【暗黒神様と】人界のオカルト寺院【一緒】2スレ目
1556.本当は怖い黒雷さん
人界のオカルトなんてそうでもないと思ってたけどこうして実況されてみて初めて気づいたんだが
俺こういうの無理
1557.本当は怖い黒山羊さん
気づくの遅くない?
1558.本当は怖い黒蛸さん
いやでもちょっとわかる
しんどい
1559.本当は怖い黒猿さん
すでに隣室の蝶野郎のとこに居る俺に隙はなかった
1560.本当は怖い黒蝶さん
さっきから猿野郎がひぃひぃ喚いててうざい
1561.本当は怖い黒月さん
そういやエロいことしてると幽霊が寄ってこないって聞いた
本当かどうか教えてママ
1562.本当は怖い黒水さん
上の二人に聞けばよくね
1563.本当は怖い黒狼さん
一応聞くけどどっちが受け?
1564.本当は怖い黒蝶さん
猿野郎がひぃひぃ喚いてるって言ったじゃん
1565.本当は怖い黒馬さん
…わかった
この話はやめよう
はいやめやめ
1566.本当は怖い黒魚さん
隣室の隣室からの実況ですが隣室がうるさいです
ていうか猿はよくこの状況でスレに書き込み出来るね
めっちゃうるさいんだけど
1567.本当は怖い黒丑さん
やめようって言ったでしょ
1568.本当は怖い黒兎さん
一応申し上げておきますがお嬢様はその手の話をされると二度と寄ってきませんぞ
1569.本当は怖い黒蛇さん
下の話嫌がるよね
ちなみに羞恥とかそういう感じじゃないしマジで汚いもの見る目してくるからよろシコ
1570.本当は怖い黒雷さん
シコってんじゃねーよハゲ
1571.本当は怖い黒獅子さん
ありがとうございます!
1572.本当は怖い黒山羊さん
悪魔って若い頃はサディスト固定なのに長く生きるとマゾになるのなんでなのかな
1573.本当は怖い黒竜さん
ヒント 暗黒神様
1574.本当は怖い黒虎さん
答えじゃねーか
いやでも放置プレイ極まりすぎてなんかセルフバーニングになってくるのは正直ある
1575.本当は怖い黒子さん
暗黒神様総攻め説
1576.本当は怖い黒羊さん
>>1575
地雷ですやめてください殺すぞ
1577.本当は怖い黒蠍さん
即レス笑うわ
1578.本当は怖い黒杯さん
暗黒神様暗黒神様、僕らの暗黒神様
このクソスレを見ておられましたらどうぞ地獄の拡張をよろしくおねがいします
このアパートむっちゃ狭いです
「なんか賑やかだな」
盗み見た端末画面には意外にも普通……いや普通じゃないけど普通の会話がなされている。
勝手に総攻めにするのやめてほしいのだが。よくわからんけど。ていうかアパートなのか。
「ああ……話し合いスレで話し合った結果、私のスレは通常進行と決まったらしいデスよ。
暗黒神様がまた降臨するかもしれないということで満場一致だったそうで。健気ですネ」
「ホーン」
適当に返事をしてからクンクンと匂いを嗅いでみた。湿っぽいだけで特に変な匂いはない。強いて言えば隣の羊が羊臭い。
人の気配はあるようなないような……。まぁ誰か居るんだろうなという感じはしている。視線のようなものを感じるのだ。
もう赤の龍の祟りとやらで引き寄せられてきたなんやかんやも全部地獄トイレに吸い込んじゃえばよくね?とは思ったのだがアスタレルが言うにはこう見えて私とは真逆のレガノア側の管轄らしく私には手が出せないらしい。
こんなにおどろおどろしいというのに。プークスクス。
にししと笑っていると隣の羊がクルンと左に回った。さっきから、いや、この寺院に入る時にもちらりと思ったのだが。
九龍が言っていたルールを思い出す。
入る時は絶対に正門から入らない、勿論我々は正門から突撃ゴーゴーゴーしている。
参ります参ります、祝祭に参りましたので祭文を納めに参りましたと言ってから入る。どうでもいい雑談をしながら入ってきている。
寺院内で収めましたと言ってはならない。入って二秒でアスタレルは収めましたとクソデカボイスで叫んでいる。
宮司様とやらとはまだ遭遇していないが、地下への扉は既に発見している。階段を三段降りてからあがること、上がった後はその階段が見えなくなる場所まで移動するまで声をあげてはならないなるルールは完全無視で一頻り眺めた後にスルーで通り過ぎ声を上げまくって離れた。
即ち、ルールで敗れるものは一から十まで破っている。
勿論私は止めたのだ。止めたのだがコイツがやりました私じゃありません。祟りとバチはどうかコイツめにお願いいたします!
なんでこそんな事を、問い詰めたのだが我らの神が望まれるのでと言うばかりで話にならない。そりゃ私じゃないのか。いやもしかしたら先代がホラー好きだったのかもしれん。
話が合いそうもない。絶対に友達にはならんぞ。
「宮司とやらは見ませんネ。気配も無し、この怪異は消滅しているかと。
碌な映像も撮れず仕舞いでは来た甲斐が無いというモノ、おもしろおかしい怪異の類でも出ないものですかネ」
「でなくていいけど」
みゅいーんと狐の窓なカメラでしんと静まり返った廃墟をぐるりと撮影。ばしゅと焚かれたフラッシュが刹那、暗い廊下を真白に染め上げた。
「おお」
人影、いや、マネキンか?乱立するものが確かに見えた。勿論そんな物は何処にもない。狐の窓をかちかちと操作して内蔵された写真を確認。
全部真っ黒で何も見えやしない。フラッシュの光すら写っていない。
「ダメじゃん」
こんな真っ黒な写真ではとてもではないが心霊写真とは言えまい。くるくるとカーソルを捻って探索中に撮っていた今までの写真を一枚ずつさかのぼっていく。
一枚目二枚目三枚目、数を重ねる内にやがて写真に変化があった。中央部に白い粒。
「んー?」
枚数ごとにどんどん大きくなっていくそれはどうやら人型のようである。はて……、覚えはないが。
面倒なので一番最後の写真を呼び出してみた。濡れたような真っ黒な円形、周囲は蝋のように白い。何だこりゃ。黒いものは光を反射する物質なのかちらちらと光が写り込んでいる。
ふむ、しばし考えて思い至った。目玉だな。目玉を接写したらこんな写真になるだろう。そんな写真になっている理由は謎だが。
しかしこれも心霊写真かと言われると微妙なところだ。なにせただのドアップの目玉である。この場で撮った物と考えれば確かに多少は不気味であるが心霊写真と言って売り出すにしてはパンチに欠けている。
よし。
「これをなんとか加工するように」
羊に現像した写真を押し付けておいた。これで良し。本物かインチキかは問題ではないのであるからして。バレなきゃいいのである。
悪魔に押し付けておけば適当に怖い写真に加工しておくだろう。完璧だ。
ウールの中に仕舞われていく写真を見送ってから辺りを見回す。
廊下の壁にうっすらとだが第三倉庫と書いてある。ふむ、寺院の入り口で入手した寺院案内パンフレットを開いた。これで第三倉庫に第一倉庫と食堂、観覧室、書庫を見たことになる。
地下室は扉だけで内部の探索はしていない。件の神の工芸品とやらの所在として怪しいのはここと睨んでいる。
一頻り回った後で降りてみるつもりである。
第三倉庫とやらの中を覗き込めば、うーむ。寝具などを置いている倉庫らしい。うず高く積み上がった古びたシーツの山が多量にタワーとなってそびえている。
手にとって観察してみるが特に変わったところはない。
「ふーむ」
シーツの隙間にするんと手を突っ込んでみた。肌触りの悪いごわついた感触があるのみで変化はない。ぐぐっと更に奥に突っ込んでみる。
─────さわり。私の手を何かカサついた手が掴んだ。
おお……?ぎゅっと握り返してみた。そのまま引きずり出してみる。
「む」
マネキンの手だった。残念。なんでこんなとこに。まあいい、床にポイ捨てをかましてシーツのタワーを崩してみる。特にマネキンの本体は無いようだった。
この倉庫はこんなものか。写真をばしゃばしゃと撮ってついでに室内音も収録。これでよし。
さて、次に行くかと入り口近くに歩いていった時である。
廊下の方だ。何かが不規則にぶつかる音がしていた。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。
アスアタレルと二人でじーっと廊下を見つめる。音は鳴り止まず、規則正しく響き続ける。
ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。ばん。
重いものを廊下の壁に打ち付けているような音だ。
「……………」
これはナカナカ面白いのでは、いやしかしよく考えたら音がしているだけである。いまいちだな。
ひょいと廊下に顔を出して音の在り処を探せば、それはすぐに知れた。廊下の奥、かなり距離があるが明かりが漏れている部屋が一つ。明かりが付く要素など無いがまぁそういう事もあるだろう。
とにかくその部屋から溢れる明かりに不自然な影が踊っている。人影らしきものが紐で天井から吊り下がって壁にばんばん打ち付けられている、とまぁそのように見える影だ。
よしよし。これを逃す手はあるまい。狐の窓を構える。シャッターボタンに指先を掛けて準備は万端。
「おりゃーーーーーー!!」
暗黒神ちゃんレッグが火を吹いた。明かりが溢れる部屋まで全力疾走、いざいざいざ!
ずしゃあああと土煙を上げる勢いでスライディングしながら部屋に向かってシャッターを連射しまくってやった。
明かりが漏れていた部屋は静かなもので既に何の音もしていない。だが今の速度であればちょっとくらい撮れただろう。明かりの正体は部屋の中央に置かれているランプのようだ。なんで明かりが点いているかは知らんが。
ふんふーんと鼻歌うたいながらカチカチと狐の窓を操作して撮った写真を検分する。
みゅいーんと出てきた写真には確かに人が写っている。天井床壁汎ゆる場所からぶらぶらと首でぶら下がる人影である。全員背中を向けているので顔立ちはわからないが。ん、写真によって数が増えてるな?まあいいか。
しかし床からぶら下がっているって器用だな。でも九龍が肝試しした連中が軒並み不審死してるって言ってたしこの部屋でもこんな感じで死んだ奴がいるのかもしれん。
祟りは無理でも死んだ連中なら吸い込めるかもしれない。地獄を設置してズゴゴと吸い込んでおいた。吸い込んだ瞬間部屋の中のランプが消えた。
地獄の輪っかにはエネルギー取り出し作業中の文字が踊っている。
ウールを揺らしながら歩いてきたアスタレルはかこかこと相変わらず何やら端末に打ち込んでいるらしい。
「人の心がない暗黒神様のせいで悪魔達が怯えきってしまいましタ。
もっと可愛い悪魔を労るべきデス」
「なんでだ」
怯える要素が何処にあった。悪魔はわからんな。