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ユグドラシルの神温泉2



いそいそと準備をしていざいかん!!というかよく考えたら温泉というかそもそも風呂とか初めてだな。

うむ、堪能しようではないか。ババババッとタオルと着替えを抱え込みシャンプーにリンスに石鹸、最後に店主からもらった酒を詰め込みこれでよし。


「行くぞフィリアー!!」


バッサァとドア代わりの仕切り布を捲りあげて突撃してやった。


「早いですわ!淑女としてもっと準備するものがあるのではありませんこと?!」


む、見ればフィリアは何か訳のわからんものを大層抱え込んでいる。風呂に行くのに何がそんなに必要なのだ。意味がわからん。

慌てた様子で着替えやらなんやらを準備しているがまだ掛かりそうだ。


「マダー?」


チンチンと氷レンガをスプーンで叩きながら催促する。待ってるの飽きてきた。


「もう……!!おまたせしましたわ!!」


やっと終わったらしい。全く女子の準備って奴はなんでこうも長いのか。

一抱えほどもある荷物を用意したフィリアを連れて店主に見送られながらレッツラゴーである。

森に辿り着いたところでそういやと思いつく。地獄の輪っかを設置、叫んだ。


「全員でてこーい!!」


ぴょこぴょこと飛び出して来たるは悪魔共である。羊にウサギに蛇に犬っぽいのと。……む、何やら見たこと無いのが二匹。

狐と竜っぽいのがアグアグしている。なんだこいつら。もしかしてイーラとアワリティアって二匹か?両方ともメガネを掛けている。飯でも食べていたのか口元に米粒が付いているし呆然としたまま箸だけ握っている様子は流石の暗黒神ちゃんもちょっと申し訳なくなった。


「……えーと、温泉行く?」


問いかければちょっと困った様子で首を横に振ってみせた。まあそうだろう。食事中に呼んですみませんでした。イーラとアワリティアはちょんとおじぎすると地獄の穴にすっこんでいった。うん、たんとご飯を食べてこいよ。

何やら絵を描いていたらしいルイスも温泉に入るつもりはないらしくプカーとパイプを吹かしてウサギ穴に潜っていった。アスタレルとメロウダリアを見ていたあたり二匹と一緒なのが嫌なのかもしれない。気持ちはわかるのでそのまま見送っておく。

クルシュナも水が嫌いなのかどうなのか若干嫌そうにしている。入る気はないらしい。汚いやつだ。いいけど。でも触らないようにしとこ。

しっしと残ったいつもの二匹を男湯に追い払っておけば準備万端である。

メロウダリアが男かどうかは疑問が残るが女かと言われるとそれはそれで疑問なので男湯に問題を丸投げしておくのだ。これでよし。

温泉、なんて魅惑の響きだろう。

神が温泉に入るとは何だが決まらないが別にいいだろう。歴史的に考えてお風呂とかいうものは神事とされることもあったとかなんとかウンヌンカンヌン。

というわけでそこに論理だの何だの入る余地は無い。

いざゆかん、夢ロマン、湯煙り天国ぶらり旅。脱衣所らしきところに突撃してそのままズバンと脱いだ。


「たのもー!」


どうやら私は一番最後だったようだ。既に皆さん寛ぎまくりである。

しかもめちゃくちゃ飲んだくれている。酒くさい。真っ赤な顔でアヒャヒャと笑うクロウディアさんに氷柱に真顔で話しかけるカミナギリヤさん、クピッと可愛らしい音で一升瓶に直接口を付けて飲むマリーさん。

瓶が無造作に転がる温泉に女の園とか目眩く百合世界とかいう気配は一切ない。漫画とかアニメでは胸がおっきぃーとか肌が白ーいなどといいつつ揉み合うものだがそんな様子は毛ほども無い。現実ってこんなもんだった。

フィリアと並んで腰掛けて身体と髪の毛をもしゃもしゃと洗い上げる。洗い上げてから温泉に入るのはマナーであるゆえ。にしても髪の毛なげぇ。

こんな時は切ろう切ろうと思っても出たら出たで頭から抜け落ちるのだから困ったもんである。今度こそ切ろう。うむ。

桶に溜めたお湯でザブンと泡を洗い流した。やはりというか桶は無かったのでちょうど良かった。


「お邪魔しまーす」


「ふふ、クーヤ。貴女も飲んではどうかしら」


マリーさんにお酒を勧められてしまった。うむ、駄目な幼女二人である。

まぁ勧められたものは仕方がない。ぐびぐびと流し込んだ。別に酔わないので構わない。ザルどころかタダの輪っか状態だ。


「お酒なんてはしたないですわ……」


はしたないの極みに言われてしまった。


「温泉に酒は付き物だろう」


「そうね。これぞ至福の贅沢。ふふ、たまらないわ…」


マリーさんとさんはご満悦である。私としてはコーヒー牛乳が欲しいのだが。まぁ、あれは風呂上りにこその一品だ。ここは我慢であろう。


「むせるのよー」


ブイーンとどこぞから飛んできたカナリーさんは湯気に顔をしかめている。羽根大丈夫なのだろうか。湿気に弱そうなのだが。

にしても湯加減は実に絶妙なのだが尻の座りが最悪に悪い。苔は苔。温泉に生えているべきではない。これが水だったら全く気にならなかったのだろうが。人が持つ既成概念とはこのようなものなのである。

ふかふかとして高級な絨毯みたいな感じだがそれが湯の中に沈んでいるというだけでなぜこうも違和感が付き纏うのか。その下にあるであろう土が気になるのか、だが川も海も底は砂だったり岩だったりが当然だ。そこに違いは何もないはずだというのに。

キョロキョロと見回しているといいポジションを発見。苔に覆われていないまろみのある岩、これである。ズババと犬かきで近寄ってそこにケツを据えた。おお、落ち着く。やはりこうでなくては。


「はふー」


足をぐーっと伸ばす。苔が生えていないだけでなんという落ち着き。ここが天国か。悪魔の神様が天国なんて言い出したらいかんような気もするが。

むふーと息を付きつつ三人と一匹を眺める。下を見る。これから未来永劫成長することなしと太鼓判を押されたオコチャマ体型がそこにある。

クソッ!暗黒神死すともペチャンコ連盟は死せず。世の体型に悩む女性の為、これからも強く生きると誓う。

誓いながら酒を流し込んだ。ふるーちーで美味。うむうむ。


「お酒だなんてそんなに美味しいものなんですの?」


「ああ、そうね。東大陸では飲めないでしょうからわからないのね。

 貴女、この味を知らないのは勿体無くてよ?」


「……ふむ、お主は魔術師でもあるのじゃろう?酒くらいは嗜んでおけ。

 魔術で扱う事も多いしの。魔術世界における霊薬とは大抵が酒の類じゃ。ソーマ、エリクサー、黄金の蜂蜜酒、何れも飲んで始めてその効果を得られるものばかり。

 魔を払い邪気を払い陽の気を満たし人が持つ閉じられた第六感を解き放つ。東では胡散臭い錠剤か注射が主流じゃが……酔っ払うというのが一番大事なのじゃぞ。

 世界を一歩外れた場所をふらりと歩く、その感覚が重要なのじゃ」


「……食も何も無いとは聞いたが。東では人々はどのようにして生きているのだ?

 何の憂いもない、全てが満たされた大陸。逆に言えば満たされていると感じることすらできないということだろう。陰が欠ければ陽も意味はない。

 ロウディジットに住んでいた人間たちはいつも享楽に耽っていた。奴隷を壊し、嬲り、食らい、欲のままに生きていた。

 私は東大陸も似たような状況だと思っていたのだが」


「あの大陸の中でただ生きるだけなら平民でも何もしなくていいですわよ。何をしなくても食料も住まいも全て得られますもの。金銭の類もある程度支給されますし、単純な労働や農作業は基本的に準人間や機械がするものですわ。

 ですが、そのような暮らしをしているのは極一部。……というよりも、そのような暮らしをする人々は大体が胎睡の道を選びますわ。胎睡────言葉通り、ゆりかごの中でただ眠るだけの人生。

 何もできない。することがない。だから眠る。水槽の中で幸せな夢を見る。そしてそのまま天の国を目指す旅へと流れていく。それを悪しきと語る者はいませんもの。

 18歳までは皆等しく一般学業に励みますわ。ここで信仰もまた育てますの。カミナギリヤ様がおっしゃっているように、奴隷の街で行われていたような……ああいった行為は東の人々にとって全くの善行ですわ。皆様にとっては嫌な話でしょうけれど……東大陸ではそれが常識、疑うことすらありません。

 試練を与えること、魂の位階を上らせること、救いの道を示すことと私達は教えられるのです。親が子を鞭で叩き、自ら進んで苦行に励み、他種族を虐殺して回ることは世界にとってそれは、善い事なのです。

 苦しめば苦しむほど、苦しめれば苦しめるほどそれは信仰厚き者として尊ばれます。信仰の為に拷問し、信仰の為にそれに耐える。

 人間にとっての歓びと信仰と祈りとは痛みと苦しみの中にこそ見出すものなのです。

 そこに正義があると、それが正しいのだと理由とそしてそれはやるべき事であると義務を与えられれば人はどんなことでもできますわ。

 勇者や異端審問官が他者に苦痛を与えることは信仰へ促す、そして奉仕種族達が持つ原罪を雪ぐ機会を与えるという慈悲に他なりません。ルクェール、カルシャ、ヒス、ルクス、ヴィーテ……カルマに相応しき罰を与え、そして全ての罪が赦され魂が来世で天の国に導かれますように。汝を救い給う。

 そして19になれば自らの道を選ぶことが出来るようになりますの。クラスを決めてそれに従事し天の国で穏やかに暮らせるように徳を積む。この頃にわかりやすく才があれば聖者の道を目指す者も出ますわね。魔術の才があれば魔道の学院へ、武芸の才あれば武の門を叩く。

 この時点ではまだ生まれ育った場所で修道院などに入って過ごすことを選ぶ方が多いのですけれど。稀にですけれど宣教師のクラスを得て冒険者や商人の道に進んで外に出る道を選ぶ方もおります。そしてそういった方たちは後には裏道を取る方が殆どです。ただの平民のまま終えるのであれば知ることすらないのですが、貴族や聖職者には大きく二つのタイプがおりますわ。一つは根っからの信者、そしてもう一つが裏では信仰を捨てた方々です。

 モンスターの街に出入りをしていた人々などがそうですわ。表向きでは敬虔な信徒として振る舞いながら神に背を向けた人々です。勿論、異端に掛けられれば改宗の上で処刑ですから彼らも命がけなのですけれど。

 貴族と聖職者は月蝕の夜に行われる神降ろしの儀に合わせてその信仰を試される真実の裁判を受けるのですが、そこで異端か真かを神の前で証明せねばなりません。真であれば良し、神の奇跡を与えられ白魔法に開眼する。そうやって上へと上っていくのです。その裁判で使われるのが神の工芸品(アーティファクト)、アルマトの天秤と呼ばれるもの。魂を真実の羽根と共に乗せる事で罪を示す天秤です。元はそのようなものでは無かったのでしょうけど……恐らくはレガノア神の秩序の属性が影響し過ぎたのですわ。この工芸品、数値で人の罪を計測するのです。最終的なカルマ値で罪悪を決する。数字がプラスかマイナスかしか量らない。人間を殺せばマイナスですが魔族や亜人に罰を与えれば、拷問するなり殺すなりすればプラスになり帳消しになるということですわ。レガノア教では暴食や肉欲や怠惰などが禁じられていますが、これらを犯した罪はレガノア教における善行を行うことでそのまま濯げるのです。これが人間が外で食や快楽に耽る事ができる理由なのです。罪には罰を、罰さえ受けるのならば何をしてもいいのです。そしてこの罰を受けるのはレガノア教の教義に則れば本人である必要すらないのですわ。悪魔の研究や黒魔法の行使など、一つでアウトなものもありますけれどそうでないのならばなんとでもなるのです。恐らく奴隷の街でアッシュ様が高額だった理由がこれですわよ。魔族であり何をしても死ぬことがない、あの街の人々が罪を雪ぐのに適任だったのです。自らのカルマ値をアッシュ様で調整して禊としていたのでしょう。

 そして聖職者でも武芸でも魔術でも商人でも冒険者でもない、東大陸の中でそのまま何もしないことを選んだ人々……、というよりも家庭に入ったといえばわかりやすいですわね。そのような人々は早々に胎睡に行きますわ。長くても60か……50ほどが転機ですわね。

 子を成して本格的に何もすることがなくなってしまう頃ですわ。この年齢になられると教団の門を叩かれる方が多いんですの。胎睡に入りたい、と。信仰が特別厚い方であれば薪を自ら目指す方も出ますけれど。

 クーヤさんが見た街の人々は何の作業にも従事していない人々でした。あの島では教団で洗礼を受けクラスを決めて労役に励み徳を積むということを拒絶する人々が多い島でしたのよ。それでありながら胎睡に入ることも良しとはしない、そのような人々が住まう島でした。あまり本土ではよく思われてはいなかった島です。異端の島と呼ばれておりましたわ。

 ……カグラ様のお名前はあの島でよくある独特の響きを持つ名前です。カグラ様のような身寄りのない孤児や、準人間から落ちた種族や異端の者や不穏分子の遺児、そういった人々を受け入れる島でもありましたの。きっとアルカ家はあの島から弾丸を集めていましたのね。

 ……これが東大陸。エリュシオンなどとうそぶいてはみても、そこに生命の息吹はありませんわ。悪を成しながら善行を積む。徳を積み学問に励み苦行に励み試練を乗り越え日々を過ごして生きる。それが東大陸に住まう人々の一般的な暮らし。

 ただ信仰にのみ全てを捧げて生きる」


「…………世界そのものを使った蠱毒に近いな。魂の加工にも似ている。感情を、精神を力に変換する。

 人間は今や白炉を持った一個の巨大なエネルギー体だ。そこにさらなる負荷を掛けて圧縮する。

 世界が一つの方向に向かって突き進む。……おぞましい話だな」


「つまらない話ね」


くぴりと喉を鳴らして酒を流し込んだマリーさんがほうと息をついて、なんとも言えない沈黙が落ちた。暫くみんな黙って酒を煽っていたが。

やがて聞こえてきたのは男の声。ガヤガヤと男湯の方が騒がしくなる。どうやら野郎どもが来たようだ。なんとなく聞き耳を立ててみた。


「貸切の温泉とはね。水は耳が濡れるので好かんのだが」


「……あんたって、本当に犬だな。つーかなんだよその尻尾。

 何で男のケツからそんなもん生えてんだ」


「誰が犬かね!……普通だろう」


「いやぁ、普通でも嫌ですけどねー。その尻尾のせいでタオルが巻けなくて僕が男の尻なんて見なくちゃいけないんですから。あははー」


「尻尾なんて珍しくもねぇだろうが」


「悪魔にはそうでしょうけどね。ていうか悪魔って風呂に入るんですか」


「底辺を這いずり回るゴミ共の真似事に勤しむのが今の俺の最先端なんだよ」


「あっそ」


「……おい、蛇女こっち来るんじゃねぇ。なんであんた男湯なんだよ。あっちいけや」


「よよよ……あちきだってあちらが良うがす、主様のお首でとろぉんとしたかったものをなにゆえこのようなむさむさしい湯に浸からねばならぬのか……」


「僕だってクーヤちゃんと入りたかったなぁ……」


「遠回りな自殺か?表彰モンの斬新さだな。俺は一向に構わねェが」


「あははー」


…………。

見渡せば全員が全員、男湯の方をガン見である。

気持ちは分かる。気になるに決まってる。何あのメンツ。何がどうしてああなった。いやマジで。確かに悪魔どもは私が投げ込んだがそれ以外はノータッチだ。

さっきとは違う意味合いでなんとも言えない居心地の悪い沈黙が女湯に落ちた。ざぶざぶと向こうでお湯が跳ねる音だけが反響する。

しかしながらこちらの不気味なまでに静まりかえった空気を無視し、あまりにも無慈悲に会話は続く。


「そういえばクロノアさんってそのツギハギ、平気なんですか?お湯なんかにつかって」


「それなら平気のようだ。出逢ったばかりの頃には私達も色々と気を使ったのだがね。

 全て無駄に終わったよ。見た目は酷いがあまり気にするな」


「ふーん。伝説の勇者と聞いたけどよ、ツギハギだらけでもうそんな面影ねぇな。ただの魔族にしか見えねー」


「人造人間なんてそんなもんでショ。………アー………不愉快だ……クソッタレに不愉快だ」


「黒貌、それ以上は叛意に取られかねぬえ?」


「暗黒神様は何故寄りにもよってこのクソったれのゴミ野郎と行動を共にしてるんデスかね?

 我々に対する嫌がらせとしか思えませんヨ。ブチ殺したいのデスガ」


「主様がクロノア君、などと呼ばわって仲良うしてるのが面白くないのはあちきも同じ、お許しが出ればすぐさまその首を巻き千切ってやったものを。口惜しゅう事」


「あー、邪神討伐だっけか?俺にはわかんねぇけどよ。悪魔でも憎悪とか覚えるんだな。

 つーかクロノアもそうだけど腕力系なのに意外とお前らこの中でも細い方なのな」


「ブラドさんが一番脳筋っぽいんですけどね。マッチョだし」


「誰が脳筋マッチョかね。私のこの肉体美に向かって失礼な」


「僕の方が細マッチョで女性受けしますよ」


「見苦しい、むさ苦しい、暑苦しいの三重苦なのでやめるのデス。ブチ殺すぞ」


「こっち見ながらビルダーポーズ決めんな。鬱陶しい」


ザバンと耐えかねたようにクロウディアさんが立ち上がる。

それを横目にマリーさんが優雅に酒瓶を置いた。

カミナギリヤさんが無言でクロウディアさんに追随する。フィリアは既に壁の前に立っていた。


「向こうからは勿論、こちらからもそれなりの難易度があるぞ」


「それを力づくで粉砕するのが魔王というものじゃろが」


「好奇心の赴くままに知識を求める、それも魔王というものね」


「たくましい殿方がいるところに女はいるべきですわ」


「みんな目が怖いのよー」


結果を述べるなら男女を隔てていた魔王タッグと妖精王が築いた結界マシマシのぞき見防止トラップ満載だったらしいベルリンの壁は作り上げた筈の魔王の手により崩壊し、温泉は混浴化してお湯の半分ほどが蒸発して大乱闘スマッシュになった。

ブラドさんの尻尾はこれでもかと映像におさめられたしウルトとクロノアくんの裸はフィリアが猛烈な勢いで写真に撮っていた。

全てが終わった後、マリーさんは腕組んで男らしく仁王立ち。カミナギリヤさんは腰に手を当て覇王のごとくふんぞり返っている。フィリアはむしろ見せ付けるかの様なAV女優のポーズ。クロウディアさんは気にせず髪をかきあげすらりと直立不動。カナリーさんはそもそも羞恥心とか無いらしい。普通にしている。

知的好奇心旺盛な魔王ズにいじられた哀れな男性陣はほうほうの体で地面に転がっている。


「お前ら少しは隠せよ!!」


む、私に隠しだてするようなやましいところなんか一つもないわい。

カグラが叫んで女のような悲鳴をあげながら逃げていく背中を見つめながらコーヒー牛乳を決めたのだった。

崩壊した温泉をリレイディアとスライムが優雅に泳いでいた。


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