摺上原の大戦
「内府、私はお主とは戦になると思っておったよ」
『ならば、早速やりますかな?』
「内府、そう急ぐな。戦は逃げはしない。それより聞かせて欲しい。おぬしがなぜ立ち上がったのかを」
『・・・・・・・』
「話してくれぬか?」
『わたしは、日の本から戦をなくすために信長公、秀吉公に協力してまいりました。日の本が統一され戦のない時間がやってきました。しかし当時の関白様(豊臣秀吉)は大陸へ進出を宣言され、また戦が始まってしまいました。我、徳川軍も彼の地に赴き朝鮮を征服いたしました。そして今や中国明のハルピンまで侵攻し、戦が終わりません。殿下はこの大戦をどう終わらせるのですか?』
「確かに武力だけでの侵攻は無謀。しかし武力だけではない、我々は南蛮の国々とは違い宗教の自由を掲げている。しかし朝鮮では民達に教育も受けさせているし、経済面でも援助をしておる。また、統治する者も朝鮮王朝の者。日ノ本のの者は只助言等をしているだけよ」
『殿下、ならば琉球と台湾はどうですかな?』
家康の言う。琉球と台湾は秀吉が関白の時に密かに征服した地域である。秀頼に関白職が移るまでは厳しい制度のもとで統治していた。
「ほぅ。そう来たか。太閤がいるときは厳しい制度を敷いていたが私に移った後は朝鮮と同じ制度で動いているぞ」
「内府よ、ここで退けばお主は反逆者の汚名を着せられることはないのだが、無理か?」
『最早、語ることはありませぬな。では、戦場にて』
家康は席を立ち自分の馬に乗り陣へと帰っていった。
「ちっ、大狸め」
秀頼も自身の馬にのり本陣に戻った。
『殿下。如何でしたか?内府殿は』
「あの狸め、痛い目にあわせてやる。戦になるぞ。参謀長、手筈通りに」
『承知』
遂に天下分け目の大戦が始まろうとしていた。
『伝令。指示した通りに伝えよ』
『『はっ』』
黒田如水は二人の伝令に書を渡す。伝令は受けとると直ぐに走って去っていった。
徳川陣営
『みな、我々は関白、豊臣秀頼を倒し、天下を我ら徳川のものにする』
『『おぉぉぉぉ』』
『全軍攻撃開始』
徳川陣営では法螺貝が鳴り響き兵士達が続々出てきた。
『殿下。徳川軍、動きました』
「鉄砲隊に迎撃命令。また騎馬隊に横矢を掛けさせ別動隊は徳川本陣を急襲させよ」
『『はっ』』
豊臣陣営も徳川に備え付け準備を整える。
パパパパパン
パパパパパン
パパパパパン
そしてついに豊臣と徳川、日ノ本の二大巨頭が東北の地で武力衝突をしたのであった。




