度の東伐での勝利、おめでとうございます』



『『おめでとうございます』』



『また、此度の豊王就任も重ねて、御祝い申し上げます』




「公家の皆様には御迷惑を御掛けして誠に申し訳ありません。この秀頼。更なるこの国と朝廷の繁栄に尽力致します」




『関白殿下。それは我々、公家衆も同じです。改めて、今後もこの国の舵取りを宜しく御願い致します』



「はい。では、早速ですが、この国の体制を変えたいのですがよろしいですかな?」



『た、体制と言いますと』



この時、秀頼は国の国家体制を説明した。


帝を神として君臨させその皇族も神の一族とする。その下に豊臣家を日本の絶対君主としその下にある幕府(立場で言えば内閣閣僚)が政治を行う。また、首都を京から名古屋に遷都し日本帝国の建国を宣言すると公家達に説明した。



この秀頼の案は朝廷で詮議にかけられ1カ月後、成立した。


これにより、御所や屋敷等が名古屋に移されるため、帝や皇族、公家達は一時的に大坂に仮住まいをする。



朝廷への挨拶を終え、聚楽第に入った秀頼は遠征の疲れを癒していた。


自室に入って休もうと部屋にはいるとそこには御所にいるはずの帝ときれいな着物を纏った少女がいた。



「帝、このような狭い部屋でどのくらい待ったのですか?」



『うむ、半刻ほどかの?』



「申し訳ありません。其ほどの時間、お待ちでいたとは、この秀頼面目も御座いません」



『なにを今更、言っておるのだ。豊王よ。ほれ、面を上げられよ』



「はっ、はぁぁ」



『余の隣におるこの者は、余の娘、時雨だ。歳は19だ。宜しく頼むぞ、豊王』



『時雨で御座います。皇女として、また豊王の伴侶として、邁進して参ります。どうぞよしなに』



「と、豊臣秀頼と申します。どうぞ、こちらこそよろしく」



『はい』



『では、余は家に帰ろうかの~。あとはお任せするよ』



帝は颯爽と聚楽第を出て、御所へと帰っていってしまった。



「さてと、では先ずは何から話しましょうか?」



『そ、そうですね。では先ずは御風呂で語りましょう』



秀頼と時雨は風呂に向かって姿を消した。



次の日、秀頼は時雨を輿に乗せ大坂へと再び出立した。










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