第四十四話:海底の死闘
1. 絶望的な戦闘
海坊主が、こちらを見据えた。
赤い目が、獲物を捉える。
「行くぞ!」
俺は剣を構えて走り出した。
海坊主の巨体が動く。短い足とは裏腹に、長い腕が唸りを上げて振り下ろされる。
剣で受け止めるが、衝撃で体が後ろに滑る。水中からの振り下ろしなのに、この重さ――!
「くっ!」
すぐさま体勢を立て直し、反撃に転じる。
剣を横薙ぎに振るう。
だが――
ズルリ。
手応えがない。
剣が粘液に包まれ、滑る。切れない。
「チッ!」
舌打ちするもすぐに、海坊主の両腕が嵐のように振り回される。
残像が見えそうな程の速さだ。
連続で叩きつけられる攻撃を、剣で受け流すので精一杯になる。
一撃一撃が重く、腕が痺れる。
「榊様、下がってください!」
エリシアの声に従い、後ろに跳ぶ。
その瞬間、ルーシェンの魔法が飛ぶ。
「水刃!」
圧縮された水の刃が、海坊主の顔面に直撃する。
だが――
海坊主は、わずかに首を振っただけだった。
「効いていませんね……!」
ルーシェンが歯噛みする。
「なら、これならどうです。 土槍!」
土で作られた槍が、海坊主に向かって飛ぶ。
水の中、激しい音と共に槍は海坊主の胸に当たるが、粘液に包まれて砕け散る。
「風刃!」
今度は海を切り裂いた風の刃が海坊主に届くが――
やはり、粘液が攻撃を滑らせる。
「あの粘液が厄介すぎますね……!」
ルーシェンが焦りの色を見せる。
その間に、海坊主が動いた。
長い腕を地面に叩きつける。
衝撃と共に砂が巻き上がる。
いや、違う――水中の砂が、大量に舞い上がった!
「視界が――!」
砂煙ならぬ砂の濁流が、俺たちの視界を奪う。
水は遮断できても、勢いを持った砂や破片までは防げない。
結界の内側に、砂の雨が降り注いだ。
「榊さん! 上です!!」
ファルマの声が聞こえた。
咄嗟に上を見上げる。
砂の濁りの向こうに、海坊主の巨体が――飛び上がっていた!
水中なのに、こんな速さで――!?
「避けろ!!」
横に転がる。
ドガァァァン!!
海坊主が着地した衝撃で、海底が揺れる。
だが、完全には避けきれなかった。
衝撃波に巻き込まれ、体が吹き飛ばされる。
「ぐあっ!」
背中から岩場に叩きつけられる。
痛みに顔を歪めながらも、すぐに立ち上がる。
「榊様!」
エリシアが俺の前に出る。
その手には、ファルマから受け取った毒薬の小瓶。
「これで!」
エリシアが毒薬を海坊主に投げつける。
ガシャン!
小瓶が砕け、毒が海坊主の体に付着する。
「――!」
海坊主の動きが、鈍った。
「今です、榊様!」
「ああ!」
俺は剣に闇の力を纏わせる。
あの地泳巨獣にも深手を負わせた闇の剣!
黒い闇が、剣を包み込む。
そのまま、海坊主に斬りかかる。
粘液を切り裂き、肉を切る感触。
確実に手応えがあった。
だが――
「浅い……!」
緑色の血のようなものが流れ出るが、すぐに止まる。
傷は、ほんの数十センチ程度。
この巨体には、致命傷に程遠い。
「くそっ!」
2. 泥沼の消耗戦
海坊主が、再び動き出す。
毒の効果が徐々に薄れているのか、動きが戻ってきている。
「またか!」
両腕が嵐のように振り回される。
俺は剣で受け流しながら、後退する。
剣で受け止めるたび、衝撃が骨に直接叩き込まれる。
海坊主の腕のほとんどが水中であることを忘れさせるほど、速さが変わらず圧が逃げない。
一撃一撃が重く、腕に痺れが走る。
「榊様、距離を!」
エリシアが再び毒薬を投げつける。
海坊主の動きが、再び鈍る。
「今だ!」
俺は再び斬りかかる。
しかし、粘液で刃が滑る。
また、浅い傷。血が出ても、粘液ですぐ塞がれ止まってしまう。
「ちっ……!」
この繰り返しでは、いつまで経っても倒せない。
何とかしないと……。
「榊さん、一度下がってください!」
ルーシェンの声。
俺が後退すると、ルーシェンが大きく息を吸い込む。
「土槍大連撃!」
3~4mはある巨大な土の槍が、次々と生成される。
「これで!!」
槍が、海の中を海坊主に向かって飛ぶ。
だが――
海坊主は、長い腕で槍を次々と叩き落とす。
槍が砕け散る。
「まさに、化け物ですね……!」
ルーシェンが歯噛みする。
そして、海坊主が反撃に転じた。
長い腕で、岩場を殴りつける。
ゴガァン!
岩が砕け――
「まずい!」
砕けた岩が、俺たちに向かって飛んでくる!
「伏せろ!!」
岩の破片が、頭上を通過する。
全てを避けきれず、一つが俺の頬を掠める。
「くっ……!」
纏った闇の防御を超えて傷がつき、血が流れる。
このままでは――
「榊さん! また上です!」
ファルマの声。
また砂が舞い上がり、視界が遮られる。
そして、海坊主が跳躍した気配。
「また来るぞ!」
俺は横に跳ぶ。
轟音。
着地の衝撃。
だが、今度は衝撃波を完全に避けられた。
「エリシア! 毒を!」
「はい!」
エリシアが毒薬を投げつける。
海坊主の動きが鈍る。しかし、徐々に効果が下がってきている気がする。
「ルーシェン! 何か別の魔法は!?」
「これは魔力消費が激しいですが、仕方ありませんね……!」
ルーシェンが杖を構える。
「凍結!」
魔力が放たれ、海坊主の表面が凍り始める。
薄い氷が、海坊主の粘液を覆う。
「今です! 榊さん!」
「ああ!」
俺は剣に闇を纏わせ、斬りかかる。
凍った表面を砕き、その下の肉を切る。
今度は――少し深い!
「やった……!?」
だが、それでも致命傷には程遠い。
緑の血が流れるが、すぐに止まる。
「ぐっ……!」
海坊主が、怒りの声を上げる。
そして、猛攻が始まった。
両腕が、狂ったように振り回される。
毒で動きが鈍っているはずなのに――速い!
「くそっ!」
剣で受け流すが、次々と繰り出される攻撃に、体力が削られる。
腕が痺れる。
息が上がる。
「榊様!」
エリシアが再び毒薬を投げる。
海坊主の動きが再度鈍る。
「凍結!」
ルーシェンの魔法で表面が凍る。
「今だ!」
凍結した箇所に闇の剣で斬りかかる。
また、少し深い傷。
だが――
これを何度繰り返せばいい?
薬の数も有限だ。さらにこのままでは、こちらの体力と魔力が先に尽きる。
「くそっ……!」
3. 見えた希望と絶望
息を整えながら、俺は海坊主を見据える。
(何か……何か弱点はないのか……?)
闇の力で、海坊主の体を視る。
魔力の流れ。
体の構造。
そして――
(あれは……!?)
海坊主の体の中に、強く輝く核のようなものが見えた。
位置は、腹部よりやや下。
ギリギリ、剣が届く範囲。
(あれが、やつの核か……!)
「みんな! あと少しだけ、海坊主の気を引いてくれ!」
俺が叫ぶ。
「わかりました!」
エリシアが毒薬を投げる。
海坊主の動きが鈍る。
「凍結!」
ルーシェンが魔法を放ち表面を少し凍らせる。
魔力をかなり消費したのか、ルーシェンの表情に余裕がない。
そして、海坊主の顔面に集中的に魔法を叩き込む。
「水刃! 風刃! 土槍!」
海坊主の意識が、顔に向く。
(今だ!)
俺は全速力で海坊主に接近する。
剣に闇を纏わせ――
全体重を乗せて、核に向けて突き出す!
「うおおおおおっ!!」
粘液の防御を貫き、剣が海坊主の腹部に刺さる。
手応えがあった。
(やった――!?)
だが――
その瞬間。
核が、わずかに移動した。
「え――」
剣は、核のすぐ横を貫いただけだった。
(しまっ――!)
剣を引き抜こうとする。
だが、粘液が剣に絡みつき――すぐに抜けない!
「くそっ!」
その時。
海坊主の右腕が、振り下ろされた。
視界の端に、巨大な腕が迫る。
(避けられない――!)
今まで経験したことのない程の衝撃に、意識が一瞬暗転する。
遅れて襲ってくる激痛。
左腕――肩――肋骨――
全てが、砕ける音がした。
「があああああっ!!」
体が、吹き飛ばされる。
剣は、海坊主の体に残ったまま。
ゴロゴロと海底を転がり、岩にぶつかって止まる。
「がはっ……!」
口から血が出る。
左半身が、動かない。
痛みで、視界が霞む。
(やばい……)
海坊主が、こちらに向かってくる。
ゆっくりと。
確実に。
トドメを刺すために。
(動け……動けよ……!)
だが、体が言うことを聞かない。
左腕は完全に潰れている。
肋骨も折れている。
呼吸するだけで、激痛が走る。
海坊主が、目の前まで迫る。
長い腕が、振り上げられる。
(クソッ、ここで……終わりか……)
それでも俺は、海坊主を睨みつけるのを止めなかった。
海坊主が腕を振り下ろそうとする。
――その時。
「榊様っ!!」
エリシアの叫び声が聞こえた。
いつの間にか――いや、俺が痛みに意識を奪われている間に、
エリシアは動いていた。俺と海坊主との間に割り込む。
「エリシア!?」
「死なせません……絶対に……!」
エリシアの両腕が、変形する。
腕の刃が展開され――
その先端から、青白い電撃が迸る。
「これが……私の全て……!」
エリシアが、海坊主に刺さった剣に向けて――
空間が歪む程の電撃を放つ。
刃の先端から、青白い光が迸った。
次の瞬間、世界が一瞬だけ裏返る。
音も、水も、意識すらも――押し潰される。
「うおおおおおおっ!!」
閃光。
轟音。
視界が、真っ白になる。
耳が、キーンと鳴る。
何も見えない。
何も聞こえない。
ただ、光と音だけが世界を支配する。
そして――
静寂。
4. 失ったもの
視界が戻る。
そこには――
ボロボロと崩れ落ちる、海坊主の残骸があった。
体が砕け、粘液が溶け、肉が崩れていく。
「倒した……のか……?」
呆然と呟く。
そして、その前に――
倒れているエリシアがいた。
「エリシア!!」
俺は右腕だけで体を起こし、エリシアに這い寄る。
左腕は動かない。
激痛が走るが、構わない。
「エリシア! エリシア!!」
エリシアを右腕で抱き起こす。
その時――
(え……?)
エリシアの体を包んでいた、あの斥力。
いつも触れると感じる、わずかな反発力。
それが――ない。
「エリシア……?」
呼びかける。
返事はない。
「エリシア! しっかりしろ! エリシア!!」
揺さぶる。
だが、エリシアはピクリとも動かない。
目を閉じたまま。
まるで――
「嘘だろ……嘘だと言ってくれ……!」
俺の声が、震える。
「エリシア……! 起きてくれ……頼む……!」
「榊……さん……」
ファルマの声が聞こえた。
振り向くと、ファルマが茫然自失の表情で立ち尽くしていた。
「また……また私のせいで……」
ファルマの目から、涙が溢れる。
「私を逃がすために……黄金の剣のみんなは……」
「そして今度は……エリシアさんが……!」
ファルマが、膝から崩れ落ちる。
「私のせいで……私がいるから……!」
「私なんて……私なんてっ……!!」
ファルマが、半狂乱で叫ぶ。
「ファルマ……」
ルーシェンが、ファルマを抱きしめる。
「落ち着いて……あなたのせいではありません」
だが、ファルマは泣き続ける。
俺は――
エリシアを見つめる。
動かないエリシアを。
(そうだ……)
俺は、思い出した。
「イヤリング……!」
俺は耳に手を伸ばす。
右耳につけている、アルセインとの通信用イヤリング。
震える指で、イヤリングに触れる。
「アルセイン……アルセインッ!!」
『こんな早朝に何の用だ――どうした。その慌てようは』
アルセインの声が聞こえた。
「エリシアが……エリシアが動かないんだ!」
『何? どういうことだ?』
「わからない……戦って……海坊主と戦って……それで――」
言葉が出てこない。
頭が混乱している。
何を言えばいいのか、わからない。
「とにかく……動かないんだ! 返事もしない! 目も開けない!」
『落ち着け! 順番に説明しろ! 何があった!?』
「だから……海坊主が……それで俺が……剣が……!」
説明にならない。
パニックで、何も整理できない。
「エリシアが……電撃を……それで……!」
『榊、深呼吸しろ! 落ち着くんだ!』
「落ち着いてられるか! エリシアが死んだかもしれないんだぞ!!」
俺は叫んでいた。
『榊!!』
アルセインの声も、焦りを帯びている。
その時――
「榊さん」
ルーシェンが、俺の前に立った。
「イヤリングを貸してください」
「は……?」
「今のあなたでは、状況を説明できません。私が代わりに説明します」
ルーシェンが、手を差し出す。
「ふざけるな! エリシアは俺の――」
「だからこそです」
ルーシェンが、静かに言う。
「大切な人だからこそ、冷静になれないのでしょう。ですが、今は一刻を争う。感情に流されている時間はありません」
ルーシェンの目が、真っ直ぐ俺を見つめる。
「榊さん。エリシアさんを助けたいなら、私に任せてください」
「……くそっ」
俺は、イヤリングを外してルーシェンに渡した。
ルーシェンは、イヤリングを耳につける。
「アルセインさん、聞こえますか。ルーシェンです」
『ああ、聞こえる。何があった?』
「状況を説明します」
ルーシェンは、淡々と語り始めた。
戦闘の経緯。
海坊主の特性。
俺が攻撃を受けたこと。
そして――
エリシアが、俺を庇って海坊主に刺さった剣に電撃を放ったこと。
その後、エリシアが動かなくなったこと。
「以上です」
ルーシェンが説明を終える。
『……なるほど。状況は理解した』
アルセインの声が、少し落ち着きを取り戻す。
『エリシアは、腕からの電撃を使ったんだな?』
「はい。腕が変形し、そこから青白い電撃が放たれました」
『あれは、エリシアの切り札だ。普段は魔力消費が高すぎて、使った後は動けなくなるから封印している』
「つまり……」
『ああ。それも、榊を守るために高出力で使ったんだろう。内部の魔力を限界近くまで使い果たした。だから、機能が停止した』
「では……」
『死んだわけじゃない。安心しろ』
その言葉に、俺の体から力が抜ける。
「死んで……ない……」
膝から崩れ落ちる。
安堵と、罪悪感。
エリシアに、無茶をさせてしまった。
俺が、もっとしっかりしていれば――
『だが、そこまで魔力を使ってしまったなら、回復には時間がかかる。通常なら、1週間は動けないだろう』
「1週間……」
『ああ。だが、方法はある』
アルセインが続ける。
『榊、お前たちは今どこにいる?』
「海の中です。セイレーンの集落の近く」
ルーシェンが答える。
「セイレーンの依頼で、深淵遊弾魔獣――俗称、海坊主の討伐に来ました」
『セイレーンの集落……なるほど。なら、話は早い』
『セイレーンの集落には、魔力溜まりがあるはずだ。それは、白銀界に近いことによる魔力の溢れ出しが原因で生まれたものだ』
「白銀界……」
『ああ。エリシアをその魔力溜まりに置けば、回復が早まる。1週間が、1~2日に短縮されるだろう』
「本当ですか!」
俺が声を上げる。
『ああ。ただし、集落の許可が必要だ。魔力溜まりは、セイレーンにとっても重要な場所だからな』
その時――
「深淵遊弾魔獣を倒したんですね!?」
アムフィが、戻ってきた。
海坊主の撃破を感じ取ったのだろう。
「皆さん、大丈夫……」
アムフィの言葉が、止まる。
ボロボロの俺たち。
倒れているエリシア。
「これは……」
「アムフィ」
俺は、アムフィに向き直る。
「頼みがある。集落の魔力溜まりを、使わせてほしい」
「魔力溜まりを……?」
アムフィが戸惑う。
魔力溜まりは、セイレーンの生命線。
それを、見ず知らずの俺たちに使わせることは――
「エリシアを助けたいんだ」
俺は、頭を下げた。
「頼む」
アムフィは、少し迷うような表情を見せた。
だが――
「……わかりました」
アムフィが、頷く。
「あなた方は、私たちを救ってくれた。その恩を返させてください」
「ありがとう……」
俺は、ファルマに向き直る。
「ファルマ。傷薬をくれ」
「え……」
ファルマが、涙で濡れた顔を上げる。
「最も効果の高いやつだ」
「で、でも……あれは……」
ファルマが躊躇する。
「いいから、くれ」
「……わかりました」
ファルマが、小瓶を取り出す。
「これは、骨折もすぐ治りますが……」
ファルマが、俺を見つめる。
「副作用で、しばらく痛みが1.5倍になります。本来は、痛みを軽減する睡眠薬を併用するものです」
「構わない」
俺は、小瓶を受け取る。
「榊さん、あなたは……」
ルーシェンが、何かを感じ取ったような目で見つめる。
「大丈夫だ」
俺は、小瓶の中身を飲み干した。
苦い。
だが、すぐに効果が現れる。
折れた骨が、繋がっていく感覚。
潰れた肉が、修復されていく感覚。
そして――
「ぐっ……!」
痛みが、襲ってくる。
折れた骨が繋がる痛み。
潰れた肉が戻る痛み。
それが、1.5倍。
「があ……っ……!」
歯を食いしばる。
冷や汗が、噴き出す。
「榊さん!」
ファルマが駆け寄る。
「大丈夫……だ……」
俺は、立ち上がる。
左腕が、動くようになった。
だが、痛みは消えない。
むしろ、増している。
「行こう……アムフィ、集落に案内してくれ」
「で、ですが……」
アムフィが心配そうに見つめる。
「大丈夫だ」
俺は、エリシアを両腕で抱き上げた。
「ぐっ……!」
激痛が走る。
だが、構わない。
「わかりました……」
エリシアの重さを感じながら、俺は歩き出す。
痛みに耐えながら。
一歩、一歩。
「行こう」
俺は、前を向いた。
アムフィが先導し、俺たちは集落へ向かう。
痛みが、体を蝕む。
だが――
俺は、エリシアを離さない。
絶対に。
(待ってろ、エリシア)
(すぐに、動けるようにしてやるからな)
俺は、エリシアを抱えたまま――
痛みに耐えながら、海底を進んだ。
深淵遊弾魔獣
海に生息する、人型で高さ七~八メートルにも達する魔物。全身は黒い粘液に覆われており、顔に赤い目が見える以外は、動かなければ海藻の生えた岩と見分けがつかない。
個体数や繁殖形態など、生態は一切不明。目撃証言も極めて少なく、確認された例では、突然海中から現れ、長い腕で船を破壊したとされている。
海中に赤い目が見えた場合、即座にその場を離れることが推奨されている。




