天下分け目は東西で決着する
明けましておめでとうございます。今年も宜しく御願い致します。
大変長らくお待たせ致しました。新年最初の投稿です。どうぞ宜しく御願い致します。
東北で豊臣と徳川の分け目の戦が行われているとき四国では長宗我部、旧三好氏、大友氏の親徳川連合軍10万と島津、毛利、黒田の親豊臣連合軍20万が西国で天下分け目の戦をしていた。
親豊臣連合軍本陣
『敵軍、島津、黒田軍と交戦に入りました』
『うむ、きたか。義弘殿、長政殿、出番ですぞ』
『お任せを。我島津の武勇見せて参りましょう』
『豊臣に楯突いたこと後悔させましょうぞ』
『『オオォォォォ』』
西国では豊臣勢が優勢で進む。
そして、奥州南部、摺上原では。
パパパパン パパパパン
バーン バーン
激しい砲撃戦が繰り広げられていた。
「戦況は?」
『五分五分で』
「佐竹と真田、江戸城制圧軍の状況は」
『江戸城を包囲し降伏勧告を出しておりますが一向に降伏しません』
「全く、面倒だな。速く戦を終わらせろ」
『殿下。そろそろ頃合いです』
「であるか。よし、馬を持て~」
秀頼の命により本陣に秀頼専用の馬が入る。その馬は漆黒の毛並み、馬具は黄金がつかわれている。そして普通の騎馬より少し大きい。その馬に秀頼は飛び乗る。
『参謀長。任せたぞ』
『お任せを。存分に鬱憤を晴らして下さい。殿下』
「おう。行くぞ~。徳川など恐るるにたらず。我らには未だ30万の軍勢が駆けつける。豊臣の勝利は目前ぞ~」
『『『オオォォォォ』』』
「突撃~」
秀頼が号令を出し騎馬隊5000を連れて徳川陣営に突撃する。その後方では鉄砲隊が揃って前進してくる。その鉄砲隊に気付かず騎馬隊が突撃してきたのに気が向いている徳川勢は騎馬隊を前に出し、秀頼隊と衝突した。
『何故鉄砲がやんでいるのだ』
本陣の家康を含む徳川臣下達は突然、鳴らなくなった銃声により右往左往していた。
『報告します。豊臣方騎馬隊と我方の井伊直政様直属の騎馬隊との交戦に入りました』
バタン『な、なに~』
『豊方の騎馬隊は誰が指揮しとる』
『そ、それが。豊臣秀頼公が陣頭指揮を』
『『『!!!!!!』』』
『ほ、報告~。江戸城が、江戸城が』
『江戸城がどうしたのじゃ~。はっきり申さんか』
『江戸城が落城致しました』
スタン
徳川本陣にいた臣下達は椅子にそのまま腰を落とすしかなかった。江戸城落城の知らせは瞬く間に徳川全軍に伝わり豊臣軍にも伝わった。
「江戸が落ちたか。さて内府どう出る?」
秀頼は一旦陣営に戻る。
「参謀長。真なのだな」
『はい。真田安房守殿が見事に落としたとのこと』
「よし、全軍前進だ。豊臣の桐紋を掲げろ」
秀頼の命により、豊臣軍全軍は桐紋を掲げ、徳川勢に近づいていく。
『も、もうだめだ。おしまいだ』
『江戸が落ちたら俺達、住むとこ無いぞ』
『もう嫌だ、逃げるぞ~』
『『うわぁぁぁぁぁぁ』』
『おい、待て、お前達。逃げるんじゃない。おい、待て』
豊臣軍が近づいてくると徳川兵は次々に逃亡。最早、陣形すら無くなった。
『家康様。お逃げ下さい。我々が殿となります』
徳川本陣では、本田忠勝をはじめとする家臣達が集まっていた。
『もはや、逃げる場所もない。秀頼公が来るまで待つ』
家康は山の如く本陣から動かなかった。それを見た家臣達も本陣の椅子に座り込んだ。
『殿下、お見事でございます。この家康、最後の最後に判断を見誤った』
「内府」
『関白殿下。見事な勝ち戦ですな』
本陣にやって来た秀頼に家康は膝をついて出迎える。
「内府。ひとつ勝負せぬか?」
『勝負と言いますと』
ガシャ
「その刀で、儂と打ち合って貰えぬか?」
『何故、今更』
「私は口下手な男でな。この刀で内府と語りたいのだ」
『しかし、それでは』
「良いのだ。真剣勝負。内府、徳川三河守家康殿から御教授願いたい」
『其では私も関白、太政大臣。豊臣秀頼殿からの御教授をお受け致しましょう』
ガシッ
「『はあぁぁぁぁぁぁ』」
キンッ
キンッ
キンッ
ガシャッ
『(殿下。此処まで立派な武士になっておいででしたか。この家康益々驚かされます)』
「(内府。御主の気持ち伝わってきているぞ。貴殿ほどこれからの日ノ本に先見的な考えを持っているものはいない。流石だ)」
『家康様が楽しんでいる』
本田忠勝は家康の姿を見てそう呟く。
『それは関白殿下も同じよ。忠勝殿』
忠勝の側には黒田如水がいた。
秀頼と家康の語り合いはこの後1時間も続いて決着した。
一方の西国でも、豊臣方の勝利で天下分け目は戦は幕を下ろした。




